47 / 124
秋の桜海祭編
新聞部と春野ちゃん
しおりを挟む放課後、私が職員室に行こうとすると忙しそうにしている春野ちゃんがいた。
「春野ちゃん、何か忙しそうだね。」
私は声をかける。
「あ、染井さん!そうですね、今は桜海祭に向けていろいろなことをしてるんです。」
そういって春野ちゃんは桜海新聞を貼っている。
きっちりとした性格だからか新聞が少しも斜めにずれていない。
「ふぅー、これで終わりっと。」
どうやら一段落したようだ。
春野ちゃんはいつも動いている気がする。
真面目な人でもあるし、さぼったりとかしないんだろうなぁ。
「お疲れ春野ちゃん。」
「うふふ、ありがとうございます。……あっ、そうだ!」
「ん?どうしたの。」
春野ちゃんは何かひらめいたようだ。
「今、新聞部誰もいないですし遊びに来ませんか?お茶ぐらい出しますよ。」
新聞部かぁ………。
いつもいろんな記事をまとめる新聞部は謎が多い部分も多い。
そんな新聞部に行ける機会はそうそうないだろう。
「分かった、暇だしちょっとだけ遊びに行くね。」
「本当ですかぁ~!」
春野ちゃんは嬉しそうにしている。
そしてそんな春野ちゃんについていくこと数分……。
「おおー、ここが新聞部か。」
そこら中に書類が雑に置いてありそうなイメージだったが違った。
綺麗にファイリングされてあり、種類ごとに見やすくまとめてあった。
(まぁ、ファイルの数が尋常じゃないが……。)
「さぁ染井さん座って下さい。」
そう言われ私は椅子に座る。
「それじゃあ、何から聞いていきましょうかねぇ。」
「まさか、それ目的で新聞部に連れてきたの!」
「あははは、冗談ですよ。……まぁ染井さんの話しならいつでも歓迎ですけど。」
良かった、またいろいろ聞かれるのかと思った。
私はほっと溜め息をつき、ふと机の上を見ると桜海祭に関する記事がいろいろ置いてあった。
「………これって桜海祭の記事?」
「そうですよ、今いろいろと桜海祭のことをまとめているんです。本当は合宿のことも記事にしたいんですけどねぇ。」
春野ちゃんは楽しそうに語る。
私は、ある質問をする。
「春野ちゃんってやっぱ新聞部好きなの?」
「そうですね。元々、自分の勉強の事だったり1日の出来事を綺麗にまとめる癖があって、それを知った新聞部の先輩に誘われて入っただけなんですけどね。」
「でも今はとても楽しいです。」
なるほど春野ちゃんにとったら新聞部は天職だったのか。
確かに春野ちゃんの記事はとても見やすくまとめられている。
前に一回ノートを見せてもらったことがあったが、下手な教材より見やすくてコピーしてもらったっけ?
「これどうぞ。」
春野ちゃんからお茶を貰う。
「ありがとう。」
私達は長い時間、いろいろなことを話した。
そして夕陽が沈み暗くなるころ、ようやく私達も帰る準備をする。
「今日は楽しかったです。また、用があっても無くても遊びに来て下さい。」
「私も楽しかったよ、気を付けてね。」
そして私は家に帰る。
「あっ。」
職員室に行くの忘れてた……。
まぁ明日行けばいいか。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる