【R18】次に目を開けた時、イケメンのベッドの中に異世界転移してました。

はこスミレ

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第0〜1.5章 ソーヴィの独白

32・思いが通じた日

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事前に大切な人だと伝えておいたのにも関わらず、大変有難いことに、メロキーは本当に余分なことをしてくれやがった。
シャロンの時は阻止出来たけれど、メロキーは人をからかい楽しむことに関しては随一で、俺がアルシーの実弟だってだけで、嫉妬するような奴だ。それが無ければ、薬剤師を志すきっかけをくれたり、味方をしてくれたり、いい奴なんだけど…
俺の童貞喪失事件を暴露されて、抱きしめていたはずのアユリがいなくなった時は、生きた心地がしなかった。

「ごめん、ソーヴィ。やりすぎちゃった。引き止めようとしたんだけど、間に合わなくて。」
メロキーが申し訳なさそうな顔をして、俺に謝った。
「アユリはこの国で育ってないんだから、そういう話はもっと慎重にして。」
「大変申し訳ありません。」
腕の中の温もりが、まだほんの少し残っている。
「アユリが出てって、どれくらい?」
「そんなに経ってないわよ。5分くらいかな。」
「分かった。」
目を閉じて、深呼吸をする。
「…あー、そうよね。それ、使うわよねえ。アユリちゃん…今夜大変だわあ。ごめんなさいね。」
一人で勝手に謝っているメロキーを無視して、街中に魔力を分散させる。5分程度で移動できる範囲を予想し、アユリの気配を探した。
「この魔法、一人でやってのけるなんて、この世にソーヴィしかいないわよ。アユリちゃん、ケンカして飛び出しても、すぐに捕まりそうねえ。嫉妬束縛絶倫男に好かれちゃって、可哀想に…」
人の心を抉るような嫌なこと、よく言ってくれるなあ、本当。
「いた、結構近い。」
「はっや…そして怖いわ。面白いからアルシーに報告しましょう。」
「じゃあ、俺行くから。」
「お幸せにー!」
手をひらひら振って呑気にしているから、普通にイラっとした。
面倒なので施設から転送魔法を使って、移動する。
アユリから一番近い公園に転送し、走って行くと、角から飛び出してきた男が、突然土下座をした。
「大変申し訳ございませんでした。私は、ソーヴィ王子を侮辱し、王子の大切な女性に手を出そうと致しました。誠にお詫び申し上げます。」
よく見なくても、たまにしょうもないことで俺に絡んでくる町人だった。
「は?何言ってんの?」
アユリは?どこだ?!
「ソーヴィ!」
その少し先に、アユリが立っていた。
真っ赤な顔で、俺とセックスしている時のような表情。
「アユリ!」
男を無視してアユリを抱きしめる。
「大丈夫?!何されたの?!」
腕の中のアユリはグッタリしていて、息も絶え絶えだった。
怒髪天を衝きそう。
「何もされてない!」
本当に?!
人が集まってきたので、急いで家に帰る。
辛そうなアユリを介抱しようと思ったけれど、それどころじゃなかった。
アユリからキスをされて、抱いて欲しいとねだられたのだ。
魔力を使用し過ぎて火がついていた俺は、アユリを抱き潰した。
やだって言われれば、言われるほど燃えて、アユリが気を失うまで、何度も何度も。
俺も限界が来て、そのまま眠った。

それから、アユリを目一杯甘やかして、話をした。
元の世界で死んでしまって、知らない場所へ来て、しかも俺のところなんかで生き返ってしまって…不安だっただろうな、とか。昨日、俺のせいで酷い目にあったことを思ったら、勝手に涙が出てしまった。
だけど、俺は酷い奴だから、アユリが俺のところに来てくれて、すごく嬉しいと思ってる。
俺の足りない部分を埋めてくれたのは、アユリなんだ。
二人で泣いて、お互いの気持ちを確かめ合って…
嬉し過ぎて、そのまま抱いた。
もちろん、出せる限界まで。

必ず、アユリを守る。
俺を愛したせいで、アユリを傷つけることになるなんて、絶対にあってはいけない。
その日から、結界を強化し、転送魔法もエリアが判明しないように何重にも防護した。
アユリにも、防護魔法をかける。
彼女が寝ている間に、キスをして。

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