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第三章 第三部
屋敷の改装
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屋敷の一部を改装することになった。何か不具合が出たわけじゃない。自分で建てたものだからね。マリアンが竜の姿で踏んでも大丈夫。ガッチガチに固めてあるから。
「お前様、事あるごとにワシが踏むというのをネタにするようじゃが、思うところでもあるのかの?」
「『何々が踏んでも壊れない』というフレーズが昔からあったんだよ。頑丈さをアピールするために」
「そこは普通に『竜が踏んでも壊れない』でいいと思うのじゃが」
「一番身近な竜だからね。そもそも他の竜に会ったことはないけど」
再来月くらいから出産ラッシュに入ることになる。さすがに一斉じゃないけど、およそ二か月ごとに二人ずつ。赤ん坊もそれだけ増える。助産師兼乳母のテクラとティネケ、そして乳母兼家庭教師のモニクとサスキアの合計四人から、一人ずつ世話をしていればそのうち手に負えなくなる可能性がある、という話をされた。それなら育児のための部屋を一つ用意して、そこにベビーベッドを並べるという話になった。
「奥様方一人一人のお部屋でお世話をするのは、最初のうちは問題ないでしょうが、全員がご出産されるころには確実に手が足りなくなります」
「リゼッタ様とエリー様とマノン様以降が厳しくなります」
「しかし旦那様、さすがですね」
「何が?」
いきなりそこで「さすが」と言われても話が繋がってないんだけど。
「お腹の大きさから、エリー様とマノン様は双子だと思われます。それと、はっきりとは言い切れませんが、セラ様もおそらくそうでしょう」
「双子が多くなりそうだと。それがどうして『さすが』なの? 領主が子沢山で町が繁栄すると?」
「はい。それに、領主様がそれだけ子供を作れるのであれば、そのお子様たちにも同じことが期待できるでしょう」
「すでに息子や娘に風評被害が!」
納得できないけど、そう言われればそうかなと思ってしまう。はい、[性豪]とか[絶倫]とか、似たようなものがいっぱい付いています。[助平]という評価は甘んじて受け入れよう。男だから。でも[好色漢]や[漁色家]、[色魔]、[緊縛好き]は違うと声を大にして言いたい。特に最後の。やってないよ。
ただ一〇〇歳を超えていないので、やっぱりあのお酒なしでは子供はできない。マイカには「外で遊び放題ですね」って言われたけど、子供ができないからって遊ばないよ。面倒なことになるのが最初から分かってるから。相手のステータスが壊れるからね。
「ケネスが暴君でないから、誰もが安心して領主を任せることができるんです」
「でも暴君って意外と最初は穏やかな人だから。権力を握ったら暴走するけど」
ネロとか煬帝とか。
「もし何かがあればミシェルちゃんが全力で止めますから」
「うん、それなら絶対に止まる」
僕がミシェルに勝てるはずがない。
「でも、二階なら部屋に空きはあるんだけど、一階はなんだかんだで広めの部屋は埋まってるからなあ」
「できれば一階で一緒にお世話ができれば、交代も含めて余裕ができます。階段の上り下りも回数が増えると大変ですので」
「やっぱり小さいとダメ?」
「小さいうちはつられ泣きがありますので、一人泣き始めたらみんな一斉に泣く可能性があります」
「そうかあ。それじゃあ隣とのスペースをそれなりに広くするしかないか」
泣き声が聞こえないように結界を張れば、それはそれで問題になりそうなので、育児のための大きな部屋を用意することにした。ベッドとベッドの間には、パーティションを立てればいいか。
ここまで聞くと、部屋の空間を広げればいいじゃないかと思うかもしれないけど、リゼッタから意見があった。
「やはり子供たちはのびのびと広い場所で育てたいと思います。場所もないわけではないのですから」
「本や衣装と同じにしたらダメなのは分かるけどね。それなら、このあたりに増やそうか」
別に増築が嫌とかそういうわけじゃないけど、そこまでする必要があるのかなと疑問に思っただけ。必要なら増築するよ、今からでも。
結局育児部屋の場所は本館一階の一番南東側にした。日当たりはここが一番いいからね。大部屋が一つと小部屋を二つ用意した。窓はマリアンの鱗を薄く伸ばしてガラスの代わりに使ったので強度は抜群。外壁の外に部屋を作って間の壁をぶち抜いたけど、そのあたりは魔法でちゃちゃっとできるので、外観も今までとほとんど変わらない。前に来たことがある人は「あれ? ここはこんな感じだったっけ?」と思うくらいはあるかもしれない。
部屋の中だけど、日本と違って基本が土足だから、靴を脱ぐということをほとんどしない。だから汚れていない靴に履き替えるくらいだね。とりあえずこの部屋に入る際には靴を履き替えるということでいいだろうか。
入り口のところで、日本の玄関のように靴を脱ぐスペースを作り、そこからは室内履きのようなものに履き替える。床には全面にカーペットを敷いておく。カーペットって掃除が大変という理由で嫌がられることもあるけど、イギリスでは床全面に敷かれることが多かった。たしかに掃除は手間かもしれないけど、単なるフローリングと違ってダニの死骸や埃が舞わないし、断熱の効果も防音の効果もある。毎日掃除機はかけていたけどね。
とりあえず[浄化]と[殺菌]の魔道具は置いておこう。髪の毛などを掻き出して吸い込む掃除機も備え付けて。この世界でも同じなのかどうかは分からないけど、あまり雑菌に触れないのも免疫機能が落ちるかもしれない。まあそれは庭で遊ばせたりすればいい。せめてこの部屋の中くらいはきれいにしておこう。
とりあえず作業は終わり。中に入ってチェックする。一番最初に過ごす赤ちゃんはまだリゼッタのお腹の中にいる。もう少しだね。
「本当に一日も経たずに完成するのですね」
「まあこの部分を繋げただけだからね」
外に部屋を接続してから壁を抜いてドアを付けて、まあそれくらいかな。夏から来た使用人たちは僕がこの屋敷を建てたのを見ていないから驚くかも。町の中ではそれなりに色々作っているんだけど。
それからテクラたちと育児部屋の内装について話をしていると、外から何か声が聞こえた。
「何ですか、これは?」
外から声をかけられたので見ると、守衛のマレインが戸惑っていた。ティースと一緒に巡回中か。
「ああ、ついさっき部屋を増やしたから」
「増やしたからって……」
「マレイン、今さら驚くこともないだろう。このお屋敷が建った時、寮と離れも合わせて数時間で十分だった。部屋一つくらい、領主様なら五分で増やせるだろう」
一緒にいたティースが説明してくれる。さすがに一から作るなら五分は無理だけど、素材さえ用意さえしておけばできるよ。地面を均して高さを調節して繋げるだけだからね。壁を抜いたり窓を取り付けたりするのが実は一番の手間。
「話には聞いてましたが、行って帰ってくる間で部屋が増えるとは思わなかったのでビックリしました」
「そうそういきなり増えることはないので安心して。ああそうだ、ついでに何か増やしてほしい設備とかはある?」
そうティースとマレインに聞いてみる。
「今のところは特にありませんね。甲冑からこれに替わって楽になりましたし、組手や打ち込みを行う場所も用意していただきましたし、急用はサランに伝えれば問題ありませんし。強いて言えば体を動かす施設でもあればいいかと思いますが」
以前は重そうな甲冑姿だったので、暑くなる前にサファリスーツ+ボディーアーマー+各種プロテクターという形に置き換えた。剣は腰に差しているけど、手には伸縮可能な特殊警棒を持っている。
「体を動かすねえ……。それは訓練として?」
「はい。あまり厳しい訓練だとマレインが逃げ出すかもしれませんが、跳んだり走ったりできる場所があればいいと思います。前に見せていただいたサランたちの訓練所のようなものです」
「え? 俺が逃げ出すような施設ですか?」
ティースの言葉を聞いたマレインは少し腰が引けている。
「さすがに逃げ出すほどのもの作らないけどね。それじゃ、屋敷を出ることなく体を動かせる施設を作ろうか」
場所は敷地の邪魔にならない場所でいいか。内部は拡張するけど、そこまで広くなくていいからね。フィールドアスレチックじゃないから。
「お前様、事あるごとにワシが踏むというのをネタにするようじゃが、思うところでもあるのかの?」
「『何々が踏んでも壊れない』というフレーズが昔からあったんだよ。頑丈さをアピールするために」
「そこは普通に『竜が踏んでも壊れない』でいいと思うのじゃが」
「一番身近な竜だからね。そもそも他の竜に会ったことはないけど」
再来月くらいから出産ラッシュに入ることになる。さすがに一斉じゃないけど、およそ二か月ごとに二人ずつ。赤ん坊もそれだけ増える。助産師兼乳母のテクラとティネケ、そして乳母兼家庭教師のモニクとサスキアの合計四人から、一人ずつ世話をしていればそのうち手に負えなくなる可能性がある、という話をされた。それなら育児のための部屋を一つ用意して、そこにベビーベッドを並べるという話になった。
「奥様方一人一人のお部屋でお世話をするのは、最初のうちは問題ないでしょうが、全員がご出産されるころには確実に手が足りなくなります」
「リゼッタ様とエリー様とマノン様以降が厳しくなります」
「しかし旦那様、さすがですね」
「何が?」
いきなりそこで「さすが」と言われても話が繋がってないんだけど。
「お腹の大きさから、エリー様とマノン様は双子だと思われます。それと、はっきりとは言い切れませんが、セラ様もおそらくそうでしょう」
「双子が多くなりそうだと。それがどうして『さすが』なの? 領主が子沢山で町が繁栄すると?」
「はい。それに、領主様がそれだけ子供を作れるのであれば、そのお子様たちにも同じことが期待できるでしょう」
「すでに息子や娘に風評被害が!」
納得できないけど、そう言われればそうかなと思ってしまう。はい、[性豪]とか[絶倫]とか、似たようなものがいっぱい付いています。[助平]という評価は甘んじて受け入れよう。男だから。でも[好色漢]や[漁色家]、[色魔]、[緊縛好き]は違うと声を大にして言いたい。特に最後の。やってないよ。
ただ一〇〇歳を超えていないので、やっぱりあのお酒なしでは子供はできない。マイカには「外で遊び放題ですね」って言われたけど、子供ができないからって遊ばないよ。面倒なことになるのが最初から分かってるから。相手のステータスが壊れるからね。
「ケネスが暴君でないから、誰もが安心して領主を任せることができるんです」
「でも暴君って意外と最初は穏やかな人だから。権力を握ったら暴走するけど」
ネロとか煬帝とか。
「もし何かがあればミシェルちゃんが全力で止めますから」
「うん、それなら絶対に止まる」
僕がミシェルに勝てるはずがない。
「でも、二階なら部屋に空きはあるんだけど、一階はなんだかんだで広めの部屋は埋まってるからなあ」
「できれば一階で一緒にお世話ができれば、交代も含めて余裕ができます。階段の上り下りも回数が増えると大変ですので」
「やっぱり小さいとダメ?」
「小さいうちはつられ泣きがありますので、一人泣き始めたらみんな一斉に泣く可能性があります」
「そうかあ。それじゃあ隣とのスペースをそれなりに広くするしかないか」
泣き声が聞こえないように結界を張れば、それはそれで問題になりそうなので、育児のための大きな部屋を用意することにした。ベッドとベッドの間には、パーティションを立てればいいか。
ここまで聞くと、部屋の空間を広げればいいじゃないかと思うかもしれないけど、リゼッタから意見があった。
「やはり子供たちはのびのびと広い場所で育てたいと思います。場所もないわけではないのですから」
「本や衣装と同じにしたらダメなのは分かるけどね。それなら、このあたりに増やそうか」
別に増築が嫌とかそういうわけじゃないけど、そこまでする必要があるのかなと疑問に思っただけ。必要なら増築するよ、今からでも。
結局育児部屋の場所は本館一階の一番南東側にした。日当たりはここが一番いいからね。大部屋が一つと小部屋を二つ用意した。窓はマリアンの鱗を薄く伸ばしてガラスの代わりに使ったので強度は抜群。外壁の外に部屋を作って間の壁をぶち抜いたけど、そのあたりは魔法でちゃちゃっとできるので、外観も今までとほとんど変わらない。前に来たことがある人は「あれ? ここはこんな感じだったっけ?」と思うくらいはあるかもしれない。
部屋の中だけど、日本と違って基本が土足だから、靴を脱ぐということをほとんどしない。だから汚れていない靴に履き替えるくらいだね。とりあえずこの部屋に入る際には靴を履き替えるということでいいだろうか。
入り口のところで、日本の玄関のように靴を脱ぐスペースを作り、そこからは室内履きのようなものに履き替える。床には全面にカーペットを敷いておく。カーペットって掃除が大変という理由で嫌がられることもあるけど、イギリスでは床全面に敷かれることが多かった。たしかに掃除は手間かもしれないけど、単なるフローリングと違ってダニの死骸や埃が舞わないし、断熱の効果も防音の効果もある。毎日掃除機はかけていたけどね。
とりあえず[浄化]と[殺菌]の魔道具は置いておこう。髪の毛などを掻き出して吸い込む掃除機も備え付けて。この世界でも同じなのかどうかは分からないけど、あまり雑菌に触れないのも免疫機能が落ちるかもしれない。まあそれは庭で遊ばせたりすればいい。せめてこの部屋の中くらいはきれいにしておこう。
とりあえず作業は終わり。中に入ってチェックする。一番最初に過ごす赤ちゃんはまだリゼッタのお腹の中にいる。もう少しだね。
「本当に一日も経たずに完成するのですね」
「まあこの部分を繋げただけだからね」
外に部屋を接続してから壁を抜いてドアを付けて、まあそれくらいかな。夏から来た使用人たちは僕がこの屋敷を建てたのを見ていないから驚くかも。町の中ではそれなりに色々作っているんだけど。
それからテクラたちと育児部屋の内装について話をしていると、外から何か声が聞こえた。
「何ですか、これは?」
外から声をかけられたので見ると、守衛のマレインが戸惑っていた。ティースと一緒に巡回中か。
「ああ、ついさっき部屋を増やしたから」
「増やしたからって……」
「マレイン、今さら驚くこともないだろう。このお屋敷が建った時、寮と離れも合わせて数時間で十分だった。部屋一つくらい、領主様なら五分で増やせるだろう」
一緒にいたティースが説明してくれる。さすがに一から作るなら五分は無理だけど、素材さえ用意さえしておけばできるよ。地面を均して高さを調節して繋げるだけだからね。壁を抜いたり窓を取り付けたりするのが実は一番の手間。
「話には聞いてましたが、行って帰ってくる間で部屋が増えるとは思わなかったのでビックリしました」
「そうそういきなり増えることはないので安心して。ああそうだ、ついでに何か増やしてほしい設備とかはある?」
そうティースとマレインに聞いてみる。
「今のところは特にありませんね。甲冑からこれに替わって楽になりましたし、組手や打ち込みを行う場所も用意していただきましたし、急用はサランに伝えれば問題ありませんし。強いて言えば体を動かす施設でもあればいいかと思いますが」
以前は重そうな甲冑姿だったので、暑くなる前にサファリスーツ+ボディーアーマー+各種プロテクターという形に置き換えた。剣は腰に差しているけど、手には伸縮可能な特殊警棒を持っている。
「体を動かすねえ……。それは訓練として?」
「はい。あまり厳しい訓練だとマレインが逃げ出すかもしれませんが、跳んだり走ったりできる場所があればいいと思います。前に見せていただいたサランたちの訓練所のようなものです」
「え? 俺が逃げ出すような施設ですか?」
ティースの言葉を聞いたマレインは少し腰が引けている。
「さすがに逃げ出すほどのもの作らないけどね。それじゃ、屋敷を出ることなく体を動かせる施設を作ろうか」
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