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秋の桜海祭編
文化祭ーミス桜海 3回戦
しおりを挟む3回戦目のお題は『タッグマッチ』
内容が全く分からなかったが、すぐにアナウンスで告げられる。
会場の中から一人、パートナーを選びその人と2つのお題に挑戦してもらうというものだった。
2つのお題は二人バラバラでやってもいいし、二人で一つずつチャレンジしても良いとのこと。
「2つのお題………、何になりますかね?」
杏ちゃんは私に聞く。
「ごめん、私には分からない。」
いや、正確には私達だけ分からないというのが正しいのかも知れない。
案の定、私達以外に変更されたお題に狼狽えている人はいない。
恐らくこの様子だと、2つのお題の内容も知っているのだろう。
それに問題がもう1つある。
パートナーを誰にするかだ。
お題によって、だいぶ選ぶ人を考えなくてはいけない。
二人の生年月日とかを答えるクイズなら吹雪になるし、スポーツ系なら松白君だ。桜海高校に関してなら春野ちゃんとかもパートナーになる可能性は十分になる。
(どうしようか………。)
3回戦は制限時間もある。パートナーを選ぶのに時間がかかっていたら、この戦いに勝つのは不可能だろう。
「あははは、まさかパートナーが決まっていない人が3回戦にいるわけないでしょ。」
橘先輩が、こっちに聞こえるような喋り声で話す。
周りの3回戦突破した人達も笑っている、橘先輩の取り巻きだろうか。
「何か思ったより陰湿な人達ですね。」
杏ちゃんも少し暗くなっている。
「杏ちゃん、あまり気にしちゃダメだよ。」
「はい……気にしたくはないですけど、さっきは誰かにゴミ投げられましたし…。」
「ゴミを投げられたの?」
まさか、直接的なことをしてくるとは。
いくらなんでもやり過ぎじゃないか。
「……これです。」
杏ちゃんはそう言うと丸くなった紙を出した。
「まさか、ゴミを投げられるなんて思ってもいなかったです。」
そのことを私は直接言うことにした。
さすがに黙って見過ごす訳にはいかない。
(…………ん?)
立ち上がろうとした時あることに気づく。
「ねぇ杏ちゃん、その紙見せて。」
「え?この投げられたやつですか?」
杏ちゃんは不思議そうな顔で私に紙を渡す。
(やっぱりだ。)
紙には何か書いてある。
何かを私達に伝えたいんだ。
私はくしゃくしゃになった紙を広げた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
3回戦目のお題は
①クイズ
②料理
悪いけど、私はこれぐらいしか知らない
お願い蜜柑ちゃんに勝って
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そこには殴り書きだが、必死の思いを伝える文字が書いてあった。
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