口が悪くてスミマセン。

osho

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夏の合宿編

合宿3日目ー大掃除

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「…………きて、起きてさくら。」







その言葉に気づいた私は目を覚ます。










「集合時間遅れちゃうよ~さくら。」








仕度の済んだ、吹雪と星宮ちゃんが私の顔を覗きこんでいる。













ん?





















窓を見るとすっかり外は明るくなっていた。










私はようやくその状況を理解した。









「ごめん、急いで準備するねっ!」








そして私は集合場所へ向かう準備をする。











「昨日はさくらさんお疲れでしたから、グッスリ眠ってましたね~。」







まだ、少し眠そうな星宮ちゃんがアクビをしながら話す。











でも、本当に昨日はいろいろあって疲れたな~。








ひまわり畑に海、それに肝だめし。









1日で夏を満喫した充実した日だった。













そして鏡に映る自分を見ながらふと思う。







(やっぱり普通が一番だな。)










肝だめしの格好より普段の自分の方が落ち着く。










あれはあれで良かったかもしれないが。















「よしっ。」








きっちり身だしなみを整える。










「お待たせ、二人とも行こうか。」









待たせた二人に謝りつつ朝ごはんを食べに食堂に向かった。













食堂には既に松白君と笹山君が来ていた。








「二人ともおはよう。」











「染井、おはよう。」







「おはよう、さくら。」









松白君とは昨日の勢也君との一件以来だが、今は普段と同じ様子だ。









(普通の松白君に戻ったのかな?)








ほっとした私は席に座る。









これがホテルでとる最後の食事だ。








合宿も、そろそろ終わりに近づいていると思うとさみしい感じもした。










しかし、みんなとは普段と変わることなくいろんな事を喋って朝食を食べた。


















そして朝食を食べ終えた私達はをして外へと移動した。









3日目のイベントをやるのだ。











身軽な格好に、帽子をかぶり、汚れてもいいように作業用手袋をはめる。













そう、大掃除だ。








宿泊地周辺を綺麗にして最後ここから帰るらしい。








これから来る人に向けて、そして来年の桜海二年生の為に……。












「はぁ~~、最後に掃除かぁ。」








吹雪はふてくされている。










「ほら、つべこべ言わず早くやるよ。」








私は吹雪を引っ張って持ち場へと向かう。











私達の班の担当区域はちょうど昨日肝だめしをした周辺だった。








昼とはいえ薄暗く少し不気味だった。















「そういえば、昨日は勢也とは上手くやれたか?」








「えっ!?」








唐突な笹山君の質問に私は動揺する。








「ぜ、全然大丈夫だったよ。」








「お、おぅ。それなら良かった。」












(少し不自然なリアクションをしてしまったが、大丈夫だったかな。)









松白君と勢也君が喧嘩しそうになったなんて絶対言えない。













そういえば………。








松白君はどこに行ったんだろう。









少し違う場所の掃除でもしてるのだろうか。














「でも、さくらさん昨日の肝だめしの時、仲良く竹之葉たけのはさんと喋ってましたよね?何話してたんですか?」








「えっ!?あの堅物と何話したの?」








星宮ちゃんの一言に吹雪が肝だめしの時の話に食いつく。









「べ、別に昔の話を聞いただけだよ。」









「へぇ~、あの勢也と昔の話をしたのか。他にも何か話したのか?」









笹山君まで昨日のことに興味を示してきた。








このままではいろいろ聞かれて大変なことになりそうだ。











「ほら喋ってないで、掃除しよ。私は奥から掃除するから。」









そういって私は離れた場所へ向かう。













これだけ離れたら大丈夫だろう……。













(……………ッ!?)








私はそれに気づいた瞬間、木の陰に隠れる。










ちょうど私が離れた場所に………。













少し緊迫した雰囲気の勢也君と松白君がいた。





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