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「お前がそんな奴だったとはな……。俺はお前を信用して、俺たちの事を話したのに……なのにお前は、裏でそんな事──!」
リョウ……俺がお前を好きだって所は、聞いてなかったのか。
そこだけはホッとしつつも、俺はどうしたものかと途方に暮れた。
ずっと一緒に居たから分かる。
リョウは、こういう卑怯者や裏切り者は大嫌いだ。
頭を下げ謝っても、許してくれる奴じゃない。
もういいと、見限って捨ててしまうタイプだ。
「リョウ……俺は、本当にそんな事──」
「リョウ!俺、嘘なんかついてないよ?俺がリョウに嘘を付かない事……今までの付き合いから分かるでしょう?」
ユキに潤んだ目でじっと見つめられ……リョウはうんと一つ頷き、俺を見た。
「俺はドラマの中でさえ、お前と結ばれる事なんて望まない。まぁ……不正が明らかになれば、そんな最後は迎えないだろうけどな。お前とは同じグループだから簡単に縁は切れないけど……幼馴染としてはもう縁を切る。」
それだけ言うとリョウはユキを連れ、俺の元から去って行った。
俺……リョウに嫌われてしまったんだ。
自分の想いを告げる事も出来ず、一方的に誤解され……。
俺は余りのショックにその場に座り込むと、一人静かに涙を零した──。
※※※
その日から、リョウは俺と目を合わせようとしない。
雑誌の撮影やテレビの収録の時は、今までと同じように話はするけど……楽屋に入れば俺を完全に無視し、ユキを守る様に傍に居る。
リョウ……俺はユキに何もしないよ?
俺は、確かに二人の仲が羨ましいと思ったけど……でも別れればいいとか、そうしてやりたいとは思わなかった。
だって……リョウが幸せなら、俺はもうそれで良いと思ってたから。
例え俺の気持ちが報われなくたって、それで良いって──。
※※※
もうすぐ最終回の台本が配られるのに、こんな事になるなんてな──。
俺は重い足取りで、撮影現場に向かった。
すると俺の少し前に、リョウが一人で歩いているのが見えた。
ユキと一緒じゃないなんて珍しい。
前の俺だったら、浮かれてリョウに話しかけに行ってただろうけど……今は、もう──。
その時、ある事に俺は気付いた。
壁に立てかけてあったセットの一部が壊れかけ…今にもリョウの方に倒れて来そうな──。
そう思った時、俺はすぐにそこから駆け出していた。
「リョウ!」
俺はその名を呼び、彼の背中を突き飛ばした。
驚いた顔をしたリョウが、俺の名を呼んだその瞬間……俺は背中に激しい痛みを感じた。
そしてそこで、俺の世界は真っ暗な闇に包み込まれた──。
リョウ……俺がお前を好きだって所は、聞いてなかったのか。
そこだけはホッとしつつも、俺はどうしたものかと途方に暮れた。
ずっと一緒に居たから分かる。
リョウは、こういう卑怯者や裏切り者は大嫌いだ。
頭を下げ謝っても、許してくれる奴じゃない。
もういいと、見限って捨ててしまうタイプだ。
「リョウ……俺は、本当にそんな事──」
「リョウ!俺、嘘なんかついてないよ?俺がリョウに嘘を付かない事……今までの付き合いから分かるでしょう?」
ユキに潤んだ目でじっと見つめられ……リョウはうんと一つ頷き、俺を見た。
「俺はドラマの中でさえ、お前と結ばれる事なんて望まない。まぁ……不正が明らかになれば、そんな最後は迎えないだろうけどな。お前とは同じグループだから簡単に縁は切れないけど……幼馴染としてはもう縁を切る。」
それだけ言うとリョウはユキを連れ、俺の元から去って行った。
俺……リョウに嫌われてしまったんだ。
自分の想いを告げる事も出来ず、一方的に誤解され……。
俺は余りのショックにその場に座り込むと、一人静かに涙を零した──。
※※※
その日から、リョウは俺と目を合わせようとしない。
雑誌の撮影やテレビの収録の時は、今までと同じように話はするけど……楽屋に入れば俺を完全に無視し、ユキを守る様に傍に居る。
リョウ……俺はユキに何もしないよ?
俺は、確かに二人の仲が羨ましいと思ったけど……でも別れればいいとか、そうしてやりたいとは思わなかった。
だって……リョウが幸せなら、俺はもうそれで良いと思ってたから。
例え俺の気持ちが報われなくたって、それで良いって──。
※※※
もうすぐ最終回の台本が配られるのに、こんな事になるなんてな──。
俺は重い足取りで、撮影現場に向かった。
すると俺の少し前に、リョウが一人で歩いているのが見えた。
ユキと一緒じゃないなんて珍しい。
前の俺だったら、浮かれてリョウに話しかけに行ってただろうけど……今は、もう──。
その時、ある事に俺は気付いた。
壁に立てかけてあったセットの一部が壊れかけ…今にもリョウの方に倒れて来そうな──。
そう思った時、俺はすぐにそこから駆け出していた。
「リョウ!」
俺はその名を呼び、彼の背中を突き飛ばした。
驚いた顔をしたリョウが、俺の名を呼んだその瞬間……俺は背中に激しい痛みを感じた。
そしてそこで、俺の世界は真っ暗な闇に包み込まれた──。
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