元ロクデナシで今勇者

椎井瑛弥

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第十三部:勇者とダンジョンと魔物(二)

フランシーヌの到着

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「それでは本日よりお世話になることにいたしますわ」
「ああ、こちらこそよろしく頼む」
 フランシーヌがこの屋敷で暮らすことになった。人としてはフラン(新しい化身アバター)とシーヌ(前からいた化身アバター)と分かれているからややこしいけど、そのうち慣れるだろう。中身は同じだからな。
 そのシーヌは先日言っていた通りに印刷所に説明したらしい。説明といってもでっち上げの嘘だけど、聞いてみたらそれっぽく聞こえた。
 印刷所で働くシーヌには実は双子の姉であるフランがいた。見た目はそっくりだけど、幼い頃から姉であるフランの方が行動的なので、普段は冒険者をしつつ必要があれば撮影も行っていた。その撮影したものを【相互理解】というスキルでシーヌに渡すということをしていた。文章はシーヌの方が得意なので役割分担が自然にできていた。
 実際に【相互理解】というスキルは存在するから、それだけを聞くとおかしな部分はない。
「そのような話を所長にいたしました。かなり驚かれてしまいましたが納得してもらえましたわ」
「それで、結局化身アバターを増やすので対処するのか?」
「はい。暴走スタンピードのような危険な場所にでさえ出かけて撮影したフランが勇者様に気に入られ、お側に置いていただけることになったと。場合によってはそれで独占取材もできるということを伝えましたら大喜びされました」
「独占取材か。まあいいけどな」
 暴走スタンピードが収まれば、これからは商会のことや結婚のことに集中しないといけない。
「ということで、今後ともよろしくお願いいたします。あなた様」
「ああ、よろしくな」

 ◆◆◆

 でもこうやって妻が増えると相手をする機会が減ってしまう。イネスとエステルは普段は屋敷にはいないけど。そうなると俺が身に付けるべき技術はアレしかない。そう、化身アバターだ。
 化身アバターは神が地上に降りる際などに作るもので、自分と全く同じ分身を作る力だ。姿形は同じままにもできるし変えることもできるそうだ。五感を共有することもでき、フランのように二つの化身アバターと感覚を同調させることで快感を三倍にするという使い方もある。

「よし、これでいいのか?」
 ミレーヌとフランに教わった通りに化身アバターを作った。目の前には俺がいる。そっくりすぎて気持ち悪いな。
 化身アバターは本体である俺と区別できるように、前髪の一房を茶髪にした。
「さすがシュウジさんですね」
「もう少しかかると思いましたわ。学習能力の高さはさすがですわね」
 化身アバターは自分自身でもあるので、放っておいても普段の行動パターンと与えた指示で違和感なく活動できるらしい。
「なるほど、普段の行動パターンか」
「だから俺はこうしていると」
 俺がミレーヌを抱きしめると、側にいた俺(化身アバター)もフランを抱きしめた。
「それならするべきことは一つだな」
「説明しなくても分かるのは楽でいい。それじゃ行くか」
 俺は化身アバターと一緒にベッドへと向かった。

 ◆◆◆

「「えへへへへ……」」
 二人のフランがアヘ顔でベッドに寝ている。ちょっと刺激が強すぎたか。
「やはり無茶苦茶になりましたね」
「そうだな。まあ俺が二人いればそうなるのは分かってたけどな」
「でもフランシーヌさんがこうなるって、さすがシュウジさんですね」
「ミレーヌも今度やってみるか?」
 途中でミレーヌとフランの本体も加わって乱交になった。そうだろうなあ、俺だし。でも自分が二人になるとそれはそれで問題になることがあるのに気づいた。
 本体と化身アバターなら本体が優先される。つまり化身アバターは本体に従う。だからミレーヌを取り合ったりすることはなかった。聞き分けがいい自分がもう一人いるだけだ。問題は自分と同じ顔が目の前にあるということだ。
 俺と化身アバターでミレーヌを状態にした時、抱きつくミレーヌの肩越しに俺と同じ顔が見えた。正直萎えそうだった。男二人に女一人の3Pってポジション取りが大切だな。まだイケメンだったからマシか。そう考えるとAVで3Pやるのって大変だ。AV男優に知り合いがいたけど、あいつら凄かったんだな。
 その途中でフランは前のようにアバターの感覚を自分に重ねるというのをもう一度やった。前と違うのは、今回はそこにミレーヌもいたことだ。
 二人の俺が二人のフランを抱き、二人のミレーヌがフランを道具と口と手で徹底的に攻め立てた。その結果どうなったか。それがこのアヘ顔だ。
 前回はフランが二つの化身アバターを出して三人になっても俺が一人だったから耐えられた。でも今回はフラン二人に攻めるのが四人になり、しかも俺には【性技】がある。あっという間にフランシーヌは限界を超えた。
「マルティーヌさんなら喜んでやりそうですよ」
「ああ、あいつなら喜んで白目を剥きそうだ。その前にあいつに化身アバターに近いスキルを覚えさせないとなあ。何て名前のスキルだっけ?」
「【複体】や【分身】ですね」
「なんで二つもあるんだ?」
 同じなら一つでいいんじゃないか?
「【複体】は自分と同じ分身ができます。機能的には化身アバターとほぼ同じです。【分身】の方は一体だけなら自分と同じステータスですけど、二体作れば二分の一、三体作れば三分の一と下がっていきます」
「ああ、同じものができるか等分するかってことか」
「はい。【複体】は戦闘向きですね。【分身】は頭数が欲しい時です。【分身】の方が習得は楽だと思いますけど、ステータスが落ちますので」
「どちらがいいか分からないけど、今度ワンコに教えてやってくれ」
 興味がありそうだった。あいつは無茶をするのには慣れている。連続何回イクことができるかって試して白目を剥いたことが何度もある。
「どうせならみなさんに身に付けてもらったらどうですか?」
「家族全員にか?」
 さらに収拾が付かなくなりそうだな。俺としては楽しみが増えていいんだけど。
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