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【第2世・自殺者の使い方】
ラブアンドヘイト
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前にボクがこの世界は対となるものでできている話をしたのを覚えているだろうか。上と下、右や左、北や南とか、この世界は対となるものや言葉で溢れているという話だ。
さて、キミが思い出してくれたところで話の続きといこう。
『愛と憎しみは紙一重』という言葉を聞いたことはないだろうか。まぁ、キミが聞いたことがなくてもボクは話を進めるのだが。
紙一重ということは、"同じ"とまではいかないがそのふたつにはごくわずかな隔たりがあるだけで、"似ている"ということだ。
『好きと嫌い』、『天才と馬鹿』などにも同じく紙一重という言葉が使われるが、つまりこれは全く違ったものではなく、先程話をした対となるもののひとつだということだ。
ようは『ふたつでひとつ』だ。
では、何故、美しい愛と禍々しい憎悪が紙一重なのか不思議に思わないかい?
『愛』とは、
親子・兄弟などがいつくしみ合う気持ち。また、生あるものをかわいがり大事にする気持ち。「―を注ぐ」
異性をいとしいと思う心。男女間の、相手を慕う情。恋。「―が芽生える」
ある物事を好み、大切に思う気持ち。「芸術に対する―」
個人的な感情を超越した、幸せを願う深く温かい心。「人類への―」
そのすべてが"何か"を想う気持ちであること。
好きな人を想う気持ち、友を想う気持ち、親や子を想う気持ち、上司や先輩を想う気持ち、国を想う気持ち、物事を想う気持ち、…様々な想う気持ちには『愛』が絡んでくる。
しかしだ、愛があるから憎しみが生まれ、憎しみがあるから愛があるのだ。
そこで何故、そこまで想う気持ちが憎悪へと変わるのか、ボクなりに経緯を考えてみた。
愛が憎しみに変わるのは、向けた愛に見返りを求める心が強すぎるためだとボクは思っている。
自分の愛情を過大評価してしまい、その評価にあった見返りが相手から応えられない場合は不満を持ってしまう。まぁ、これは人間の道理だから仕方のないことだな。
そのため、その過大評価に見合う見返りを求めるあまり、相手からの見返りが小さかったり、または何もなかった、ましてや相手がその愛を受け入れてくれない、…拒絶するなどの態度を取られてしまうと、徐々に自分が苛立ちを溜め始めてしまう。
そして、結果としてフラストレーションが極限にまで高まり、自分を律することが不可能になってしまうのだ。
そうなると人間は自我の崩壊を避け、精神の安定を図るために、相手を憎むようになるのではないか……と、ボクは思っている。要は逆恨みと同じことだな。
…………え?なに?あたかも自分が体験したことのあるような口振りだったと?
…何を言い出すかと思えばつまらないことを。
ボクにも想う相手の一人や二人いるに決まっているだろう。それを言い返すなら、今ボクが話したことを全く理解できないのであれば、それはそれでキミの神経がボクは心配だよ。
キミにもいるだろう?想っている相手が。…………え?ペット?飼ってる犬?………まぁ、犬でもいいさ。
その犬をキミは愛情込めて育てている、それなのに懐いた相手がキミではなく別の誰かだとしたらどうする?
………そうか、むかつくか。それが初期段階の苛立ちだよ。
そして、その犬にキミは全財産をつぎ込んで生涯ず~~っと愛情込めて優しく優しく育てたのに、噛みつかれて家を逃げ出したあげく、別の懐いている誰かのところに逃げてしまったとしたら…?
…想像しただけでも腸が煮えくり返りそうだろ?それが過大評価した愛情への見返りがそぐわなかったときの憎しみさ。
ほぅら、さっきまで愛していた対象が、憎む対象に変わってしまっただろ?
だから、愛と憎しみは紙一重なのさ。
…こんな長々と話をして何を言いたいかだって?…まったく…キミの理解力は乏しいというか何というか…。
つまりだよ、ボクはボクの創った平行世界を愛の溢れる素晴らしい世界にしたい。世の中、ラブアンドピースだからね。
しかし、さっき話をした危険性があるだろう?
愛に溢れれば、紙一重で憎しみに溢れる世界へ変わる。
だってボクは神様じゃないけど、創造主だからね。創るからには愛に溢れる平和で素晴らしい世界にしたいのさ。
ラブアンドピースだよ。ラブアンドヘイトにはしたくない。
第3世【もうひとりの自分】へ続く
さて、キミが思い出してくれたところで話の続きといこう。
『愛と憎しみは紙一重』という言葉を聞いたことはないだろうか。まぁ、キミが聞いたことがなくてもボクは話を進めるのだが。
紙一重ということは、"同じ"とまではいかないがそのふたつにはごくわずかな隔たりがあるだけで、"似ている"ということだ。
『好きと嫌い』、『天才と馬鹿』などにも同じく紙一重という言葉が使われるが、つまりこれは全く違ったものではなく、先程話をした対となるもののひとつだということだ。
ようは『ふたつでひとつ』だ。
では、何故、美しい愛と禍々しい憎悪が紙一重なのか不思議に思わないかい?
『愛』とは、
親子・兄弟などがいつくしみ合う気持ち。また、生あるものをかわいがり大事にする気持ち。「―を注ぐ」
異性をいとしいと思う心。男女間の、相手を慕う情。恋。「―が芽生える」
ある物事を好み、大切に思う気持ち。「芸術に対する―」
個人的な感情を超越した、幸せを願う深く温かい心。「人類への―」
そのすべてが"何か"を想う気持ちであること。
好きな人を想う気持ち、友を想う気持ち、親や子を想う気持ち、上司や先輩を想う気持ち、国を想う気持ち、物事を想う気持ち、…様々な想う気持ちには『愛』が絡んでくる。
しかしだ、愛があるから憎しみが生まれ、憎しみがあるから愛があるのだ。
そこで何故、そこまで想う気持ちが憎悪へと変わるのか、ボクなりに経緯を考えてみた。
愛が憎しみに変わるのは、向けた愛に見返りを求める心が強すぎるためだとボクは思っている。
自分の愛情を過大評価してしまい、その評価にあった見返りが相手から応えられない場合は不満を持ってしまう。まぁ、これは人間の道理だから仕方のないことだな。
そのため、その過大評価に見合う見返りを求めるあまり、相手からの見返りが小さかったり、または何もなかった、ましてや相手がその愛を受け入れてくれない、…拒絶するなどの態度を取られてしまうと、徐々に自分が苛立ちを溜め始めてしまう。
そして、結果としてフラストレーションが極限にまで高まり、自分を律することが不可能になってしまうのだ。
そうなると人間は自我の崩壊を避け、精神の安定を図るために、相手を憎むようになるのではないか……と、ボクは思っている。要は逆恨みと同じことだな。
…………え?なに?あたかも自分が体験したことのあるような口振りだったと?
…何を言い出すかと思えばつまらないことを。
ボクにも想う相手の一人や二人いるに決まっているだろう。それを言い返すなら、今ボクが話したことを全く理解できないのであれば、それはそれでキミの神経がボクは心配だよ。
キミにもいるだろう?想っている相手が。…………え?ペット?飼ってる犬?………まぁ、犬でもいいさ。
その犬をキミは愛情込めて育てている、それなのに懐いた相手がキミではなく別の誰かだとしたらどうする?
………そうか、むかつくか。それが初期段階の苛立ちだよ。
そして、その犬にキミは全財産をつぎ込んで生涯ず~~っと愛情込めて優しく優しく育てたのに、噛みつかれて家を逃げ出したあげく、別の懐いている誰かのところに逃げてしまったとしたら…?
…想像しただけでも腸が煮えくり返りそうだろ?それが過大評価した愛情への見返りがそぐわなかったときの憎しみさ。
ほぅら、さっきまで愛していた対象が、憎む対象に変わってしまっただろ?
だから、愛と憎しみは紙一重なのさ。
…こんな長々と話をして何を言いたいかだって?…まったく…キミの理解力は乏しいというか何というか…。
つまりだよ、ボクはボクの創った平行世界を愛の溢れる素晴らしい世界にしたい。世の中、ラブアンドピースだからね。
しかし、さっき話をした危険性があるだろう?
愛に溢れれば、紙一重で憎しみに溢れる世界へ変わる。
だってボクは神様じゃないけど、創造主だからね。創るからには愛に溢れる平和で素晴らしい世界にしたいのさ。
ラブアンドピースだよ。ラブアンドヘイトにはしたくない。
第3世【もうひとりの自分】へ続く
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