スプラヴァン!

文字の大きさ
120 / 154
2章 東日本県大会編

第24話  変化

しおりを挟む
トウキョウ SO庁

 スポーツ庁のとある一室。
名もなき男女のモブ職員が会話をしている。
組織名はもうアルファベットで表記するぞおお。
県大会も始まって全国各地で水しぶきが上がり、
関係者たちもよりいそがしくなる。

「はあ、やるべき事務処理がまたこんなに・・・。
 この季節になるとなんでこう――」
「男モブさん、あの2人アナウンサーへの
 伝令の内容決めましたか?」
「今やってるよ、あいつらっていっつもこっちの
 作ったセリフを勝手に変えるから作る意味あるのか?」
「せめてもの国と民間をつなぐ橋わたしですね」
「別にいいわ、グラハムボスは?」
「今、GOPHです。ニトベさんと会談しに」
「CO2の量はきちんと減らせてるだろう?
 はあ、たかが水鉄砲に何夢中になってんのか。
 今年はどうなるのか」
「これはウワサですけど、またちがう冷涼対策が
 あるらしいですよ」
「なんでわざわざそんな事を?」
「「それがですね・・・ゴニョゴニョ」」
「いひひぃん、イヌカイ元大臣がああああ!?」

変な顔をしながらおどろいてとび上がる。
周りが向いて名前を聞いた男職員が聞き返す中、
女職員がおさえて話した。

「だって、どう考えてもうちらの頭だけで
 そんな計画立てられる人なんていないでしょう?
 考えられるなら出所はあそこしかないはず」
「「だってぇ、あの方は、もう、引退したはずでぇ」」
「だって、調べでも一番最初に冷涼対策の案を
 出したのは関東で、内閣で科学技術系に強く
 関わった人はそこくらいしかいませんよ。
 あの人の出身も大立原からですよね?
 自衛隊でも使われないのに他でどう使うと?」
「「だってへぇ、そんなのでぇ、冷やしすぎぃ」」

鼻水をたらす男職員。
あまりにもそうだいでまともに会話にならないほどだ。
別に漫才をしてるわけでもない、なぜそんな話が
あったのか理由すら不明であるのに。
どこでもれたのか? それより本当なのか?
女職員の想像も少しまじり気に、
一応こんなやりとりがあったという話であった。


GOPH

 場面は変わり、地球温暖化対策推進本部。
グラハムがニトベと話していた。
海外のウオバト事情もさらに進んでいるという。

「それで、アメリカも水素技術は認めたのか」
「うむ、ウォーターガンへの採用はすべて通り、
 安全性もすべてクリア。試合への使用も許可できた」

英語ペラペラの2人で交流もスムーズ[なめらか]。
なぜGOPHがそんな話をしているのかというと、
二酸化炭素は燃料としても使用しているので、
水素と組み合わせる分野で関係している。
2人はよくアメリカへ行き来しているので、
総理へ話す前に内容を決めていた。
日本側としては世界に対してウオバトの関心は良く、
問題なく土台作りが進む。
SOの方としては県大会を無事に終わらせる事。
特に今年と来年は総理関係が強く、念入りに行う。
ニトベは国内について聞いた。

「ところで、大会の方はだいじょうぶかね?
 総理の息子さんは初戦で勝利したらしいが」
「もう全国各地で県大会は始まっている。
 国民の反応は上々じょうじょう、去年よりも熱気がある。
 スイリュウ君は次にチバへ行く」
「あんたの息子がいる学校か。
 そういえば日照にっしょう問題は解決したのかね?」
熱中症ねっちゅうしょう問題だ、それは・・・解決していない。
 地元と電気代、もとい精神論の折り合いがつけん」

赤葉小学校はある理由でエアコンが付けられずにいた。
大臣の自分ですらクリアできず、話し合いも停止中。
それゆえに試合も他とは異なる条件で行っている。
県大会はできるものの、方法がちがうのである。
実は千葉の他でもチラホラと大会のかべが生まれている。
モニター画面を表示、全国試合じょうきょうが映る。

「ん、灰色になっている地域が。
 中部でもボイコットかね?」
「ああ、ヤマナシは今年全校で中止が決定された。
 各校のPTAが工場にまでストライキを起こして
 ウオバトから離れて関東へ退避たいひさせている」
「サイタマとカナガワの方面は?」
「こちらは順調だ、一部試合はしていないが出場決定。
 後10日以内に連絡がくるはずだ」

まだまだ反対派がいる中で熱波でのスポーツは
冷たき水球で身体をかいくぐれている。
一部だけ出場できずとも大会そのものは行える。
しかし、問題はさらにあった。

「CO2だ」
「ああ、そればかりはどうにも・・・」

そう、水素技術がいまだにきちんと認められずにいた。
日本はいつも新技術がおそい方で、反重力は画期的に
すぐ採用されても総理でも教育庁への届けはむずかしい。
スポーツにそんなものを用意するにも多少の費用がいる。
ニトベはかたほうメガネをかけ直す。

「スポーツと道具の関係はいつもしんちょうすぎる。
 アメリカからもさっさと決めろとせまられている。
 だから私も手を打たなければならない」
「ではどうする? こっちでもまともに通せなければ
 大会規定にひびいて全国中止になるぞ?」
「可能性はある、だから教育界の内側から変えてゆく。
 そこでやぶれかぶれに1人、助人をよんだ。
 アドバイザーが来る」
「だれだ? そんな解決ができる者などいるのか?」
「ああ、意外な年で私もおどろきだが。
 そろそろ来るからあんたも相談してくれ」
「私も?」

タイミングを見計らってもう来るらしい。
私が直に来た理由もその1つだった。
大臣2人を差し置いて解決案を出せる者がいるのか、
ずっと仁王立ちしていた後ろからノック音がした。

コンコン

「どうぞ」
「失礼しマース」

きこえた言葉と同時、小さな型に目を疑う。
入ってきたのは1人の少年だった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

月弥総合病院

御月様(旧名 僕君☽☽‪︎)
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。 また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。 (小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!

『続・聖パラダイス病院』

菊池昭仁
現代文学
『聖パラダイス病院』の続編です。こんな病院なら入院生活も悪くはありません。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

滝川家の人びと

卯花月影
歴史・時代
勝利のために走るのではない。 生きるために走る者は、 傷を負いながらも、歩みを止めない。 戦国という時代の只中で、 彼らは何を失い、 走り続けたのか。 滝川一益と、その郎党。 これは、勝者の物語ではない。 生き延びた者たちの記録である。

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

スキル素潜り ~はずれスキルで成りあがる

葉月ゆな
ファンタジー
伯爵家の次男坊ダニエル・エインズワース。この世界では女神様より他人より優れたスキルが1人につき1つ与えられるが、ダニエルが与えられたスキルは「素潜り」。貴族としては、はずれスキルである。家族もバラバラ、仲の悪い長男は伯爵家の恥だと騒ぎたてることに嫌気をさし、伯爵家が保有する無人島へ行くことにした。はずれスキルで活躍していくダニエルの話を聞きつけた、はずれもしくは意味不明なスキルを持つ面々が集まり無人島の開拓生活がはじまる。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

処理中です...