新米エルフとぶらり旅

椎井瑛弥

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第二章 第一部

コーラ、そしてナルヴァ村での説明

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 今日は午後の適当な時間にナルヴァ村に一度寄って報告しようと思う。さすがに泊まりはなくてもいいかな。

 そう思っているとマイカが近寄ってきた。

「さあ、コーラですね」

 マイカはコーラにこだわっているようだった。もちろん僕だって飲んだことはある。好きか嫌いかで言えば好きになるだろう。でもどこまで好きかと聞かれたら、『そこそこ』としか言えないと思う。常に冷蔵庫に入れているほど好きではないし、暑い日にたまに飲むので十分なくらい。

 マイカの言うコーラって、おそらく赤いラベルの定番のものだろうけど、もちろんレシピは公開されていない。でも有志に手によって、どのような材料が使われているかはなんとなく分析されていた。オープンコーラって会社もあったね。

 大きく分けると、甘味料、酸味料、香料、着色料、カフェインに分けられるだろうか。

 甘味料は甘みを付けるためなので砂糖だろう。ハチミツを使ってもいいかもしれない。

 酸味料は酸味。柑橘類を搾ったものが一番手に入りやすい。お酢でもいいかな。

 香料は非常に難しい。手に入るのは柑橘類、シナモン、カルダモンあたりだろうか。

 着色料はカラメルなので、砂糖を水に入れて熱して作った。

 カフェインは無理に入れる必要があるのかな? とりあえず保留。

 これらを合わせたものを炭酸水で割って完成……となればいいんだけど、なかなか思い通りにならない。特に香りが。

「げふっ……先輩、そろそろお腹が限界です……」
「今日のところはこのあたりでやめようか。それなりだと思うんだけど」
「もうちょっと……何かが足りない感じですね。ここで満足するべきなんでしょうが……」
「いや、もう少し試してみるよ。カフェイン以外に何かが足りないんだよね」
「……分かりました。今日は無理ですけど、また飲ませてください」

 僕もマイカもお腹がちゃぷちゃぷになった頃にそれなりのものはできた。でももう一つ、何かが足りない気がする。

 カフェインは無理に入れる必要はないと思う。足りないのは香り。

 柑橘類の皮から油を絞るべきか。要するに精油。そのまま使うものではなくて、一滴だけ垂らして使うことが多い。エッセンシャルオイルとか呼ばれることもある。

 レモン、ミカン、ユズなどの柑橘の皮から絞って水分を取り除いたものを入れてみた。でもそのままでは油が浮いてしまう。このあたりをどうにかすればもう少し香りのいいコーラにできると思う。エタノールに溶かすか。

 ジャガイモから作った蒸留酒があるから、それから水分を抽出してエタノールを残した。他の成分も微量は入っているけど仕方がない。これに柑橘などから採った精油や香辛料を漬けておく。これが完成したら一度試してみよう。



 ちゃぽちゃぽになったお腹をなだめながら、畑の方に向かう。セラとキラが畑作りの続きをしていた。畝はできていたので、色々と蒔いているところだろうね。

「先生、この畑で注意するところはあります?」
「えーと、こっちは成長が止まらない方だから、三日から五日あれば食べ頃になる。それを逃さないこと。そっちの成長が止まる方は特に問題はないと思う。いい感じで芽が出てきてるね」
「それはそうですが……この伸び具合は正直なところ、かなり引きますよ?」

 キラは生えてきた芽をしゃがみ込んでじっと見ているだけ。まあ気持ちは分かるよ。僕も最初はそうだったから。急いで取り込まないと、って焦っていた時もあった。枯れないから放ったらかしでいいと分かった時のショックといったら……。

 それは置いておいて、この畑は何を育ててるのかな?

「ここでは芋や根菜を中心に育ててるです」
「お腹が膨れるものばかり」
「もう食べるものに困ることはないから、他のものでもいいと思うけど?」
「芋はたくさんあっても困ることはないです」
「保存食として最高」
「二人がいいならそれでいいんだけどね……」

 穀物なら芋もいいけど、トウモロコシもいいかな?

「セラ、トウモロコシはどう?」
「あれはあまり数が採れないですよ?」
「そのトウモロコシとは違って、別の使い方をするトウモロコシがあるんだけど」
「別の使い方です?」
「そう、爆発するトウモロコシ。食感もそれなりに面白いよ」
「ちょっと興味があります。種はありますか?」
「あるよ……はい、これ。一見普通のトウモロコシだけど、そのまま食べるには硬いから注意してね」
「分かりました」

 爆裂種のトウモロコシ、つまりポップコーン。

「育て方は普通のトウモロコシと同じだからね。数日でできると思うから、できたら調理してみよう」
「楽しみにしてます」
「期待が高まる」

 あまりジャンクフードばかり増やすのは問題だけど、たまに食べる分にはいいだろう。それに油の種類を選べば体にもいいからね。

 野菜ばかり作っても仕方がないから、油が採れるものも育てている。うちで搾っているのはオリーブ油、菜種油、大豆油、米油、ゴマ油、アマニ油。朝市などで買ってきたものを栽培して採っている。



◆ ◆ ◆



 お昼を過ぎたから、一度ナルヴァ村へ行きますか。またマリアンには同行してもらう。



「戻りました」
「無事だったか。どうだった?」
「魔獣は森のこちらにはまったくいません。中に戻ったみたいですね。あまり森から出ないように、ある程度の対策をしてきました。ユーヴィ市のキルドに行って伝えるつもりですが、この村の城壁の警戒をしている人たちにも知ってもらいたいことがあるのですが」
「分かった。ここは一度閉めて人を集めよう。酒場の方にいてくれるか?」
「分かりました」

 そう言うとアニセトさんは門を閉め、向こうへ走っていった。僕たちはとりあえず酒場に行って、人が集まるのを待ることにした。



「戻ってきたか」
「よかった。ルボルさんがいてくれたので、一つ手間が省けます」
「あまりいい予感がしないんだが……」
「それなりにいい話ですよ」

 門衛をしている人たちが集まってきたので、昨日森でしたことを説明した。

「何か質問があればいつでも聞いてください。答えられることであれば答えます。まず、いずれ暴走は起きにくくなると思ってください。すぐに効果はないかもしれませんが、少なくとも今よりは減るはずです」
「それはありがたいな。で、何をしたんだ?」
「まずその前に、あれだけの魔物がどこから発生するかですが、森の中には強い魔物が生まれやすいポイントがあります。そこを中心に少なければ一〇〇程度、多ければ一万以上集まるようになります。ある程度増えれば移動するようです。なぜかは分かりません。エサを求めているのかもしれませんし、単なる本能かもしれません」
「それが森から出れば暴走になるわけか……」
「そうです。なぜこの村を襲うのかは分かりませんが、単純に一番森から近いからかもしれません。それで、ここで少し話を変えますが、みなさんは魔力の元になるものがあるらしいというのは聞いたことがありますか? 体が疲れても食べて寝れば次の日には戻る。魔力を使い果たしても次の日には戻るんだから、どこからか補充されているはずだと」
「聞いたことがあるぞ。魔法使いや神官が言ってたな」
「俺も聞いたことがある。詳しくは分からないそうだが」

 この話は証明されているわけではないけど、それなりに知られているらしい。初めて聞いたような反応をされたらちょっと困ったけど。

「はい。それを魔力の素なので、仮に魔素とします。それが自然の中にあるとします。人も魔獣も魔素を取り込みます。魔獣はこれを魔石として蓄えます。暴走で出てきた魔獣がしばらく暴れると森へ帰るのは、おそらく魔力が減ったからではないかと思います」

 これまでの記録から、魔獣はしばらく暴れると森へ戻ることが分かっている。放っておくと長くかかり、討伐隊を多く出せば出すほど早く暴走は終わるというデータがある。つまり討伐隊と戦って、エネルギーが切れたら森へ帰っていくと考えられる。

「人には魔石はありませんが、体全体に魔力を蓄え、魔法として使うことができます。使われた魔力は魔素に戻るようです」
「使ったら戻るわけか」
「そういうことですね。魔素は循環していればあまり悪さをしません。だから町中に魔獣がいきなり出ることはありません。出るとすれば森の中などです。つまり魔素が循環していない場所です。森の中では溜まりやすいんです。大森林でなくても森から魔獣が出てくるのはそのためでしょう」
「なら森の中で魔法を使えばいいのか?」
「いえ、あれだけ広い森です。この国の国民全員が魔法使いで、その全員が一斉に森の中に入って全力で魔法を使うのでなければ無理なくらいです」
「どうやっても無理だろ、それは」
「はい。すでに魔獣もたくさんいますからね。それで、少し仕掛けを置いてきました」
「仕掛け?」
「はい、こういうものです」
「丸太?」

 僕が見せたのは昨日設置しまくった魔素吸引丸太。見た目は単なる丸太で、中を覗けば単なる木の筒。魔素の濃度が一定のレベル以下になるまで周囲の魔素を吸引し続ける。これを森の上から魔素の濃い場所に置いただけ。

「これは魔道具の一種で、魔素を吸引します。吸引した魔素は別の場所に貯めています。これを森の魔素の多い場所に設置してきました。もちろん魔素がゼロになることはありませんのである程度の魔獣は生まれます。でも魔力が濃い場所ができにくくなるので、強い魔獣が大量に発生することは減るはずです。相当頑丈に作っていますので、あの熊が踏んでも壊れません」
「それ一つで大丈夫なのか?」
「いえ、とりあえず二〇〇ほど設置しました」
「「「「二〇〇!「二〇〇!「二〇〇!「二〇〇!」」」」
「それでも森の全域に置くことは全然足りませんので、今回は特に魔素が濃いポイントだけですが」
「そんなによく作れたなあ」
「そのあたりに生えていた木を適当に切っただけなので、材料費はゼロです。魔素を吸引するだけの簡単な作りなので、手間もかかりません。時間の都合で二〇〇しか作れませんでしたが、いずれ暇を見て増やそうと思います」
「村の方に何か影響は出たりしないのか?」
「魔素の濃度を普通のレベルまで、この村の周辺と同じくらいまで下げるだけのものです。魔素がゼロにはなりません。それを魔素の濃い場所に設置しました。一番近いところで、森の端から向こうへ一〇〇キロのところです。それよりも向こう側だけです。ちなみに効き目があるのは半径一〇キロにしていますので、この村まで影響することはありません」
「森にもすぐに影響が出るわけではないんだな?」
「はい、すぐには出ません。今までは濃い魔素のせいで強い魔獣がポコポコ生まれていたと思われます。それであっという間に増えて魔獣が動き始めたわけです。すでに存在している魔獣はどうしようもありませんが、今後は生まれるペースが落ちる上におそらく全体的に弱くなっていくと思いますので、暴走スタンピードが起きにくくなるはず、そう考えています。いずれは普通の森になると思いますよ。推測がかなり入りますが」

 腕組みをしていたルボルさんがこっちを見た。

「その吸い込んだ魔素は何かに使えねえのか?」
「上手く魔力に変換できれば魔石の充填に使えるかもしれません。今のところいい使い道がないので、しばらくは貯めるだけになりそうですね。いい使い道を思いついたら教えてください。大森林で得たものですので、この国で使ってもらえればそれがいいのですが」
「ああ、その時は頼む。それとだな、今回の件、上に伝えてもいいのか?」
「キヴィオ子爵ですか?」
「ああ、さすがに領主に報告しないわけにはいかねえからな。そこからさらに上に話が行くかもしれんが、それが嫌なら止めてもらうこともできるはずだ」
「うーん……まあ知り合いもいますので大丈夫だと思います」
「知り合い?」
「はい、レオンツィオ殿下です」
「半年前に森から出てきたばかりのやつがなんで王族と知り合いなんだよ」
「ええと……義理の兄になりますね」
「待て! お前王族だったのか?」
「いえ、妻……の姉の夫が殿下ですね」
「レオンツィオ殿下の相手は……ラクヴィ伯爵の娘だったな。そうか、下にもいたか」
「はい。そういうことです」
「それなら余計なちょっかいをかけるやつもいないから大丈夫だろう」

 パルツィ子爵という人がいましてね……。

「よし、なら俺は町に戻る。ケネス、お前は急がなくてもいいから、できればまた町に寄ってくれ」
「はい、また行きます」
「そうだ。ミリヤに相手が見つかったのは聞いたか?」
「! いえ、初めてですが……」
「あいつ、受付でプロポーズされてな、あれは傑作だった。話を聞いて祝ってやってくれ」
「はい、必ず」
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