王子は姫の外見に騙される

ruki

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正直、そんな彼女らをオレは好きになったことがない。
いつも告白されて、付き合うのだ。

オレ的には付き合っていくうちに好きになっていくものと思ってるんだけど、いつもその前に色々な要求をされ、疲れた頃に別れ話が持ち上がる。

もうなんか疲れたな・・・。

そもそもお断りするのが精神的に辛くて付き合っている節があった。
特に好きでなくても、その子に泣かれたりしたらいたたまれなくなってしまう。だから告白を受けてしまうのだ。だって断るより心は痛まないし、相手は喜ぶし、それに付き合ううちに好きになれるかもしれないじゃないか。だけど結果はいつも振られる。それが何故なのか、もう考える気力もない。

しばらく誰かと付き合うのはやめよう。

そう思っていたのに、ここに来てこんなに断らなければならなくなるとは・・・。

付き合ってしまった方が楽だけど、さすがに女子高生はまずいだろう。ましてや仮でも教え子だし。

そう思って毎回出来るだけ丁寧にお断りをしているんだけど、そろそろ精神的にやばい。

あぁ、あと少し。
がんばれ、オレ。

そう自分を奮い立たせ、ようやく最終日になった。
受け持ったクラスの子たちからは寄せ書きをもらい、一緒に写真を撮り、終わりよければすべてよし、と自分に言い聞かせ、そのまま華々しく終わるはずだった。最後の最後に呼び出されるまでは・・・。

それは全てが終わり、いざ帰ろうと靴箱を開けた時だった。そこにあった1枚のメモに、場所が書いてあった。

『放課後、別館の音楽準備室で待ってます』

ここに来てまた告白かとため息をついた。
せっかくいい感じで終われそうなのに、また女の子を泣かせなくてはならないのか・・・。

一気に憂鬱になったオレはそれでも音楽準備室に向かった。
そこは別館の一番端の部屋で、オレが在学中からほとんど人が立ち寄らない場所だった。
なんでこんなところに作ったのか、辺鄙なところに作られた音楽室と準備室はあまりの不便さにクレームが殺到して本館にもつくられ、こちらはほとんど使われなくなった。

でも放課後と言ってももう大分遅いし、帰ってしまったかもしれない。

なんだかんだと職員室の先生方に捕まって話し込んでしまったので遅くなってしまったのだ。
オレはそこに誰もいないことを期待しながら、準備室のドアを開けた。
いや、もうカギがかかっていて開かない事を願ったのだけれど、そこはなんなく回り、ドアが開いた。

椅子に座っていたその生徒はドアの音に立ち上がり、オレを見た。
そしてふわりと微笑む。

「もう来てくれないかと思いました」

少し弱気のその言葉に申し訳ない気持ちになる。
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