運命の賭け事

ruki

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静かな部屋の中で、ベッドの軋む音と獣のような息遣いの音が響き渡る。

「はぁ・・・はぁ・・・あん・・・っ」

突然耳を噛まれ、息が跳ねる。

座ったまま背面から穿たれ、腰を持たれて上下に動かされる。その、下に深く落とされた時に突然耳を噛まれたのだ。

「覚えているかい?今日は賭けの日だよ」

落ち着き払った声が耳に流し込まれる。

僕を抱くまで、男を抱いたことのなかった彼のこの余裕がイラつく。

こっちは息を切らし、体を震わせて快感に耐えているというのに・・・。

別に耐えなくてもいいのだけれど、すぐにイクのも癪に障る。
彼のものは相変らず僕の体を翻弄する。

いままで何人もの男のものを受け入れてきたけど、彼のものほど僕の体を感じさせるものはなかった。

今までも挿れると、その後に訪れる快感を体が期待して気持ちよくなる。いい所に当たって擦ってつつかれて・・・。それがあると思うから体はそこに導くように蠢き、締めるのだ。でも、彼のは違う。挿れる時から快感が体に走るのだ。快感を期待するのではなく、そのもの自体が快感で、さらにいい所になんて当たったら・・・。

「あぁ・・・っ」

故意にそこをゆっくりと擦られ、前も握られる。

最初の夜はあんなに余裕だったのに、今はなんて様なんだろう。
男が初めてで、僕のリードで挿れた瞬間にイってしまった男が、息も乱さず僕を乱していく。

耳を舐められながら腰を揺らされ、前を扱かれた瞬間、僕は達してしまった。なのに彼の手は止まらない。

「も・・・イっ・・・た・・・イった・・・から・・・」

手を止めて・・・。

イったばかりのそこはまだ緩く白濁を流し、それを広げるようにさらに扱かれる。

「あぁ・・・あ・・・ぅ・・・」

敏感になっているそこへの刺激が止まず、さらに腰も止まらない。イったばかりの体は休むことを許されず、頭が混乱する。

「私は君を手放す気は無い。君の体も私を欲しているよ。さて、君の心はどうかな?私から離れたいかい?」

回らない頭には彼の言葉は届かず、『離れる』という言葉に反応してただ首を横に振るだけだった。

離れないで。
止めないで。

ついさっきまでやめて欲しかったはずなのに、体はいとも簡単に再び高みへと押し上げられ、彼を欲する。

「なら、私の勝ちだね」

耳に笑いを含んだ言葉が聞こえた瞬間穿たれたまま体を前に倒され、うつ伏せになったと思う間もなく激しい抽挿が始まった。

「あっ・・・あぁ・・・ぁっ」

ベッドの軋みは大きくなり、スピードを増す。

静かだった部屋には激しく揺れるベッドの軋み音と腰を打付ける乾いた音が響きわたり、僕の口から止めることの出来ない嬌声が発せられた。

どれくらい続いただろう。
ドロドロに溶けた頭はいつの間にか飛び、気づいた時には仰向けで膝を高々と抱えあげられた状態で彼の迸りをこの身の中に受け止めていた。

今までの男には必ず付けてもらっていたゴムを彼は拒み、必ず中に出したがる。安全面でもつけて欲しいと言ったら、それなら口でする時もつけなければおかしいと言われ、ゴム越しに咥えたことがあったが、ゴムの感触にえずいてしまい、結局上も下もゴムなしになってしまった。

中に出されたものの処理が大変だと訴えもしたが、それ以来事後の処理も彼がするようになり、薮の蛇をつついただけに終わった。

僕も意識を飛ばしている間に何度も達したらしく、腹の上はべちょべょのぐちょぐちょだ。
早くシャワーを浴びたいと思っているのに彼はなかなか僕の中から出ていかない。

どうしたのかと思っていたら、彼は枕の下に手を入れると僕の左手を取った。

「今日で私は続けて4回賭けに勝った。だからボーナスが欲しい」

そう言いながら枕の下から手を抜くと、そのまま左手に・・・。

「今までは君の向こう3ヶ月をもらっていたが、今日は君の一生をもらう。つまり、賭けは今日で終わりだ。私が勝ったのだから、君に拒否権はないよ」

薬指に押し込まれるように嵌められた指輪。それはいつ測ったのか、サイズはぴったりだった。

「明日引越しの手配をしてある。おまかせパックだから君は何もする必要は無いよ。会社の人事にも君の転居届は出してあるが、私と同居ということは伏せておくように言ってあるので心配はいらない」

この人は何を言っているのだろう?
激しい交わりの後で、はっきりしていない頭にはよく理解出来なかった。

何も言わずぼうっと彼を見ていると、彼はうれしそうに笑った。

「今から君のすべが私のものだ」

僕は左手の指輪を見た。

これはプロポーズ?

僕は今プロポーズをされたのだろうか・・・?

けれど僕は、未だ彼のものを後孔に穿たれたまま両膝を抱え上げられた状態。

前から思っていたけど、この人ちょっと天然?

拒否権があっても別段拒否するつもりもなく、まだよく回っていない頭は『まあ、いいか』と判断した。
それよりも早くシャワーで体をキレイにしたいと思いつつ急な眠気に襲われ、瞼が下がってくる。

そんな僕に慌てたような声が降ってくる。

「分かっているかい?君は一生私のものだよ」

その声に、もう閉じてしまった瞼のまま2回頷くと、僕は睡魔に勝てず眠りに落ちた。





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