元ロクデナシで今勇者

椎井瑛弥

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第一部:ロクデナシと勇者

スキルのレベル

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 気になるスキルはいくらでもあるけど、まあゆっくり調べればいい。【鑑定】はスキルについても調べられるらしい。それ以外のことで聞けることは聞いておくか。
「そういえば丸がいっぱいあるけど、丸とゼロと伏せ字のどれなんだ? それとも文字化けか?」
「ゼロですね。まだレベルがゼロです」
 一なら分かるけど〇か。あまり聞かないな。
「レベルがゼロって意味あるのか?」
「ありますよ。レベルは〇から九まであります。〇では弱すぎてほとんど意味がありませんけど、訓練をすれば必ずレベル一になれるというです。ステータスの基礎を上げましたので、シュウジさんは人間が使えるスキルならどれでも身に付きます。訓練しなければ無理ですけど、訓練すれば絶対に使えるようになるということです。まだ浮かんでいないスキルもあると思いますので、たまにチェックしてください」
「なるほど、どんなことにも素質があるってことでいいんだな?」
「はい。レベルはあくまで目安です。スキルには数字としては見えない熟練度がありますので、とにかく使ってください。熟練度が一定に達するとレベルが上がります」
 使えば上がると。魔力が多そうだから鍛えればどこまでも上がりそうだ。
「細かいことを聞くけど、【蘇生(単体)】と【蘇生(全体)】のレベルって、確率が上がるとかじゃないんだろ? レベルが上がって何が変わるんだ?」
「ちなみにどのレベルでどれくらいの実力とか分かるか?」
「行く世界によっても違うと思いますけど、〇から三で初心者、四から五で中級者、六あたりが上級者です」
「七以上は?」
「その道の専門家ですね。宮廷魔術師とか」
「レベルの表示がないやつは?」
「最初からレベルの概念がないスキルもあります。その場合は最初から使えます」
 なるほど。上達するものは練習しなければ使えなくて、上達しないものは最初から使える。〇でも使えることは使えるけど非常に弱い。使って熟練度が上がればレベルも上がる。六でプロで、七以上はごく一握り。
「なら【鎮痛】とか【殺菌】とか【避妊】とかにレベルがないってことは最初から使えるんだな?」
「それほど難しいものでもありませんから」
 そうか? 日本にあったらメチャクチャ重宝されそうだ。医者とかAV関係者とか風俗関係者とか。
「そういえば【避妊】って男女どっちに使うものなんだ?」
「どちらに使ってもいいですよ。効き目が続いている間は男性は精子と精巣、女性は卵子と卵巣が機能しません。効き目が切れると妊娠する可能性がありますので、両方に使う方がいいですね」
「今からミレーヌ相手に試していいか?」
「神域にいる神には効き目がありませんよ。あくまで人が人に使うものですから」
 スキルは神界にいる神には効き目がないらしい。そう言いながらミレーヌの顔は赤くなっている。
「それなら地上ならミレーヌにも効くってことだな?」
「あ、はい、それは……まあ……」
 ミレーヌが真っ赤になった。嫌がってはいないか。そうじゃなきゃ俺にずっと跨がってないよな。
「アドバイスとしては、【鑑定】と【欺瞞】は高めておいた方がいいですね」
「【欺瞞】ってあまりいい言葉じゃないよな?」
「言葉としてはそうですね。【鑑定】を使えば相手のステータスや所持スキルを見ることができます。でも相手の【欺瞞】のレベルの方が高ければ見えません。レベルやステータスも影響しますから絶対に見えないとは言えませんけど、シュウジさんのステータスなら【欺瞞】をレベル九にすればまず誰にも見られません」
 なるほど。隠したスキルやステータスを無理やり暴くのが【鑑定】か。
「近くにある【偽装】ってのは違うのか?」
「それはステータスに表示される項目を書き換えるためのスキルです。スキルの名前も変えられます。あくまで見た目だけですけど」
 なるほど。ちょっと恥ずかしいスキルの名前を変更できるのか。
「それなら【鑑定】と【欺瞞】ってどうやって鍛えるんだ? 感覚としては【鑑定】はアクティブだけど、【欺瞞】はパッシブじゃないのか?」
「そうです。【鑑定】を使われると【欺瞞】の熟練度が上がります」
 それなら【鑑定】を使われるしかないわけか。ミレーヌにかけ続けてもらうか?
「それなら俺に【鑑定】をかけてくれるか?」
「それでもいいですけど、自分に【鑑定】を使うと【鑑定】も【欺瞞】も熟練度が上がります。そちらの方が一石二鳥でいいですよ。ここにいる間にレベルを九まで上げてください」
「……なんか裏技みたいだな」
 自分で自分を殴って強くするってたまにあるよな。うっかり死んでしまうこともあるけど。
「そのやり方はほとんどの世界で知られていますけど、魔力が持たないのでそんなにたくさんは使えません。魔力もそうですけど、体力もなくなると動けなくなりますから」
「そう言えば【生命力】と【体力】があったな」
「【生命力】は文字通り生死に関係します。ゼロになったらお終いです。【体力】はスタミナのことです。日常生活でも減りますし、スキルを使っても減ります」
「それならこっちにいる間に鍛えてもいいのか?」
「はい、この後で時間は用意しますよ」
 それなら鍛えさせてもらおう。神域の方が伸びそうな気がする……あ、そうだ。
「さっき【成長率】ってあったけど、あれはステータスの伸びのことか?」
「はい。ステータスの数値やスキルのレベルの伸びです。シュウジさんは【勇者】なので伸び率が大きく、通常の三倍ちょっと成長速度が速くなります。さっきも言いましたけど、ステータスの数値はほぼ伸びません。でもスキルは成長しますのでガンガン伸ばしてください」
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