口が悪くてスミマセン。

osho

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夏の合宿編

合宿2日目ービーチフラッグス⑥

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会場は二人の決着がつき、大きく盛り上がる。










「「せいやく~ん、優勝おめでとう。」」







「「松白くん、ナイスファイト~。」」








『パチパチパチパチ。』










止むことのない声援と拍手。








それは二人の試合がそれほどまで凄かったということだ。










「うおーーー!!先生は感動したぞっ。」








山口先生は感動して泣いていた。










そしてビーチフラッグスも終わりビーチは多くの人混みで雑踏する。












「あーー、松白君惜しかったね。」








「うん、あと少しだったね。」









私にも悔しい気持ちがあったが、きっと本人はもっと悔しいだろうと思った。













(そういえば……………。)










当の松白君本人はどこに行ったのだろうか。








試合が終わり、多くの人々が行き来しているのでこの場所からは見つけるのが難しかった。













「ごめん、ちょっと散歩してくる。」








「え!なに急に、どうしたの!?」








私の発言に驚いている吹雪達をよそに松白君を探しにいった。











私なんかが励ますとか大層なことができるわけではないけど……。









それでも気づけば体が動いていた。









それに………。


















探すこと数分……。








「やっと、見つけた!」








ビーチの片隅の古いベンチに松白君は座っていた。









「さくら?どうしたこんな所まで来……。」








「ちょっと足見せて。」







「いや、なんで……。」








「いいから、見せて。」








私は松白君の足を強引に掴んだ。











「ほら、足怪我してるじゃん。」








「いや、大した怪我じゃないから。」









不自然に崩れた決勝戦でのスタート、まさかとは思っていたけどやっぱり怪我していた。









私はバッグの中から、絆創膏ばんそうこうと消毒セットを取り出した。








「ふふっ、何でそんな物もってるの?」







松白君は笑いながら言う。








「私自身昔っからよく怪我してるから、いつも持ち歩いてるんだ。」








「……へぇ、そっか。」











そこから沈黙が続く。








私は黙々と応急処置をしていた。









松白君は何を考えているのだろう。









別に気まずいという訳ではないがそんな中、時間だけが過ぎていく。















「よしっ、終わり。」








幸い大きい怪我ではなかったので、すぐに治るだろう。









「ありがとう、さくら。」









「よし、じゃあ戻ろうか。」











私が戻る準備をしていると、松白君はうつむきながら話し始めた。













「……ごめんな、負けちゃった。」







やっぱり、決勝のこと気にしていたのか。








「謝らなくていいって。それに、怪我なかったら松白君が勝ってたでしょ。」








実際、スタートの時の怪我が無かったら勝負の行方は変わっていただろう。











「それに、あんな良い勝負で怒る人いないって。」








「………ありがとう。」











こういうイベントの時とかは何でもこなせる松白君だからこそ、余計に悔しいんだろうな。








それに私には分からない『男の勝負』っていうのもあるんだろう。













(…………あっ。)








私は、ある言葉を思い出した。












「あのね、勝負は負けを認めるまで負けじゃないから。」









「え?」









「『負けても負けを認めず、挑み続けて最終的に勝てば勝ちだ。』ってお父さんが言ってた。」








「あはは、何だよそれ。」








お父さんが昔言ってた言葉を思い出した。








あきらめの悪いお父さんらしい言葉だ。














「ありがとう、さくら。……よしっ、戻るか。」









「うん、戻ろう。」









良かった、いつもの松白君に戻ったようだ。












そして、私達は元の場所へと戻っていった。






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