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しおりを挟むカッコ悪いところなんて、あるか?見たことないけど。
「言いたくない?」
日晴くんの胸の上、じっと顔を見つめると、彼は自分の頭をぐしゃぐしゃとかき混ぜた。
「俺、こういうこと初めてだし……どうしたらいいか分かんなくて」
「えっ?!初めてなの?!彼女いたんでしょ?!」
最後までする前に別れたってこと?!
「そう言われるから…言いたくなかった」
日晴くんは薄い唇を尖らせた。
「ごめん!」
いや、めっちゃ可愛いな!こんなことある?!なにそれ可愛い!
「じゃあ、私としたくない訳じゃないの?」
私の問いかけに、すっと視線をそらす。
え?どっち?
「言わないと分かんないですけど。エスパーじゃないんで」
日晴くんの手が私の手を取り、すごく恥じらいながら該当部分に乗せた。
「えっ、わっ?!えっ…えっ?!」
想像よりも手のひらで包み込めない感じのサイズだった。
「倫音さんは…俺にとって汚しちゃだめな存在っていうか…女神様だし」
「いや人間だわ」
「それに…傷つけちゃうかと思うと…」
「いつか絶対するんだから、今か先かの違いじゃん」
不安そうに見上げる彼の頬に手を添える。
「日晴くんが私のこと考えてるの知って、すごく嬉しい。初めてはやっぱり不安だし、私もめちゃくちゃドキドキしてるけど、でもやっぱり…するなら日晴くん以外考えられない」
他の男となんて、絶対に嫌だ。
「だから初めては日晴くんがいいし、私はそのつもりで来た。その覚悟を舐めないで欲しい」
触れたままのそこを手のひらで撫でると、日晴くんがビクンッと動いた。
「ちょ、倫音さん!」
「自分から触らせておいてびびらない!」
「はいっ!」
とてもいい返事ですね。
さて、どうしたものか…
リードしてもらえるかと思ってたから、どうやったらいいか分からない。もうこの際、聞いたらいいのでは?
「で、どうやって始めるの?」
そのままスルスル撫でていると、日晴くんの体が回転して、今度は私が仰向けになった。
「本当にするの?」
影になった日晴くんの目は、ギラギラ光ってる。
「しないという選択肢は、倫音様にはない」
胸を張って言うと、盛大にため息をつかれた。
「痛かったらやめるから言って」
腕を伸ばして首に抱きつき、そのまま引き寄せた。
「ふふん、いつまでそんなこと言ってられるかしら」
言い終わった瞬間、首筋をべろっと舐められた。
「ひゃあっ!?」
「……痛くならないように、頑張る」
おでこをくっつけ合って、唇が重なる。
あの日と違って、私の開いた唇の隙間へ日晴くんの舌が入り込む。粘膜を舐められて、歯の付け根や舌の裏を刺激されると、首筋から耳の下までゾクゾクと震えた。
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