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夏の合宿編
班決めー②
しおりを挟む先生の話によると、うちのクラスは30人なので5人の6班を作るらしい。
先生が持ってきた箱の中に1~30の数字がかかれた紙が入っているので
恐らく1~5が一班、6~10が二班、といったようにしていくのだろう。
「ついでに席替えもその番号でしちゃうから!」
先生のその一言でクラスがさらにざわつく。
「えぇー!」
私もその中の一人だった。
窓際の後ろの席という特等席から外れてしまうのはショックだった。
…………いや、そんなことより今はくじ引きに集中しなくては。
くじを引いて周りの人が一喜一憂しているのを見ながら、ついに私の番が回ってきた。
(あわよくば、また後ろの席でっ!)
私は箱から紙を一つ取った。
【18】
私は吹雪の方を見た。
吹雪はジェスチャーで番号伝えている。
……吹雪はどうやら【30】だったらしい。
私も吹雪にジェスチャーで自分の番号を伝えた。
番号を知った吹雪はショックを受けているようだ。
私は掲示物の貼ってある少し古い席替え表を見た。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
☆席替え表☆
【22】【24】【26】【28】【30】
【21】【23】【25】【27】【29】
板【12】【14】【16】【18】【20】
黒【11】【13】【15】【17】【19】
【2】【4】【6】【8】【10】
【1】【3】【5】【7】【9】
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
はぁ…………、中途半端な位置になってしまった。
………松白君の席はどの辺だろう。
私は聞き耳を立てた。
(真ん中の列の一番前の右……。)
って、松白君の番号を知ってどうすんの!
一人でノリツッコミをいれながら、私は現実を受け入れることにした。
そんな簡単に上手くいくことなんてそうそうない。
私は諦めて席移動が始まるその時を待った。
それから数分後、先生が全員にくじを引かせ教卓に戻った。
私は席移動の準備をしていると、先生から驚きの一言を告げられた。
「せっかくだし、席替え表を新しくしたから!」
そういって先生が新しく貼った席替え表を見てみた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
☆席替え表☆
【22】【28】【6】【18】【30】
【14】【26】【29】【12】【24】
板【8】【16】【20】【15】【25】
黒【2】【4】【5】【10】【19】
【11】【7】【27】【13】【9】
【1】【21】【17】【3】【23】
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
法則性があるような無いような席替え表は先生の性格を表しているようにも思えた。
でも、その先生のきまぐれのおかげで私はあることに気付く。
吹雪と同じ班だ。
私はとりあえず気楽に話せる人が同じ班で良かったとホッとした。
そして、ガヤガヤと席替えが始まった中で私はもう一つあることに気付く。
どうやら吹雪も気付いたようで、意味ありげな笑顔とともにそれは告げられた。
「良かったね桜!」
私が席を移動させた後、隣にその人は現れる。
「おっ!隣はさくらか、ヨロシクっ。」
松白君だった。
神様はどうやらイタズラ好きらしい。
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