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それからとこれから(※甘々なお話)
それから1
しおりを挟む僕が監禁された後、先生と付き合い出したあの日から少し時間が経った。
僕は高校生から大学生になっていた。
高校生活の中で先生といるうちに自分の夢を見つけた僕は、学校に通いながら先生…玲さんの家に居候させてもらっている。
居候するとなった時、親からの許可は案外、ケロッとしたものだった。
「居候の件、許可…取っといたから」
『…え?』
そう言われて会話が終わったのだ。
僕はそれ以外聞くことはしなかった。なんか怖かったから…。
玲さんが僕を監禁した時も親に許可取っていたぐらいだから、居候するぐらい容易かったのだろう。
大学を入る頃には玲さんの部屋に上がり込む形で僕は今、住んでいる。
但し、監禁されていた部屋とは全く違う場所だった。
後に聞いたのだが、元々、あの部屋は監禁用に借りてたらしく、僕を家に返した時点で退去していたとのことだった。
今、住んでいる場所は2LDKの部屋で、寝室と…玲さんの書斎があって、あとはリビング、ダイニングとキッチンがちゃんとあるファミリー向けの物件だ。
間借りさせてもらっている僕は、家賃…まで行かなくてもバイトで稼いだお金を玲さんに渡すようにしている。
バイトも高校生の頃から続けているカフェでバイトさせてもらっていた。
たまに玲さんがお客さんとして来てくれるのだが、悪い虫が寄ってこないか…の視線を感じて怖い…。
顔が整っている玲さんは、バイト先の先輩や後輩にも人気で「優くんの保護者来たよー」といつも揶揄われていたが、もう慣れてしまった。
学校とバイトを両立しながらの生活で大変だが、結構充実していて楽しいとまで思っている。
そして何より…
『そいえば、今日…帰り遅くなるって言ってたっけ…?』
玲さんと一緒に住んでいて、大好きな人とちょっとでも多く居られることが幸せで堪らなかった。
仕事で遅くなることも多い玲さんより先に帰ってくる僕は、ご飯作りや洗濯、お風呂掃除と家事全般を担っていた。
ご飯はバイト先のカフェでキッチンに入ることもあり、作るレパートリーがあるからなんとかなった。
あとの家事もまあ、細かいことを言う小姑のような人がいない限りはそつなくこなしている。
(玲さんはいつも何しても褒めてくれるから甘えてる部分があるのかもしれないけど…)
「とりあえず、お風呂掃除して…ご飯作らなきゃ…」
帰ってきて手洗いうがいを済ませた僕は、お風呂掃除に取り掛かる。
一緒に住んで分かったことだけど、疲れて帰ってくる玲さんは湯船に浸かるのを極端に嫌がる人だった。
『…疲れてるんでしょ?お風呂入った方が疲れ取れるよ?』
「んー、めんどくさいから良い」
そう言って、湯船に浸かるのを極端に嫌がる。
(それはもう眉間に皺寄せて嫌そうな顔で…)
でも最近、対処法を見つけたのである。
『じゃあ…一緒に入る…?』
じっと見つめてそう言うと…小さく…
「入る…」
と言って入ってくれるようになった。
もはや介護だな…と思いながらも、可愛い玲さんの一面が見れて嬉しくも思う。
その代わりと言ってはなんだが…
『も…玲さんっ…ちょっ、何処触って…っ』
「え?優の好きなとこ…」
毎回お風呂に入るたびにセクハラはつきものとなっていた。
乳首やら股間やら触られまくり…身体中にキスマーク残されたり、もうやりたい放題である。
でも、それが玲さんにとって癒しになっているようで、お風呂入ったあと…僕は疲れているけど…玲さんは凄く楽しそうにしている。
それを見てると『まあ、いっか…』と言う気分になってしまうのだ。
(惚れた弱みとはこう言うことなんだと思う…)
僕はそんなことを考えながらお風呂掃除を済ませると、バタバタと次はご飯の準備に取り掛かった。
『今日…遅くなるって言ってたし、食べる物…何か軽いものにしよう…』
そう言いながら、冷蔵庫からお野菜やお肉を取り出す。
手際は良くないかもしれないが、材料を切ってお湯に入れて調味料で味を整える。
その間に炊いておいた白米が食欲をそそる良い匂いがした。
『味は…たぶんこれぐらいで良いとして…。スープとご飯ぐらいなら消化にも良いし、大丈夫だよね…』
そう言いながら、スープを保温状態にし…僕はパタパタと思い出したかのように寝室へ向かった。
『パジャマ!洗濯物に出したから新しいやつ出しておかないとっ!』
クローゼットから自分の分と玲さんの分のパジャマを出す。
柔軟剤の良い匂いがふわっと香った。
その中でも自分が着ているものと玲さんの着ているものはやっぱり少し匂いが違って、つい玲さんのパジャマに顔を埋める。
『…玲さんの匂いする…』
スウッと匂いを嗅いでる自分にハッとして、パジャマから顔を背けた。
『何やってんだ自分…!』と思いながら、焦りながらベッドにパジャマを置く。
恥ずかしい思いをしながら、リビングに戻ってきた僕はソファに座ってクッションで顔を埋めた。
『これも…玲さんの…匂いする…』
ソファに座りながら本を読むのが趣味の玲さんはクッションを背にしていることが多く、このクッションからも匂いがしたのだ。
何処もかしこも玲さんの匂いに包まれている…そう考えるだけで身体が火照る気がした。
『…本読んでる時の玲さん、眼鏡姿だから格好良くて…好き…』
そう言いながら、家に帰ってきてバタバタと家事をしていた僕は疲れていたのか、玲さんの匂いに包まれたクッションを両手に抱えて横になっているうちにいつの間にか眠りについてしまっていた。
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