元ロクデナシで今勇者

椎井瑛弥

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第五部:勉強と試験

家庭教師と勉強(種族編)

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 二人でシャワーを浴びて勉強の再開。さっきまでと違うのは、リュシエンヌが俺の膝に乗ったままで勉強を再開したことだ。怖がらせすぎたから甘やかすことにした。やりすぎた俺が悪い。あ、ベッドでのことじゃないぞ。
 とりあえずエロ本は話半分どころか一〇分の一で受け止めるようにと言った。リュシエンヌの本棚にある本はエロ本が多いから仕方ないけど、あまり現実と空想を混ぜると痛い目に遭いそうだったからだ。
 元々Mっ気があって縛られたり襲われたりするのに興味があったから、それなら手持ちのエロ本のように魔物に襲われたらどんな感じだろうと思ったそうだ。その発想が凄いな。
 でも今の段階じゃ魔物が女を犯すことがないとは証明できない。どうやって確認したらいいのかってことだ。魔物の前に女を置いて確認するのはさすがにダメだ。そもそも魔物は女を犯すのかって、誰に聞いたらいいんだ? 真面目に聞いたらとち狂ったのかと思われそうだ。
「しかしエルフか。この国にはどんな種族がいるんだ? やっぱり人間が多いのか?」
 この屋敷にいるのは全員が人間だ。王宮には獣人はいたけどエルフは見なかったな。
「人間が一番多いのは間違いございませんが、次が獣人でしょうか」
 俺が話をしたのは司書のオリエンヌくらいだけど、町中ではかなり見かけた。
「エルフやフェアリー、ドワーフはあまり見かけないでしょう」
「やっぱりエルフやフェアリーは森の近く、ドワーフは山の近くに多いんだろうな」
「ややその傾向がある、というくらいでしょうか。人間でも山の近くで暮らす方が好きな者もいれば森の近くで暮らす方が好きな者もいるでしょう」
「言われてみればそうだな」
 たしかにそう言われると、いつの間にかエルフは森、ドワーフは山、そして人間は町って考えてたな。
「野菜嫌いのエルフもいますし、菜食主義のドワーフもいます。人それぞれでしょう」
「分かった。偏見は捨てよう。どう見ても大和撫子なのに縛られるのが好きなお嬢様がいるくらいだからな」
「それは、縛るのが、シュウジ様だからでございます♪」
「……」
 耳元で囁かれた。ヤバいヤバい。リュシエンヌを抱いたままベッドに戻りそうになった。とりあえずは勉強だ。
 しかし肉が大好きで、ガッとエールをあおるエルフや、肉を嫌って野菜ばかり食べ、上品にワインを飲むドワーフか……。何かが違うよなあ。
「エルフやフェアリーは魔力が多いので、仕官せずに町中で魔法の私塾を開くことが多く、また冒険者になる人も多いそうです。ドワーフは土木作業、鍛冶、酒造りが得意ですので、そのような仕事を好んで選ぶとか」
「そのあたりは俺のイメージ通りだ。ただエルフが私塾を開いて教えるというのはイメージになかったな。どちらかというと人嫌いっぽいイメージがある」
「食べていくためにはお金が必要でしょう」
 エルフには貧乏ってイメージはないんだけどな。赤貧エルフ……。
「ちなみにというのは総称になります。本人たちは犬人や猫人のように種族ごとで呼ばれる方を好みます」
「獣人と呼んでも悪くはないんだな?」
「悪くはありませんが、日本人に向かってアジア人と呼ぶようなものです。できれば日本人と呼びかける方がいいでしょう」
「そうだな」
 ヨーロッパじゃアジア人って平気で呼ばれるからな。間違ってはないんだけど、欧米人から見ると日本も中国も韓国も一緒だ。日本人がフランス人とドイツ人とイタリア人を見ても区別できないように。
「人間に近い存在としてと呼ばれる者たちもおります」
「亜人ね。デミヒューマンか。どんな種族がいるんだ?」
「多いのはハーピー、ケンタウロス、ミノタウロス、リザードマン、マーマン、マーメイドなどです。これらの種族のように、水中や水の近くで暮らす者たちはまとめて水棲人と呼ばれます」
 ファンタジーというか神話というか。人面魚ってのもいるのかね。
「マーマンやマーメイドはさすがに王都にはいないよな?」
「大きな川沿いには集落があるそうですが、大規模な集落は北の海岸沿いにあります。人間とマーメイドの家族などは、海の上に浮かぶ家で暮らします」
「舟屋ってやつかな。一階が船着き場で二階が家になっている」
「そのような形ですね。ベッドが浅い浴槽のようになっていると聞きました」
「それも艶本えんぽんからか?」
「はい。よくお分かりですね」
 まあな。でも何となくその情報は正しいように思える。でもマーメイドって人間とできるんだな。それはそれで興味がある。どこに挿れるんだ?
 しかし陸の種族と海の種族との夫婦は大変そうだ。食生活も違うかもしれないからな。
「犬人やフェアリーは人扱いで、リザードマンとハーピーは亜人扱いか。どこが境目なんだ?」
「顔と手足です。そこが人間やエルフと違えば亜人という扱いですね。乱暴な言い方をしますと、人間の体に獣の耳と尻尾が付けば獣人、エルフを小さくして羽を生やせば妖精でしょう。ドワーフも人間を太くして背を低くしたような見た目です」
「乱暴な言い方だけど、それで分かった。でも獣に近い獣人っていないのか? 微妙なラインもありそうだけどな」
「体の方にまで毛がある犬人や猫人もいるようですね。その場合は手足がどちらかによって分けているようです。それで、ここまで説明して今さらですが、亜人だからと差別することは認められておりませんので、特に問題にはなっていないようです」
「下に見られることはないのか?」
「余程の人間至上主義者でもない限りはまずあり得ないかと。ですが体格のせいで就ける仕事と就けない仕事がどうしても出るようです」
「それは仕方がないだろうな」
 体が大きすぎると細かな作業は難しいな。それにハーピーに手を使う仕事は難しいだろう。差別じゃなくて区別だな。
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