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第一章 第三部
リゼッタの温泉旅館
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「前もお流しいたします」
「いや、それはいいから」
リゼッタに露天風呂で背中を洗ってもらいながらぼーっとしてたら、いつの間にか前を洗われそうになったので慌てて止めた。
家のすぐ横にリゼッタのための温泉旅館を建てた。
リゼッタは普段はあまり自己主張をしないけど、たまにびっくりするくらい主張が激しくなる。『正妻の座は譲りません』と言ってるがいい例かな。そんな彼女がそこまで欲しがるなら、ということでつい温泉旅館を建ててしまった。頼む方も頼む方だけど、建てる方も建てる方だ。
リゼッタとはずっと一緒にやってきたわけだし、カロリッタを除けばお互いを一番良く分かってる相手じゃないかな。最初の恋人だしね。カロリッタは僕の頭の中を読んでたから分かっていて当然だからね。
それに、エリーには衣装室、マイカには図書室を作ったけど、リゼッタとカロリッタには何も作っていない。カロリッタは何もいらないと言ったのでとりあえず保留にしてあるけど、まあいずれ何かが欲しければ作ろうとは思っている。
最近のリゼッタは着物が多い。以前はセーラー服もよく着ていて、それもすごく似合っているんだけど、エリーが『あ~れ~』の話を持ち出してカロリッタが説明してからは着物がかなり増えた。
リゼッタはかなり頭が固い。絶対に自分の考えを曲げないというほどではないけど、自分の考えを曲げるためには理由が必要になるタイプ。納得できなアドバイスは受け付けない。
そのリゼッタが着物を着て、それを見た僕が若女将みたいで可愛いとうっかり褒めれば、そりゃ彼女としては僕を喜ばせようと着物を着るのは当然のことだった。セーラー服の時もそうだったしね。
さらにカロリッタとマイカにアドバイスを求めたらしい。僕がこの前『定番』という言葉を言ってしまったからだ。そしておそらくカロリッタのアドバイスは九〇〇度くらいズレているだろう。マイカがどういうアドバイスをしたか分からないけど、僕に害がない限りは止めないと思う。そしてリゼッタは中途半端なことは好きじゃない。その結果としてリゼッタが二人からのズレたアドバイスを全力で真に受けるのは当然のことだった。『あ~れ~』だけじゃなく。
さて、この旅館は家の中から渡り廊下で行くこともできる。でも正式な玄関は外にあるから、リゼッタの出迎えを受けるためには玄関から回って入ることになる。
なぜ玄関前のポーチの手前に赤い太鼓橋があるかは横に置いておいて、ガラガラと引き戸を開ければ立派なホールがある。靴を脱いで上がると正面にフロントと横にロビーがある。もちろん床は全て赤い絨毯だ。
「ようこそいらっしゃいました」
「今日はお世話になります」
そこで若女将風のリゼッタに案内されて客室に向かうことになる。
「なんでここで腕を組むの?」
「客室までこうやって腕を組むのが定番だと聞きました」
「誰から?」
「カロリッタさんからです」
まあ今日はリゼッタのための日だからね」
客室は一階と二階にある。すべて同じ大きさにしたけど、ちゃんと広縁を付けた。
二階の客室でお茶を淹れてもらって少しゆっくりする。するとリゼッタが手招きをした。
「なんで膝枕?」
「膝枕は定番だと聞きました」
「これもカロリッタから?」
「いえ、マイカさんからです」
それから若女将に案内してもらうという体裁で館内を見て回る。
通路の途中に休憩所的なちょっとしたスペースを作って、そこに卓球台を備え付けた。マッサージチェアやゲーム機はない。
宴会場は使わないだろうけど、温泉卓球用のスリッパなどは用意した。ルールは色々あるけど、とりあえず試合会場は宴会場の畳の上、そして浴衣を着てスリッパを使うのは共通だろう。僕もリゼッタも浴衣に着替えた。
「もう少し帯をしっかりと締めて、試合中に緩まないようにしたらどう? はだけすぎでしょ?」
「温泉卓球はチラリが定番だと聞きました」
「そんな定番はないと思うけど。そもそもチラリどころじゃないし。下着を付けてないでしょ?」
「ケネスが喜んでくれたようなので問題ありません」
「……それもマイカ?」
「いえ、エリーさんです。浴衣の胸元に手をやって、ちょっと隠そうとするのが定番だと」
宴会場を出たら次は大浴場へ向かう。
大浴場は男性用と女性用と混浴用の三つがあり、それぞれ外には露天の岩風呂も付けて竹垣で覆った。竹垣には照明を付けて雰囲気を出した。外から覗かれないように一応[結界]を付けておいたけど、覗く人はいないよね。家族以外誰もいないんだから。
シャワーなどの設備は家の方と同じ。ホースのないシャワーヘッド型の魔道具なので、持って行こうと思えばどこへでも持って行ける。[浄化]できれいにできるようにしてあるから、いつでもきれいな温泉に入れる。
ここまで作っておいてなんだけど、どれだけ使うかは正直分からない。でも家のお風呂よりも広いから、こちらをメインにするのもありかもしれない。
お湯に疲労回復の効果をもたせるようにしたら、リゼッタからは「子宝と安産はないのですか?」と聞かれた。残念ながらそれは無理。マリアンにも聞いたけど、やはり一〇〇歳になっていないエルフはそのままではほとんど子供ができないと。
ちなみに僕は[不老]を持っているから数字の上では年は取らないはず。だから自然に子供を作るのは無理じゃないかな。マリアンは「子供が欲しければ酒じゃな」と言っていたけど、やはりそれしかないらしい。普段からしてるけどできないからね。だからリゼッタにはもう少し待ってほしいと言っている。
お湯の温度もいい感じなので少し浸かってみることにした。
「ヹ~~~~」
「ケネスはそれが好きですね」
「自然と出るんだよ。日本人の性かな」
「でもゆっくりとお湯に浸かればこれほど体が休まるとは思いませんでした」
「地球でもお風呂に毎日ゆっくり入る国はそこまで多くないね。国が変わればお風呂事情も変わるかな」
リゼッタそのまま一緒に入っている。今さら恥ずかしがることもないし。
「じゃあ外で体を洗うね」
「背中をお流しいたします」
丁度いいくらいの強さで背中を洗ってくれる。はーって声が出そう。
「前もお流しいたします」
「いや、それはいいから」
「でもカロリッタさんとマイカさんとエリーさんが言うには、女将はまずは前を洗うのが定番だと」
「それは絶対違う!」
「あー、こうやって普通に岩風呂に入っているだけでいいよ」
「すみません。ケネスに喜んでもらおうと思ったのですが……」
「あ、いや、嫌なわけじゃないよ。でも定番ではないと思うよ、ああいうのは。かなり歪んだ考えだからね」
「そうでしたか。では女体盛「それは絶対に違う」
「では温泉旅館の定番とはどのようなものでしょう?」
「そうだねえ。こういうのかな」
横にいるリゼッタの肩を抱き寄せた。そしてそのまま肩を抱いたままにする。
「こういうのでいいと思うよ」
「これでいいのですか?」
「そうそう、こういうの。のぼせない程度にね」
もうしばらく岩風呂を堪能してから僕たちは部屋へ向かった。
「いや、それはいいから」
リゼッタに露天風呂で背中を洗ってもらいながらぼーっとしてたら、いつの間にか前を洗われそうになったので慌てて止めた。
家のすぐ横にリゼッタのための温泉旅館を建てた。
リゼッタは普段はあまり自己主張をしないけど、たまにびっくりするくらい主張が激しくなる。『正妻の座は譲りません』と言ってるがいい例かな。そんな彼女がそこまで欲しがるなら、ということでつい温泉旅館を建ててしまった。頼む方も頼む方だけど、建てる方も建てる方だ。
リゼッタとはずっと一緒にやってきたわけだし、カロリッタを除けばお互いを一番良く分かってる相手じゃないかな。最初の恋人だしね。カロリッタは僕の頭の中を読んでたから分かっていて当然だからね。
それに、エリーには衣装室、マイカには図書室を作ったけど、リゼッタとカロリッタには何も作っていない。カロリッタは何もいらないと言ったのでとりあえず保留にしてあるけど、まあいずれ何かが欲しければ作ろうとは思っている。
最近のリゼッタは着物が多い。以前はセーラー服もよく着ていて、それもすごく似合っているんだけど、エリーが『あ~れ~』の話を持ち出してカロリッタが説明してからは着物がかなり増えた。
リゼッタはかなり頭が固い。絶対に自分の考えを曲げないというほどではないけど、自分の考えを曲げるためには理由が必要になるタイプ。納得できなアドバイスは受け付けない。
そのリゼッタが着物を着て、それを見た僕が若女将みたいで可愛いとうっかり褒めれば、そりゃ彼女としては僕を喜ばせようと着物を着るのは当然のことだった。セーラー服の時もそうだったしね。
さらにカロリッタとマイカにアドバイスを求めたらしい。僕がこの前『定番』という言葉を言ってしまったからだ。そしておそらくカロリッタのアドバイスは九〇〇度くらいズレているだろう。マイカがどういうアドバイスをしたか分からないけど、僕に害がない限りは止めないと思う。そしてリゼッタは中途半端なことは好きじゃない。その結果としてリゼッタが二人からのズレたアドバイスを全力で真に受けるのは当然のことだった。『あ~れ~』だけじゃなく。
さて、この旅館は家の中から渡り廊下で行くこともできる。でも正式な玄関は外にあるから、リゼッタの出迎えを受けるためには玄関から回って入ることになる。
なぜ玄関前のポーチの手前に赤い太鼓橋があるかは横に置いておいて、ガラガラと引き戸を開ければ立派なホールがある。靴を脱いで上がると正面にフロントと横にロビーがある。もちろん床は全て赤い絨毯だ。
「ようこそいらっしゃいました」
「今日はお世話になります」
そこで若女将風のリゼッタに案内されて客室に向かうことになる。
「なんでここで腕を組むの?」
「客室までこうやって腕を組むのが定番だと聞きました」
「誰から?」
「カロリッタさんからです」
まあ今日はリゼッタのための日だからね」
客室は一階と二階にある。すべて同じ大きさにしたけど、ちゃんと広縁を付けた。
二階の客室でお茶を淹れてもらって少しゆっくりする。するとリゼッタが手招きをした。
「なんで膝枕?」
「膝枕は定番だと聞きました」
「これもカロリッタから?」
「いえ、マイカさんからです」
それから若女将に案内してもらうという体裁で館内を見て回る。
通路の途中に休憩所的なちょっとしたスペースを作って、そこに卓球台を備え付けた。マッサージチェアやゲーム機はない。
宴会場は使わないだろうけど、温泉卓球用のスリッパなどは用意した。ルールは色々あるけど、とりあえず試合会場は宴会場の畳の上、そして浴衣を着てスリッパを使うのは共通だろう。僕もリゼッタも浴衣に着替えた。
「もう少し帯をしっかりと締めて、試合中に緩まないようにしたらどう? はだけすぎでしょ?」
「温泉卓球はチラリが定番だと聞きました」
「そんな定番はないと思うけど。そもそもチラリどころじゃないし。下着を付けてないでしょ?」
「ケネスが喜んでくれたようなので問題ありません」
「……それもマイカ?」
「いえ、エリーさんです。浴衣の胸元に手をやって、ちょっと隠そうとするのが定番だと」
宴会場を出たら次は大浴場へ向かう。
大浴場は男性用と女性用と混浴用の三つがあり、それぞれ外には露天の岩風呂も付けて竹垣で覆った。竹垣には照明を付けて雰囲気を出した。外から覗かれないように一応[結界]を付けておいたけど、覗く人はいないよね。家族以外誰もいないんだから。
シャワーなどの設備は家の方と同じ。ホースのないシャワーヘッド型の魔道具なので、持って行こうと思えばどこへでも持って行ける。[浄化]できれいにできるようにしてあるから、いつでもきれいな温泉に入れる。
ここまで作っておいてなんだけど、どれだけ使うかは正直分からない。でも家のお風呂よりも広いから、こちらをメインにするのもありかもしれない。
お湯に疲労回復の効果をもたせるようにしたら、リゼッタからは「子宝と安産はないのですか?」と聞かれた。残念ながらそれは無理。マリアンにも聞いたけど、やはり一〇〇歳になっていないエルフはそのままではほとんど子供ができないと。
ちなみに僕は[不老]を持っているから数字の上では年は取らないはず。だから自然に子供を作るのは無理じゃないかな。マリアンは「子供が欲しければ酒じゃな」と言っていたけど、やはりそれしかないらしい。普段からしてるけどできないからね。だからリゼッタにはもう少し待ってほしいと言っている。
お湯の温度もいい感じなので少し浸かってみることにした。
「ヹ~~~~」
「ケネスはそれが好きですね」
「自然と出るんだよ。日本人の性かな」
「でもゆっくりとお湯に浸かればこれほど体が休まるとは思いませんでした」
「地球でもお風呂に毎日ゆっくり入る国はそこまで多くないね。国が変わればお風呂事情も変わるかな」
リゼッタそのまま一緒に入っている。今さら恥ずかしがることもないし。
「じゃあ外で体を洗うね」
「背中をお流しいたします」
丁度いいくらいの強さで背中を洗ってくれる。はーって声が出そう。
「前もお流しいたします」
「いや、それはいいから」
「でもカロリッタさんとマイカさんとエリーさんが言うには、女将はまずは前を洗うのが定番だと」
「それは絶対違う!」
「あー、こうやって普通に岩風呂に入っているだけでいいよ」
「すみません。ケネスに喜んでもらおうと思ったのですが……」
「あ、いや、嫌なわけじゃないよ。でも定番ではないと思うよ、ああいうのは。かなり歪んだ考えだからね」
「そうでしたか。では女体盛「それは絶対に違う」
「では温泉旅館の定番とはどのようなものでしょう?」
「そうだねえ。こういうのかな」
横にいるリゼッタの肩を抱き寄せた。そしてそのまま肩を抱いたままにする。
「こういうのでいいと思うよ」
「これでいいのですか?」
「そうそう、こういうの。のぼせない程度にね」
もうしばらく岩風呂を堪能してから僕たちは部屋へ向かった。
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