口が悪くてスミマセン。

osho

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秋の桜海祭編

カフェの準備②

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みんなの作業の手が止まり、今はクラス大騒ぎの試着会になっている。









「へぇ~、おもしろい服ばっかりだな。」










「何にするか決めた、勇?」










松白君と笹山君は興味津々に服を選んでいる。










男子の服は少し色が派手なだけで普通のタキシードやスーツみたいなものだけだった。










(私も男子の服じゃダメなのかな……。)














「私決めた!これ着るね。」









いつの間にか吹雪は自分が着る服を決めたようだ。









吹雪の手にした服は可愛らしい赤ずきんちゃんの服である。










「「おおー。」」







何の歓声かは分からないが、誰が何を着るか期待されているらしい。









そして吹雪は着替えに更衣室へ向かう。













「私も決めました!」








そういって星宮ちゃんも自分が着る服を決めたようだ。









手にしたのは中世ヨーロッパ風の服。星宮ちゃんにはピッタリの洋服だ。











そして吹雪と星宮ちゃんをキッカケに男子、女子ともに自分が着る服を選んでいく。










(みんな積極的だなぁ。)













…………っ!











私はあることに気付く。









……が、気付いた時には遅かった。










残っていたのは上下セットの派手なメイド服と、少し変わった昔話に出てくる古いお姫様の服みたいなものだった。











(あああー、やってしまった。)










悠長に眺めてるなんてしなかったら、もう少し選べたかもしれないのに。











究極の選択だが私は服を選ぶ。












みんなは私がどちらを取るのか注目しているようだ。










(メイド服は……………ないなぁ。)







流石にメイド服は私の中で、選択肢の中から除外された。










となると残るは一つ…………。









お姫様っぽい服になる。








仕方ないからこれを着…………。











(あっ…………。)







手にして気付いたが、お姫様の服は背中側が大きく破れていた。








(これは着れないなぁ。)








つまり私が着るのはメイド服になる。








少し恥ずかしいが着るしかないのだ。










謎の歓声を受けながら私も更衣室へ向かう。














更衣室に到着するとそこには既に着替えている人が多くいた。








みんな可愛くドレスアップしている。










「えっ!さくらそれ着るの?」








赤ずきんちゃんの服を着た吹雪に声をかけられる。











「仕方ないよ………これしか無かったんだから。」








男子の余ってたやつではダメだろうしな…………。









はぁ………。











「…………さくら、私と服交換する?」







落ち込んでいる私に吹雪が気をつかう。









「いやいいよありがとう。先に戻ってて吹雪。」







流石に服を交換するのは吹雪に申し訳ない。








それに、私には吹雪ほど赤ずきんちゃんの服を可愛く着飾れないだろう。










「さくらさん、無理に着なくても大丈夫ですからね。」







ちょうど着替え終わった星宮ちゃんも心配した表情で私を見つめる。









「星宮ちゃんもありがとう。すぐ着替えるから先に戻ってて。」









そして先に着替えてた吹雪や星宮ちゃんを始めみんな教室に戻っていく。









「よし、着替えるか。」









私は覚悟を決めて着替えることにした。





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