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秋の桜海祭編
体育祭ークラス別対抗リレー④
しおりを挟む「ファイトー‼」
クラスのみんなも声を枯らしそうになるくらい応援をしている。
私達のクラスはあのまま3位で順位変動はない。
だが1位、2位との距離も縮まり勝負は分からなくなってきた。
「さくら、お疲れー。」
「ありがとう、吹雪。」
私の疲れている姿を見た吹雪が気を利かせタオルと水筒を持ってきてくれた。
私はお茶をゴクゴクと飲んだ。
「ぷはぁー、生き返る。」
喉元を通る冷たいお茶が心地よく感じる。
「それにしても凄い盛り上がりだよねぇ。」
吹雪がグラウンドを見渡しながら話す。
「うん…………凄いね桜海祭。」
吹雪の言うように生徒だけでなく、先生や見に来てくれている人達も大声で応援している。
こんな光景はそんなに見れるものではない。
私達は今その中にいるのだ。
「毎日ずっと桜海祭だったらいいのに。」
「あははは、それは無理だよ吹雪。」
「ほら!二人共応援しにいくわよ。」
喋ってる所を見られた私達は先生に引っ張られながらクラスのみんなの所へ戻った。
気付けばクラス別対抗リレーも終盤に入っていた。
クラスのみんなが奮闘するも、順位に大きな変動はない。
「ファイトー!!頑張れー。」
でも、そんなのは知ったことではないと言うように私達は応援を続けていた。
みんなの頑張る姿が、そうさせているのかもしれない。
ポンポンッ。
(……………!?)
不意に肩を軽く叩かれる。
振り返ってみると、そこにはアンカーで走る準備をしにいく松白君の後ろ姿があった。
(…………ふふっ。)
どういう意図で叩かれたのかは分からない。
でも、その後ろ姿には私を安心させる何かがあった。
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