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秋の桜海祭編
文化祭ーミス桜海 決勝戦⑤
しおりを挟む「やっぱり、いざ着てみると少し恥ずかしいな。」
そう言う松白君だったが、松白君のために用意された服装だと言われても違和感が無いくらい様になっていた。
「……綺麗だな、さくら。」
「へっ?」
私は松白君に唐突に誉められ恥ずかしくなる。
「こらーー、イチャイチャするなーー。」
「ちょ、ちょっと吹雪!」
「「わはははは。」」
吹雪におちょくられ、みんなに笑われる。
「ごほんっ、………で、ステージ上では任せるってどういうこと?」
私は話題を切り替えるように松白君に尋ねる。
「あぁ、そのことについてね。」
松白君は少し考えて話す。
「最初はみんなでいろいろと考えていたんだ。……だけどさ、実際に俺たちはミス桜海に出てるわけじゃないじゃん?」
「ミス桜海に出て、誰よりも人のことを思えるさくらだからこそ、言いたいこと、やりたい事があるんじゃないかなって思ったんだ。まぁ、それだけなんだけど。」
私だからこそか………。
「………うん、私にはいろいろ言いたいことがあるよ。」
「そうか。それなら、任せて良さそうだな。」
なるほど、私にしか出来ないことを考えていてくれたのか。
いい仲間を持ったな私は。
……………ん?
「そういえば、なんで松白君は王子様の服なんて着てるの?」
松白君は驚いた表情で話す。
「あれっ、誰もそのことについて話してないの?………まぁ、その俺もさくらの手助けをしたくてさ。」
松白君が少し恥ずかしそうに話す。
「染井さん。さっき私が秘策があるって言ったの覚えてますよね?」
「うん。」
「その秘策が松白君なんです。」
自信満々に春野ちゃんは言うが、一体どういう事だろうか。
「染井先輩。やっぱり『シンデレラ』って王子様も大事な登場人物じゃないですか。」
「それで、みんなの中から『王子様』役をキャスティングしようってことになったんですよ。そしたら、満場一致で松白先輩が選ばれたんです。」
杏ちゃんが事の経緯を話す。
「なるほど、だから王子様を服を着ているんだね。」
「そういうこと。最初の真ん中の道を歩く時、俺がステージまでエスコートするから。」
「わ、分かった。」
これが私達にしか出来ない『シンデレラ』
決勝戦までの時間はもうすぐまで迫ってきた。
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