215 / 278
第三章 第四部
いずれ引き継ぐために
しおりを挟む
今日が終われば正式に領主になってから一年になる。最初は興味が一割で嫌気が九割だったけど、今では引き受けてよかったと思う。人も増えたし町にやってくる商人も増えた。多少強引なやり方ではあったけど、街道を通したのがよかった。全部あれのおかげだね。領地全体の経済が上手く回るようになればいいんだけど、まだそこまではいかない。もう一本街道を通して、東と北と南に繋がってからようやくスタートだと思っている。
やることはやったし言うことは言ったけど、僕や妻たちじゃなければできないようなことはそこまで多くない。強いて言えば大森林の魔獣を狩ってくることと燃料箱周辺の一部くらいだろうか。
大森林から吸い上げた魔素は僕が作った魔素保管用異空間に溜められている。そこから別の異空間に移動させて魔力に変換している。そこからもう一つ別の異空間に移して、そこで魔力を分岐させてそれぞれの場所で使えるようにしている。その一つがユーヴィ市総合ギルドの燃料箱の充填室に繋がっている。
今のところはうちと新キヴィオ市、そして旧キヴィオ市の合計三か所のみ。契約先を増やすだけ増やして使えなくなるなんてことがあったらダメだから、今のところは無理をして増やすつもりはない。溜まった魔力は増え続けているから問題ないとは思うけど、フォレスタのようにいきなり不思議な存在が生まれることもないわけではないので、時々は様子を見ながら運用することになると思う。
しかしまあ、とりあえずこの一年は我ながらよく働いたと思う。でもそろそろ動きたいんだよね。よく動いてるって思われるかもしれないけど、それとは違うから。知っているところを移動するのと知らないところを移動するのは気分的にも違ってくる。単なる繰り返しなのか、それとも未知を経験するのか。異文化に触れるというは後者になる。それも繰り返すうちに前者になっていくから、常に新しい文化に触れていないと未知は経験できない。これはもう性だね。
領主一年目に蒔くべき種は蒔いた。子作りの話じゃなくて領地のことね。だからそろそろ先へ進もうと思っている。
最初この世界に来た頃は、とりあえず東に向かって王都まで行き、そこからどんどん東へ向かおうと思っていた。でも進んだり戻ったりしているうちに領主になった。その間に家族になった中で、親に挨拶をしていないのはジェナだけ。それならまずはクルディ王国が先かな。
うちの特産品はほとんどクルディ王国からやって来た。サトウキビ、パイナップル、バナナ、パラ(ゴムの木)、カカオ、ココナッツなどなど。まだ町では栽培はしていないけど、異空間の方ではコーヒーの木を栽培している。コーヒーは来年作ろうと思っている町のどこかで栽培できればいいかな。
新しい町の候補地としては、ナルヴァ町とシラマエ町の間、ナルヴァ町とソルディ町の間。ユーヴィ男爵領を時計に例えると、それぞれ七時半と一〇時半の方向になる。あるいはユーヴィ市と旧キヴィオ市の間に走る中央街道の途中、アルメ町からエレーダ町の間に走る北街道の途中、ヴァスタ町とサガード市の間に走る南街道の途中、とりあえず森を切り拓いた街道の途中には町は欲しい。
実はそれ以外にも考えていることはある。ナルヴァ町とユーヴィ市のちょうど中間点、今は街道の分岐と一里塚があるだけなんだけど、そこにも一つ町を作りたい。これは商業活動を活性化するためじゃなくて、領内で人の動きを活発にするため。要するに、安全を確保した上で、もっと領民に領内を移動してほしいから作る中継のための町。もっと先の話になるとは思うけど、いずれはそこに領都を移動させるのもありだと思う。もっともそれは子供の代になるだろうね。僕にとってのユーヴィ市は今の場所だから。
まあそのようなことを進めるためには、一つ一つ僕が面倒を見なくても、ギルドを中心にして勝手に動いてくれるようにならないといけない。もちろん好き勝手されるとキヴィオ市みたいになるけど、守るべきルールは守った上で、その中で自由に動けるようになるといい。
その一つの形として劇団ヅカと児童館が相互協力がある。僕が促した部分はあるけど、劇団が編集した物語を児童館で紙芝居や人形劇にし、それで子供たちが慣れてきたら劇場に連れて行く。小さい頃から歌や演劇に触れる機会を作るのが目的。ポリーナさん自身も小さな頃から舞台に上がるのを目指していたようだから、積極的に動いているようだ。まあ頑張るのはいいけど、不思議な体勢で潰れないでほしいね。怖いから。
他には食べ物の話。ある意味では僕が一番力を入れたところだね。
農畜水産物ギルドの管轄となった公営農場と公営牧場は安定して領内に食材を供給してくれている。個人の畑で作られている野菜とは競合しそうでしていない。
現在のところ、個人で畑をしている人の多くは公営農場でも働いている。そして自分の家の畑で作った野菜の半分は自分用、残った分を市場で売るなど、ダブルワークのようになっている。農場でできた種を持ち帰ることもできるし、自分で作って売る分には値段の調整もできるからね。
完成したばかりの牧場には異空間で飼っていた牛と山羊、そして町の中で飼っていたニワトリたちを移したけど、見ている限りは問題なさそう。いずれはそこで乳搾り体験とかをできるようにしたい。
牧場はユーヴィ市の外にある。歩いて三〇分くらいだけど。個人では町の外に出ない人が多いから、外へ出るきっかけとなってくれればいい。
普通の人は本当に町から出ないんだよ。お見合いパーティーをしたけど、あれも人数的に町中は難しいから外でとなった。でもあまり離れると怖がられるから、城門を出てすぐところになった。ちゃんと柵を作って兵士に警備させて。それくらいしないと外へは出ない。国内のあちこちに旅行とはいかなくても、領内くらい普通に歩いて移動するくらいは普通になってほしい。
人が増えて町が増えて、そのお陰で町の外の治安が良くなって、そうやって少しずつ安全な場所が増えていくのを待つのはもどかしいけど、そうなった時は嬉しいだろうね。
僕ではなく、主にマリアン、エリー、マイカの三人が主体となって取り組んだのが美容とファッション。肌が隠れればそれでいいという程度だった服装が、王都よりもお洒落になっていると思う。
王都は田舎よりはお洒落だけど、それでも庶民の服装はマイカに言わせると「ギリギリのラインですね」というくらい。大々的に売り込んではいないけど、ユーヴィ市で仕立てられた服はかなりの数が東の方へと運ばれているはず。ある意味ではファッションの最先端を行っている。尖りすぎていないかが心配になることはあるけど。
美容液の方は貴族の女性によく売れている。次期国王の義妹が作っているというネームバリューは馬鹿にできない。実際に肌の具合が良くなったという報告は多く、それに伴って夫が夜に頑張るようになったという報告も入っている。精力剤も売れているからだ。
元々そちらは殿下に渡していただけなんだけど、これも口コミで話が広がり、王都の公営商店で取り扱っている。『一発必中』や『百発百中』を使おうにも、そもそも元気がなければどうしようもないからね。だから基本的には貴族用として販売されている。
コンコン
「ケネス、ミシェルちゃんが料理ができたって呼んでますよ」
「分かった、すぐ行く」
ミシェルは弟と妹ができてからお姉さんらしくなった。料理をすることも増えたし、言葉遣いもかなりしっかりしてきた。できれば僕じゃなくて他にいい相手を見付けてくれればそれが一番なんだけど、どうなることやら。
しかしまあ今年最後の日くらいは先のことは忘れて、家族みんなでのんびり過ごしたいね。
やることはやったし言うことは言ったけど、僕や妻たちじゃなければできないようなことはそこまで多くない。強いて言えば大森林の魔獣を狩ってくることと燃料箱周辺の一部くらいだろうか。
大森林から吸い上げた魔素は僕が作った魔素保管用異空間に溜められている。そこから別の異空間に移動させて魔力に変換している。そこからもう一つ別の異空間に移して、そこで魔力を分岐させてそれぞれの場所で使えるようにしている。その一つがユーヴィ市総合ギルドの燃料箱の充填室に繋がっている。
今のところはうちと新キヴィオ市、そして旧キヴィオ市の合計三か所のみ。契約先を増やすだけ増やして使えなくなるなんてことがあったらダメだから、今のところは無理をして増やすつもりはない。溜まった魔力は増え続けているから問題ないとは思うけど、フォレスタのようにいきなり不思議な存在が生まれることもないわけではないので、時々は様子を見ながら運用することになると思う。
しかしまあ、とりあえずこの一年は我ながらよく働いたと思う。でもそろそろ動きたいんだよね。よく動いてるって思われるかもしれないけど、それとは違うから。知っているところを移動するのと知らないところを移動するのは気分的にも違ってくる。単なる繰り返しなのか、それとも未知を経験するのか。異文化に触れるというは後者になる。それも繰り返すうちに前者になっていくから、常に新しい文化に触れていないと未知は経験できない。これはもう性だね。
領主一年目に蒔くべき種は蒔いた。子作りの話じゃなくて領地のことね。だからそろそろ先へ進もうと思っている。
最初この世界に来た頃は、とりあえず東に向かって王都まで行き、そこからどんどん東へ向かおうと思っていた。でも進んだり戻ったりしているうちに領主になった。その間に家族になった中で、親に挨拶をしていないのはジェナだけ。それならまずはクルディ王国が先かな。
うちの特産品はほとんどクルディ王国からやって来た。サトウキビ、パイナップル、バナナ、パラ(ゴムの木)、カカオ、ココナッツなどなど。まだ町では栽培はしていないけど、異空間の方ではコーヒーの木を栽培している。コーヒーは来年作ろうと思っている町のどこかで栽培できればいいかな。
新しい町の候補地としては、ナルヴァ町とシラマエ町の間、ナルヴァ町とソルディ町の間。ユーヴィ男爵領を時計に例えると、それぞれ七時半と一〇時半の方向になる。あるいはユーヴィ市と旧キヴィオ市の間に走る中央街道の途中、アルメ町からエレーダ町の間に走る北街道の途中、ヴァスタ町とサガード市の間に走る南街道の途中、とりあえず森を切り拓いた街道の途中には町は欲しい。
実はそれ以外にも考えていることはある。ナルヴァ町とユーヴィ市のちょうど中間点、今は街道の分岐と一里塚があるだけなんだけど、そこにも一つ町を作りたい。これは商業活動を活性化するためじゃなくて、領内で人の動きを活発にするため。要するに、安全を確保した上で、もっと領民に領内を移動してほしいから作る中継のための町。もっと先の話になるとは思うけど、いずれはそこに領都を移動させるのもありだと思う。もっともそれは子供の代になるだろうね。僕にとってのユーヴィ市は今の場所だから。
まあそのようなことを進めるためには、一つ一つ僕が面倒を見なくても、ギルドを中心にして勝手に動いてくれるようにならないといけない。もちろん好き勝手されるとキヴィオ市みたいになるけど、守るべきルールは守った上で、その中で自由に動けるようになるといい。
その一つの形として劇団ヅカと児童館が相互協力がある。僕が促した部分はあるけど、劇団が編集した物語を児童館で紙芝居や人形劇にし、それで子供たちが慣れてきたら劇場に連れて行く。小さい頃から歌や演劇に触れる機会を作るのが目的。ポリーナさん自身も小さな頃から舞台に上がるのを目指していたようだから、積極的に動いているようだ。まあ頑張るのはいいけど、不思議な体勢で潰れないでほしいね。怖いから。
他には食べ物の話。ある意味では僕が一番力を入れたところだね。
農畜水産物ギルドの管轄となった公営農場と公営牧場は安定して領内に食材を供給してくれている。個人の畑で作られている野菜とは競合しそうでしていない。
現在のところ、個人で畑をしている人の多くは公営農場でも働いている。そして自分の家の畑で作った野菜の半分は自分用、残った分を市場で売るなど、ダブルワークのようになっている。農場でできた種を持ち帰ることもできるし、自分で作って売る分には値段の調整もできるからね。
完成したばかりの牧場には異空間で飼っていた牛と山羊、そして町の中で飼っていたニワトリたちを移したけど、見ている限りは問題なさそう。いずれはそこで乳搾り体験とかをできるようにしたい。
牧場はユーヴィ市の外にある。歩いて三〇分くらいだけど。個人では町の外に出ない人が多いから、外へ出るきっかけとなってくれればいい。
普通の人は本当に町から出ないんだよ。お見合いパーティーをしたけど、あれも人数的に町中は難しいから外でとなった。でもあまり離れると怖がられるから、城門を出てすぐところになった。ちゃんと柵を作って兵士に警備させて。それくらいしないと外へは出ない。国内のあちこちに旅行とはいかなくても、領内くらい普通に歩いて移動するくらいは普通になってほしい。
人が増えて町が増えて、そのお陰で町の外の治安が良くなって、そうやって少しずつ安全な場所が増えていくのを待つのはもどかしいけど、そうなった時は嬉しいだろうね。
僕ではなく、主にマリアン、エリー、マイカの三人が主体となって取り組んだのが美容とファッション。肌が隠れればそれでいいという程度だった服装が、王都よりもお洒落になっていると思う。
王都は田舎よりはお洒落だけど、それでも庶民の服装はマイカに言わせると「ギリギリのラインですね」というくらい。大々的に売り込んではいないけど、ユーヴィ市で仕立てられた服はかなりの数が東の方へと運ばれているはず。ある意味ではファッションの最先端を行っている。尖りすぎていないかが心配になることはあるけど。
美容液の方は貴族の女性によく売れている。次期国王の義妹が作っているというネームバリューは馬鹿にできない。実際に肌の具合が良くなったという報告は多く、それに伴って夫が夜に頑張るようになったという報告も入っている。精力剤も売れているからだ。
元々そちらは殿下に渡していただけなんだけど、これも口コミで話が広がり、王都の公営商店で取り扱っている。『一発必中』や『百発百中』を使おうにも、そもそも元気がなければどうしようもないからね。だから基本的には貴族用として販売されている。
コンコン
「ケネス、ミシェルちゃんが料理ができたって呼んでますよ」
「分かった、すぐ行く」
ミシェルは弟と妹ができてからお姉さんらしくなった。料理をすることも増えたし、言葉遣いもかなりしっかりしてきた。できれば僕じゃなくて他にいい相手を見付けてくれればそれが一番なんだけど、どうなることやら。
しかしまあ今年最後の日くらいは先のことは忘れて、家族みんなでのんびり過ごしたいね。
1
あなたにおすすめの小説
最強の異世界やりすぎ旅行記
萩場ぬし
ファンタジー
主人公こと小鳥遊 綾人(たかなし あやと)はある理由から毎日のように体を鍛えていた。
そんなある日、突然知らない真っ白な場所で目を覚ます。そこで綾人が目撃したものは幼い少年の容姿をした何か。そこで彼は告げられる。
「なんと! 君に異世界へ行く権利を与えようと思います!」
バトルあり!笑いあり!ハーレムもあり!?
最強が無双する異世界ファンタジー開幕!
神の加護を受けて異世界に
モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。
その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。
そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。
相続した畑で拾ったエルフがいつの間にか嫁になっていた件 ~魔法で快適!田舎で農業スローライフ~
ちくでん
ファンタジー
山科啓介28歳。祖父の畑を相続した彼は、脱サラして農業者になるためにとある田舎町にやってきた。
休耕地を畑に戻そうとして草刈りをしていたところで発見したのは、倒れた美少女エルフ。
啓介はそのエルフを家に連れ帰ったのだった。
異世界からこちらの世界に迷い込んだエルフの魔法使いと初心者農業者の主人公は、畑をおこして田舎に馴染んでいく。
これは生活を共にする二人が、やがて好き合うことになり、付き合ったり結婚したり作物を育てたり、日々を生活していくお話です。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~
あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。
彼は気づいたら異世界にいた。
その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。
科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
酒好きおじさんの異世界酒造スローライフ
天野 恵
ファンタジー
酒井健一(51歳)は大の酒好きで、酒類マスターの称号を持ち世界各国を飛び回っていたほどの実力だった。
ある日、深酒して帰宅途中に事故に遭い、気がついたら異世界に転生していた。転移した際に一つの“スキル”を授かった。
そのスキルというのは【酒聖(しゅせい)】という名のスキル。
よくわからないスキルのせいで見捨てられてしまう。
そんな時、修道院シスターのアリアと出会う。
こうして、2人は異世界で仲間と出会い、お酒作りや飲み歩きスローライフが始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
