ただ1枚の盾に。

小隈 圭

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1章

ブレイクとは脱がせること!。

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「ない、とはどうゆうことだ?なぜ持っていない?」

盾を構えろとサイモンさんに言われたのに対し、俺はないと答えた、持っていないと。

まずはその説明からしないとダメなんだな~と説明をする。

「えっと、買いに行ったんですけどお金がなくて・・・・買えなかったんです、鎧の方は店の人の好意で揃えることができたのですが、現状盾はないんです。」

俺の説明を黙って聞いたサイモンさんはなんどかうなずいた後口を開いた。

「まぁ駆け出しだしな、金銭面で買えなくてもしかたないだろう。
しかしタンクが盾を持っていないというのもそれはそれで問題だ、早いうちに手に入れておくようにな!」

確かにそれは自分でも思っていたことだが、鎧と盾とどちらかしか持てないとなった場合、俺は鎧を選んだ、盾だけで全身を守るのは無理だし、急所は常に守っておかないとなにかあってからでは遅い。

結果的に技を教えてもらうという事に支障が出るかもしれないが、それはしかたないだろう。

「はい、出来るだけ早く持つようにします。」

今はそう答えることしかできない。そして問題は技を教えてもらえるのかどうかだ。

「サイモンさん、技は・・・今日は教えてはもらえないのでしょうか?」

「いや、盾がなくとも覚えることはまだまだある。
ないならないで他の事を教えるまでだ!ということで教える技の名前はブレイクだ!。」

「ブレイク・・・どういった技なんでしょうか?」

「ブレイクは簡単に言うと敵に与えるダメージを増やす技だ!」

どうやって増やすんだ?その技を使うだけで増やせるというのだろうか?そんなこと可能なのだろうか・・・?
などと考えているとサイモンさんは続けて説明をしてくれた。

「つまりだ・・・この技はな、敵を脱がせる技だ!!」

またこの人は凄いことを言い出したな・・・脱がせる技?俺に敵であろうと服を脱がす犯罪者になれとゆうのだろうか?敵が男だった場合も脱がせと?そんな趣味はないのだが・・・

「脱がす、つまりは装備を壊す、はがすという事だ、カッチカチの防具で固めている敵に攻撃をしたとして、その敵にダメージを与えたとしてもたいしたものにはならない。
しかし!防具さえ壊して、外してしまえばどうだ?攻撃は直に体に伝わりかなりのものになる。
その為の技だ!」

確かに、防具をなくしてしまえるのならその効果は絶大なものになるだろう、凄い技だ!
その技、早く教えて欲しい!あの二人とパーティーを組んだ時に必ず役に立つはずだ。

「サイモンさん、その技教えてください!修行がしたいです!!」

早く修行を!その思いをサイモンさんの目を見ながら伝える。あの二人を迎えに行くんだ。

「いいだろう、でははじめるぞ!!まずは剣を構えろ!」

俺は言われた通り、腰にぶら下げ、鞘に入っている剣を抜き構える。

俺が構えるのを見ていたサイモンさんだがその視線はどうやら俺ではなく、俺の持つ剣に行っているようだった。

そしてその表情はとても信じる事ができない、そういった物を目の当たりにしたような、驚愕と困惑が入り混じった感じをしている。

なんだ?なぜそんな顔をしているんだ・・・?そんな疑問を抱いている俺を気にもせずサイモンさんは口を開いた。

「コウ・・・お前なんで・・・そんなものを持っているんだ・・?」

そんな物、とはおそらく剣のことだろう、これを見てから様子がおかしいしな。

「剣のことですか?鍛冶屋で買ったものですけど、これがどうかしましたか?」

「いや、剣自体はいい、私が言っているのはその文字だ・・・それが何なのかしっているのか?」

文字、刻まれているこの文字のとこか、何もわからない。そうとしか言えないだろう。

「いえ、この文字については何もわからないんです、この剣を作った人も読めないし、どんな効果もあるのか全くわからないって言っていましたし。」

「そうか・・・」

俺の説明を聞いたサイモンさんの返事はそれだけだった、だが何か知っているのかもしれない、もし知っている事があるなら少しでも情報は掴んでおきたい。

「サイモンさん、この文字についてなにか知っていますか?できれば教えていただきたいのですが・・・」

「その前に、それを作った人がいるといっていたな、その人はどうやってそれを作ったのかは聞いているか?」

そう言われた俺はあの時の事、カマウリさんが言っていた言葉を思い出し、伝えてみた。

「確かよく来る冒険者が見つけた経典があって、使い道も効果もわからないという話だったんで買い取って剣を作る時に使ってみたらこうなった、と言っていたと思います。」

「そうか・・・」

俺の話を聞いたサイモンさんの返事はそれだけだった。

「その文字はな、魔族の文字だ、俺も読めないからどんな効果があるのかまではわからない、というかそれを読めるのは多分魔族だけだろう、その剣を使うなら一様注意はしておいた方がいいぞ。」

魔族の文字、そういわれてもいまいちピントこないな、会ったこともないんだから。それが正直なところだろう、注意しろと言われてもどうしたらいいかわからないしな。
とりあえず今は次の技、ブレイクを習得するのが先だ!

「サイモンさん、そろそろ修行をはじめたいのですが・・・」

「ん、そうだったな!ではまじめるとしよう!まずコウ!貴様にやってもらう事がある。」

「はい!なんでしょうか!」


「貴様には私を裸にしてもらう!」


なぜそうなるんだ?装備外すだけでいいのではないのか?

「サイモンさん、装備外すだけじゃダメなんですか?」

「ダメだ!!!」

何故だ!?装備だけでいいじゃん!なんで裸にまでしないとならないんだ!?

「いいか、ブレイクだけではなくどの技にも言えることだが練度を上げないと効果も薄く、時間もかかる、そのため今回は俺を裸にするまで続けてもらう!そこまで俺を脱がせることが出来れば貴様のブレイクはそれなりの出来上がりになるだろう!」

なるほど・・・装備だけではなく相手の衣服まで脱がす、それによって技の完成度を上げるとは!その考えはなかった!!さすがサイモンさんだ。

「わかりました!やってみます!」

「よし、ではまずやり方だが相手の装備、その隙間やつなぎ目を狙い剣で弾き飛ばすのだ!さぁいくぞ!!」

「はい!」

こうして俺の修行は始まり、サイモンさんを裸にできたのは結局丸一日かかった為、疲れ果てたまま宿に戻り、明日へと備えるのだった。
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