ただ1枚の盾に。

小隈 圭

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1章

そんな物まだ買えてませんよ?。

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「結局あの宿でやれと言ってたあれはなんだったんですか?
ハウルもあれを混ぜてやると合格と言ってくれてましたけど?」

像の真似事をしていたサイモンさんは2回目のハウルに合格点を出し俺の前まで来ていた。

他の取り巻きの4人はサイモンさんが動き出すとどこかえと行ってしまって現在この場所には俺とサイモンさんしかいない状態になっている、何故像の真似事をしていたのかなど聞きたいところではあるが、気になるのはやはりあれだろうと思いサイモンさんに聞いてみた。

「ふむ、自身で感じ取れるようになるのが一番いいのだが、今はまだ無理なようだしな、いいだろう、説明してやろう。
宿でやっていろと言ったあれはな、気を扱う時の基本動作、というかまともに感じとれない初心者用のものだ。 目を閉じ自身の力の流れを掴み、それを操る、その為の訓練であり、すべての技の基礎ともいえる。」

すべての技の基礎、だが技は別に気が無くても使える、なのに何故そんな事をする必要があるんだろう?
ある特殊な行動や動作、そういったものが技と呼ばれるもの、なら別になくてもいいのではないのだろうか・・?
そんな俺の疑問は続けて説明をしてくれたサイモンさんの言葉で解決する。

「いいか、技に気を混ぜることはその技の力を引き上げる為の行為だ、コウが1度目に使ったハウル、あれ自体でも技と呼べるものではあるが、私から言わせればあんなものはただ叫んでいるだけだ。
気とは目に見えるものではないが感じ取ることはできる、先ほどの像がいい例だ。」

とそんなことを言い出すサイモンさんだがあの像に意味があったようには思えなかった。
気というものがあったとしても、像となんの関係があるっていうんだろう?

「コウ、先ほどの像を見てどう思った。」

「どうって・・・なにやってんだ?とか??」

「ふむ、言い方が悪かったか、両脇にいた4人と、中央にいた私、その違いだ。何かを感じなかったか?」

4人とサイモンさんとの違い、そういわれて先ほどの事を思い出す。

両脇にいた像とサイモンさんとの違い、それは・・・

存在を主張するような気品さ。

見る者を魅了するかの如くすばらしい筋肉・・・・

すばらしい・・・・

あぁ・・・すばらしい・・・・




やっぱりサイモンじゃねぇか。




しかし言いたいことはなんとなくわかったような気がする、サイモンさんが気を使っていたとした場合、4人と比べて存在感、力強さが全然違う。

「どうやらわかったようだな。」

俺の様子を見ていたサイモンさんはそういい説明を続けてくれた。

「今回コウに見せたのはただ単に気を体にまとわせたものだ、それを技に組み込むともちろん威力も上がる、そして冒険者として歩み続けるなら必要になるものだ、なにせ敵が弱いのはトリーア周辺だけだ。
中級冒険者が集まる町、交易都市ゴードア、その周辺はこことは敵の強さが全く変わってくる。
覚えておいて損はないだろう。」

中級とかはまだまだ先の話だろうが今から鍛えておけとそうゆうことなんだろう。

なら俺のやらなければならない事は鍛錬がないときや、宿で休む時に基礎を、気を鍛えることだろうな。
しかしそうなってくると今日もハウルの修行かな。

「サイモンさん、これからも気の修行は続けていきますね、それで今日も鍛錬をお願いしたいのですが、ハウルでいいのでしょうか?」

「いや、ハウルに関してはもう教えることはない!あとは練度を自分自身で上げていけばいい。
今日はタンクとして最前線に立つ際に役に立つ技、シールドバッシュを教える!準備はいいか!!」

すごい気合だ、俺も気合を入れてついて行かないと!

「はい!!いつでも行けます!!!」

「よし!でははじめるぞ!!!盾を構えろ!」

「ありません!!!!」


「ん??」

「ん???」

「――――」

「――――」

重い沈黙が二人を包み込み、その状態を離れたところから見ていた鍛錬所の女性はそこだけ時間が止まっている様に感じていた。
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