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第十五部:勇者の活躍
帰路とマジックボックス
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「それじゃあ魔物の残りを狩りつつ上に戻るぞ」
「「「はい」」」
仮眠を終えた俺たちはダンジョンの出口に向かう。残りを狩るとは言ったけど無理して狩ることはない。進路の前に現れた魔物を駆除するだけでいいと思ったら、視界に入った魔物は軒並み駆除された。
「はいっ!」
「収納します」
「よろしくっ! 次っ!」
スキュラが【氷の矢】で魔物の頭を狙って倒すとアラクネが糸を飛ばして縛って異空間に入れ、俺に渡してくる。糸が届きさえすれば異空間に入れられるらしい。たまたま俺にトロルを渡そうとしたエルカーナがその事実に気づいた。アラクネたちはスキュラたちとペアを組み、スキュラが倒すとアラクネが収納して俺に渡すという流れができた。
俺の【ストレージ】は手の届く範囲なら収納できる。剣や槍で触った物も収納できた。でも遠くまで投げた投げ縄に引っかかった物は収納できなかった。遠すぎたらダメらしい。今のところ五メートルくらいだ。アラクネたちの糸はどういう原理か分からないけど真っ直ぐ飛んでいくし、かなり遠くにある魔物まで収納できる。
アラクネたちの異空間は【収納(針仕事)】という固有スキルで作られたものだ。針仕事のための道具などを入れておくための異空間のはずだけど、魔物も入るんだな。スキルの説明としては「休憩時間に口にする軽食なども収納できる」ってなっている。さっき倒されたトロルは軽食に入るのかもしれない。
「トロルは軽食ではありませんが、仕事道具以外もある程度は入ります。でもあまりたくさんは入らないですね。五体くらいでしょうか」
「そうか。それより戦うのは好きじゃないって言ってたけど、大丈夫か?」
帰りはどうするかと聞いたら、「戦うのはあまり好きではないので戦闘はスキュラさんたちに任たいと思います」と言っていた。
「自分から進んで戦うことはありませんが、このように集めるくらいなら問題ありません」
「そうか。それならこれからもできる範囲でいいから頼むぞ」
「はい」
これで脇道に見えた魔物もスキュラが倒せばアラクネが運んでくる。いいコンビネーションだ。
今回は地下五〇階まで急ぐことを優先した。だからそれなりに狩り残しがある。スキュラが倒してアラクネが収納する。収納された魔物を俺が受け取ってストレージに入れる。これでも十分楽なんだけど、もう少し楽に受け渡しができないか?
俺の持っているスキルで収納関係のものには【ストレージ】と【マジックボックス】と【異空間】がある。そのうち【ストレージ】は勇者用の固有スキルでレベルはない。ないけど成長している。いつの間にか解体機能が付いたからな。もう一つ使っている【異空間】の方は生き物も入れられるけど時間が経過する。そもそも異空間を作るものだから、【ストレージ】とは違って中に入るのが前提だ。魔力やレベルによって作れる異空間が変わってくる。現在はレベル七。トゥーリアを入れたら一気にレベルが上がった。広さはそこまで変わってないけど、内部がかなりいじれるようになった。
そして使っていない【マジックボックス】は【ストレージ】を一般向けにしたスキルで、入れられるアイテムの数や重さに上限があるそうだ。そうだってのは俺は使っていないからよく知らなかった。【ストレージ】が使えれば全く問題がないからな。いらない子扱いなのがもったいないけど、実際に使わないんだよな。【ストレージ】と【異空間】だけで問題がない。もし【マジックボックス】に何か利点があればいいんだけど。
ちょうど確かめているところなんだけど、このスキルは箱に物を入れるイメージだ。それぞれの箱には一種類のアイテムしか入らない。箱の数や内部の広さはレベルによって変わるらしい。そのレベルは使用者のレベルや使用頻度、中に入れるアイテムなどによって変わると。またレベルが上がるとパーティーで共有できるようにもなる……これだな。
まだ箱は一つしかない。一辺が二メートルくらいの立方体だ。アラクネから受け取ったトロルを試しにその箱に入れた。入れた瞬間にマジックボックスのレベルが〇から一になった。レベルアップの条件を満たしたんだろう。
レベルアップと同時に箱の数が二つになった。トロルを一〇体ほどストレージからマジックボックスに移すとあっという間にレベル三、箱は四つになった。さらに入れるとレベル四、箱は八つ。そうやらレベルが上がるごとに箱の数が二倍になっているらしい。成長が早いけど、元々俺のレベルが高かったからかもしれない。
とりあえず調子に乗って詰め込む。レベル七で箱の数が一二八になった。でも共有とかそういうメニューがどこにも見当たらない。それからできる限り魔物を突っ込んでみたけどレベルが上がらなくなった。魔物だけじゃそろそろレベルアップも限界か。何か違うもの……。ミレーヌが入れてくれた日本の食材とかを入れてみるか?
……お! レベルが八になった。そして〔パーティーで共有〕という項目があった。パーティーか。酒を飲む方じゃないよな?〔パーティーで共有〕に触ると「誰をパーティーに入れますか?」というメッセージが出た。
====================
誰をパーティーに入れますか?
[シュウジ]
[ ]
[ ]
[ ]
[ ]
[ ]
・アネット
・アリエーナ、ビエターナ、カロリーナ、ディディアーナ、エルカーナ
・アルベルティーヌ、ブランディーヌ、クレマンティーヌ、デルフィーヌ、エグランティーヌ
・イネス
・エステル
・エミリア
・オリエンヌ
・オレリー
・シュザンヌ
・ジゼル
・タイス
・トゥーリア
・フランシーヌ
・ベランジェール
・マリー=テレーズ
・マルティーヌ
・ミラベル
・ミレーヌ
・リュシエンヌ
====================
これって俺を入れて六人までってことだよな? でもスキュラたちやアラクネたちは一纏めだぞ。絶対これって元データが同じだから同じキャラ扱いにされてるんだろう。まあ物は試しだ。
====================
[シュウジ]
[アルベルティーヌ、ブランディーヌ、クレマンティーヌ、デルフィーヌ、エグランティーヌ]
[アリエーナ、ビエターナ、カロリーナ、ディディアーナ、エルカーナ]
[ ]
[ ]
[ ]
====================
長さのバランスが悪いけど仕方がない。とりあえずこれでどうだ?
「「「ひっ⁉」」」
「「「えっ⁉」」」
俺のすぐ近くでみんなが揃ってビクッとした。
「悪い悪い。俺のマジックボックスをみんなで使えるようにした。何か見えないか?」
俺には彼女たちの目に何が見えているかは分からない。
「あ、『シュウジのマジックボックス』という言葉が見えます」
「はい。中は魔物のようですね」
「ああ、これまで俺に手渡していたけど、そこに魔物ごとに分けて入れてくれ。逆に俺が入れたものを取り出すこともできる。名前が書いてあるものは全部好きに使っていいということにする。お菓子とかも入れておくからな」
「「「わーい!」」」
「「「ありがとうございます」」」
「出し入れに魔力が必要だから、それだけは注意してくれ」
一応は個人用のスキルだから基本は俺が使うためのものだ。だからその中にパーティーメンバーと共有できる箱を作るという形になる。例えばこれは俺専用、これは俺とスキュラたちだけ、これは俺とアラクネたちだけ、これは俺とスキュラたちとアラクネたちだけ、というように制限をかけられる。全員が開けられる箱も用意できる。そして自分が開けられる箱は中が見えるので、共有されているかどうかが分かるのが便利だ。
ストレージと違ってマジックボックスの開閉には魔力が必要になる。一回あたりたった二だけどな。でも魔力の残りが一なら、回復ポーションを入れておいたのに魔力不足で取り出せないってこともあるかもしれない。そこまでギリギリの状況なら詰んだようなものかもしれないけど。
「「「はい」」」
仮眠を終えた俺たちはダンジョンの出口に向かう。残りを狩るとは言ったけど無理して狩ることはない。進路の前に現れた魔物を駆除するだけでいいと思ったら、視界に入った魔物は軒並み駆除された。
「はいっ!」
「収納します」
「よろしくっ! 次っ!」
スキュラが【氷の矢】で魔物の頭を狙って倒すとアラクネが糸を飛ばして縛って異空間に入れ、俺に渡してくる。糸が届きさえすれば異空間に入れられるらしい。たまたま俺にトロルを渡そうとしたエルカーナがその事実に気づいた。アラクネたちはスキュラたちとペアを組み、スキュラが倒すとアラクネが収納して俺に渡すという流れができた。
俺の【ストレージ】は手の届く範囲なら収納できる。剣や槍で触った物も収納できた。でも遠くまで投げた投げ縄に引っかかった物は収納できなかった。遠すぎたらダメらしい。今のところ五メートルくらいだ。アラクネたちの糸はどういう原理か分からないけど真っ直ぐ飛んでいくし、かなり遠くにある魔物まで収納できる。
アラクネたちの異空間は【収納(針仕事)】という固有スキルで作られたものだ。針仕事のための道具などを入れておくための異空間のはずだけど、魔物も入るんだな。スキルの説明としては「休憩時間に口にする軽食なども収納できる」ってなっている。さっき倒されたトロルは軽食に入るのかもしれない。
「トロルは軽食ではありませんが、仕事道具以外もある程度は入ります。でもあまりたくさんは入らないですね。五体くらいでしょうか」
「そうか。それより戦うのは好きじゃないって言ってたけど、大丈夫か?」
帰りはどうするかと聞いたら、「戦うのはあまり好きではないので戦闘はスキュラさんたちに任たいと思います」と言っていた。
「自分から進んで戦うことはありませんが、このように集めるくらいなら問題ありません」
「そうか。それならこれからもできる範囲でいいから頼むぞ」
「はい」
これで脇道に見えた魔物もスキュラが倒せばアラクネが運んでくる。いいコンビネーションだ。
今回は地下五〇階まで急ぐことを優先した。だからそれなりに狩り残しがある。スキュラが倒してアラクネが収納する。収納された魔物を俺が受け取ってストレージに入れる。これでも十分楽なんだけど、もう少し楽に受け渡しができないか?
俺の持っているスキルで収納関係のものには【ストレージ】と【マジックボックス】と【異空間】がある。そのうち【ストレージ】は勇者用の固有スキルでレベルはない。ないけど成長している。いつの間にか解体機能が付いたからな。もう一つ使っている【異空間】の方は生き物も入れられるけど時間が経過する。そもそも異空間を作るものだから、【ストレージ】とは違って中に入るのが前提だ。魔力やレベルによって作れる異空間が変わってくる。現在はレベル七。トゥーリアを入れたら一気にレベルが上がった。広さはそこまで変わってないけど、内部がかなりいじれるようになった。
そして使っていない【マジックボックス】は【ストレージ】を一般向けにしたスキルで、入れられるアイテムの数や重さに上限があるそうだ。そうだってのは俺は使っていないからよく知らなかった。【ストレージ】が使えれば全く問題がないからな。いらない子扱いなのがもったいないけど、実際に使わないんだよな。【ストレージ】と【異空間】だけで問題がない。もし【マジックボックス】に何か利点があればいいんだけど。
ちょうど確かめているところなんだけど、このスキルは箱に物を入れるイメージだ。それぞれの箱には一種類のアイテムしか入らない。箱の数や内部の広さはレベルによって変わるらしい。そのレベルは使用者のレベルや使用頻度、中に入れるアイテムなどによって変わると。またレベルが上がるとパーティーで共有できるようにもなる……これだな。
まだ箱は一つしかない。一辺が二メートルくらいの立方体だ。アラクネから受け取ったトロルを試しにその箱に入れた。入れた瞬間にマジックボックスのレベルが〇から一になった。レベルアップの条件を満たしたんだろう。
レベルアップと同時に箱の数が二つになった。トロルを一〇体ほどストレージからマジックボックスに移すとあっという間にレベル三、箱は四つになった。さらに入れるとレベル四、箱は八つ。そうやらレベルが上がるごとに箱の数が二倍になっているらしい。成長が早いけど、元々俺のレベルが高かったからかもしれない。
とりあえず調子に乗って詰め込む。レベル七で箱の数が一二八になった。でも共有とかそういうメニューがどこにも見当たらない。それからできる限り魔物を突っ込んでみたけどレベルが上がらなくなった。魔物だけじゃそろそろレベルアップも限界か。何か違うもの……。ミレーヌが入れてくれた日本の食材とかを入れてみるか?
……お! レベルが八になった。そして〔パーティーで共有〕という項目があった。パーティーか。酒を飲む方じゃないよな?〔パーティーで共有〕に触ると「誰をパーティーに入れますか?」というメッセージが出た。
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[シュウジ]
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・アネット
・アリエーナ、ビエターナ、カロリーナ、ディディアーナ、エルカーナ
・アルベルティーヌ、ブランディーヌ、クレマンティーヌ、デルフィーヌ、エグランティーヌ
・イネス
・エステル
・エミリア
・オリエンヌ
・オレリー
・シュザンヌ
・ジゼル
・タイス
・トゥーリア
・フランシーヌ
・ベランジェール
・マリー=テレーズ
・マルティーヌ
・ミラベル
・ミレーヌ
・リュシエンヌ
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これって俺を入れて六人までってことだよな? でもスキュラたちやアラクネたちは一纏めだぞ。絶対これって元データが同じだから同じキャラ扱いにされてるんだろう。まあ物は試しだ。
====================
[シュウジ]
[アルベルティーヌ、ブランディーヌ、クレマンティーヌ、デルフィーヌ、エグランティーヌ]
[アリエーナ、ビエターナ、カロリーナ、ディディアーナ、エルカーナ]
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長さのバランスが悪いけど仕方がない。とりあえずこれでどうだ?
「「「ひっ⁉」」」
「「「えっ⁉」」」
俺のすぐ近くでみんなが揃ってビクッとした。
「悪い悪い。俺のマジックボックスをみんなで使えるようにした。何か見えないか?」
俺には彼女たちの目に何が見えているかは分からない。
「あ、『シュウジのマジックボックス』という言葉が見えます」
「はい。中は魔物のようですね」
「ああ、これまで俺に手渡していたけど、そこに魔物ごとに分けて入れてくれ。逆に俺が入れたものを取り出すこともできる。名前が書いてあるものは全部好きに使っていいということにする。お菓子とかも入れておくからな」
「「「わーい!」」」
「「「ありがとうございます」」」
「出し入れに魔力が必要だから、それだけは注意してくれ」
一応は個人用のスキルだから基本は俺が使うためのものだ。だからその中にパーティーメンバーと共有できる箱を作るという形になる。例えばこれは俺専用、これは俺とスキュラたちだけ、これは俺とアラクネたちだけ、これは俺とスキュラたちとアラクネたちだけ、というように制限をかけられる。全員が開けられる箱も用意できる。そして自分が開けられる箱は中が見えるので、共有されているかどうかが分かるのが便利だ。
ストレージと違ってマジックボックスの開閉には魔力が必要になる。一回あたりたった二だけどな。でも魔力の残りが一なら、回復ポーションを入れておいたのに魔力不足で取り出せないってこともあるかもしれない。そこまでギリギリの状況なら詰んだようなものかもしれないけど。
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