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第三章 第二部
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日本人時代、僕の仕事の時の服装は決まってスーツだった。会社からはスーツでなくてもいいと言われていたので、いわゆるオフィスカジュアルという服装の同僚もいた。社外の人と会うかどうかも関係するけどね。海外出張の際はキッチリとしたスリーピースのスーツだった。
それで普段着はというと下はジーンズかチノパン、上はシャツとジャケットが多かった。シャツはノンアイロンばっかりだったね。一応はアイロンも持っていたけど、使うことは少なかったかな。
そういうわけでシャツは着慣れている……けど……これはなかなか……袖を通すにはハードルが高い。ちょっと間違うと……やや地味めのピエロ?
「日本ほど蒸し暑くありませんので、すべて七分袖にしてみました。身頃は前も後ろも最低七種類の色か模様を使っています。使っている布は服飾ギルドで購入した布で、三枚とも同じ布を使っていますが、組み合わせを変えていますので、それぞれ着た時の感じ方が違うと思います」
「着た時の感じ以前に、着る前から違いしか感じないんですけどね」
先日ミレナさんに注文したシャツを受け取りに来ている。自分で注文しておいてこんなことを言うのもあれだけど、これを着るの? まあこういう服もあると知ってもらうのにはいいのかもしれないけど。
「それと、これはうちの製品を宣伝してもらう代わりに、ぜひどうぞ」
「これは?」
「クロップドパンツです。少しテーパードになっています。これくらい攻めてもいいのではないでしょうか。色は抑えめですけど」
「まあ僕は履いていませんでしたが、これも定番でしたからね」
「……え? 定番?」
流行って定番になったと言ってもいいんじゃないかな? 呼び方は色々とあったかもしれないけど……あっ。
「僕とミレナさんではいつまで日本を知っているかが違うんでしょうね」
「そ、そうですよね。そんな当たり前のことを忘れていました」
どうもお互いの情報をすり合わせると、日本にいた最後はミレナさんが二〇一二年、僕が二〇一九年だったので、七年弱ずれているようだ。
「あれが流行りだしたあたりから、スーツでもやや裾が短いのが出てきましたね。アンクル丈くらいのものが標準になりつつありました」
「そうでしたか。でもこれで裾が短いものが流行ることが分かりました。自信になります」
「それなら僕はこの組み合わせで町中を歩いてみましょうか。少し恥ずかしいですが。既製品もありますか?」
「あります。もし聞かれたら宣伝をお願いします」
「もちろんしておきますよ。他には……店のことを説明するのに、何か目印とかありますか?」
「試しに作ったこのシャツを店先に飾っておきます。これは少しやりすぎましたので」
僕が作ってもらったものよりもさらに目が痛いシャツを取り出すと、ミレナさんはそれを店先に飾った。目立つね。ヒラヒラというかビラビラというか、風にそよぐ感じ。羽ばたいて行きそう。
僕は裾が短いズボンはほとんど履かなかったけど、それは僕は物持ちが良くて体型が変わらなかったから、わざわざ色々と新しく買う必要はないと思っただけで、手元にあったら履いていたと思うよ。このシャツの柄はなかなか着ようとは思わなかっただろうけど。
試着室なんてないので一度異空間に戻って着替えてまた出ると、今度はミレナさんお店を出た。その格好のまま町中を歩く。目立つだろうね。
「領主様、その服はどういうものですか?」
「ズボンの裾も短めですね」
案の定、チラチラ見られると思ったら声をかけられたね。声をかけてきたのは二人組の女性。お店で見たことがあったはず。おそらく流行に敏感な女性たちだろうね。
「少しでも涼しい方がいいですからね。それに足首を見せることによって足を細く長く見せる効果があるみたいですよ」
「!」
「そうなんですか?」
「ええ、このズボンが同じ太さで下までストンとあると思ってください。それだと普通ですが、少しずつ細くなってこのように足首を見せると……」
「たしかにメリハリが出ますね。それは服飾美容店の新製品ですか?」
「いえ、どちらも北にある白い宿木亭の近くにあるお店です。ミレナさんという方のお店で、このようなシャツが飾ってありますのですぐに分かると思いますよ」
「ありがとうございます」
「これから見てきます!」
シャツについては微妙だけど、このズボンについては意外といいんじゃない? 長くていいことってあまりない気がする。足首の保護にはいいのかもしれないけど、長いと裾が傷むからね。
服飾美容店では女性用はスカートの方が多かった。マイカの好みでロングキュロットのようなものはあったけど、細身でこういうタイプはなかったね。
これはステマになるのかな?
その後も歩いているとたまに声をかけられた。やっぱりシャツよりもズボンの方が気になるらしい。できればシャツの方に興味を持ってほしいけど、なかなかね。
そのまま歩いて領主邸の方へ向かう。
「旦那様、おか……珍しい服をお召しですね」
「珍しいだろうね」
おかしな服って言いかけたんだと思う。イェルンは貴族の使用人が着る伝統的な服装をしている。少しダボッとした感じの執事服と言えばいいだろうか。貴族の服もそうなんだけど、わりとゆったりした服が多いんだよね。うちの使用人の服はエリーとマリアンがデザインしているからもう少し細身になっている。ちなみにこの国の貴族は、派手なモーツァルトが長ズボンを履いている感じになる。髪型は普通だけど。
僕は貴族の服装にはあまり興味がないので、授爵の時の正装は横に置いておいて、それほど固い服は着ない。さすがに仕事の時は仕事着を着るようにしている。ギルドの制服に似たダブルのスーツで、色は留紺。ギルドから出れば上はTシャツのこともあるしチュニックのこともある。下は普通の長ズボンが多いけど、たまにカーゴパンツも履く。
「先輩の切り替えシャツって新鮮ですね」
「無難な服しか着ていなかったからね」
「たまにはぶっ飛んだのもいいと思いますよ」
「やっぱりぶっ飛んでる?」
「はい、かなり。日本でも珍しいくらいのぶっ飛びっぷりですよ」
家族にはミレナさんにシャツを頼んだ経緯は事情は前に説明している。それで斬新なシャツを頼んだとも言っている。それがこうなるとは思わなかったらしい。
「お前様はワシのドレスに色々と言うておったが、そのシャツはあれを超えるじゃろ」
「いい勝負じゃない?」
「ワシもちょっと着替えてくる」
マリー・アントワネットのようなドレスかな? あれだけじゃないけど、初期にはかなり派手なドレスが多かったね。頭がドアにつっかえたりしてたし。
「パパ、おかえりなさい……って、パパがカラフルになった!」
「カラフルか……たしかに」
「お前様よ、着替えてきたぞ。どうじゃ?」
僕の横にマリアンが立つ。マリアンのドレスは真っ赤で人目は引くけど、カラフルというよりはデザインで人目を引く感じになっている。
「ふたりでならぶとあのまちみたい」
「どこじゃ?」
「ヴァリガ市だね。あそこは町全体が派手だったね……あ」
壁だ。ヴァリガ市は服だけじゃなくて建物の壁などもカラフルだった。
「あの時、何かありましたか?」
「いや、ヴァリガ市には派手な格好の人が多かったけど浮いている感じはしなかった。それで何が違うかと思ったら、家の色だ」
「そうですね。昔からそうでしたが、家の壁はかなり派手ですね」
「先輩、壁を塗りますか?」
「でも、いきなり町を塗るのもね。次に何か公的な建物を建てる時には、少し派手にしてもいいかな」
あまり派手なのは目が疲れるけど、もう少し町に色があってもいいね。
それで普段着はというと下はジーンズかチノパン、上はシャツとジャケットが多かった。シャツはノンアイロンばっかりだったね。一応はアイロンも持っていたけど、使うことは少なかったかな。
そういうわけでシャツは着慣れている……けど……これはなかなか……袖を通すにはハードルが高い。ちょっと間違うと……やや地味めのピエロ?
「日本ほど蒸し暑くありませんので、すべて七分袖にしてみました。身頃は前も後ろも最低七種類の色か模様を使っています。使っている布は服飾ギルドで購入した布で、三枚とも同じ布を使っていますが、組み合わせを変えていますので、それぞれ着た時の感じ方が違うと思います」
「着た時の感じ以前に、着る前から違いしか感じないんですけどね」
先日ミレナさんに注文したシャツを受け取りに来ている。自分で注文しておいてこんなことを言うのもあれだけど、これを着るの? まあこういう服もあると知ってもらうのにはいいのかもしれないけど。
「それと、これはうちの製品を宣伝してもらう代わりに、ぜひどうぞ」
「これは?」
「クロップドパンツです。少しテーパードになっています。これくらい攻めてもいいのではないでしょうか。色は抑えめですけど」
「まあ僕は履いていませんでしたが、これも定番でしたからね」
「……え? 定番?」
流行って定番になったと言ってもいいんじゃないかな? 呼び方は色々とあったかもしれないけど……あっ。
「僕とミレナさんではいつまで日本を知っているかが違うんでしょうね」
「そ、そうですよね。そんな当たり前のことを忘れていました」
どうもお互いの情報をすり合わせると、日本にいた最後はミレナさんが二〇一二年、僕が二〇一九年だったので、七年弱ずれているようだ。
「あれが流行りだしたあたりから、スーツでもやや裾が短いのが出てきましたね。アンクル丈くらいのものが標準になりつつありました」
「そうでしたか。でもこれで裾が短いものが流行ることが分かりました。自信になります」
「それなら僕はこの組み合わせで町中を歩いてみましょうか。少し恥ずかしいですが。既製品もありますか?」
「あります。もし聞かれたら宣伝をお願いします」
「もちろんしておきますよ。他には……店のことを説明するのに、何か目印とかありますか?」
「試しに作ったこのシャツを店先に飾っておきます。これは少しやりすぎましたので」
僕が作ってもらったものよりもさらに目が痛いシャツを取り出すと、ミレナさんはそれを店先に飾った。目立つね。ヒラヒラというかビラビラというか、風にそよぐ感じ。羽ばたいて行きそう。
僕は裾が短いズボンはほとんど履かなかったけど、それは僕は物持ちが良くて体型が変わらなかったから、わざわざ色々と新しく買う必要はないと思っただけで、手元にあったら履いていたと思うよ。このシャツの柄はなかなか着ようとは思わなかっただろうけど。
試着室なんてないので一度異空間に戻って着替えてまた出ると、今度はミレナさんお店を出た。その格好のまま町中を歩く。目立つだろうね。
「領主様、その服はどういうものですか?」
「ズボンの裾も短めですね」
案の定、チラチラ見られると思ったら声をかけられたね。声をかけてきたのは二人組の女性。お店で見たことがあったはず。おそらく流行に敏感な女性たちだろうね。
「少しでも涼しい方がいいですからね。それに足首を見せることによって足を細く長く見せる効果があるみたいですよ」
「!」
「そうなんですか?」
「ええ、このズボンが同じ太さで下までストンとあると思ってください。それだと普通ですが、少しずつ細くなってこのように足首を見せると……」
「たしかにメリハリが出ますね。それは服飾美容店の新製品ですか?」
「いえ、どちらも北にある白い宿木亭の近くにあるお店です。ミレナさんという方のお店で、このようなシャツが飾ってありますのですぐに分かると思いますよ」
「ありがとうございます」
「これから見てきます!」
シャツについては微妙だけど、このズボンについては意外といいんじゃない? 長くていいことってあまりない気がする。足首の保護にはいいのかもしれないけど、長いと裾が傷むからね。
服飾美容店では女性用はスカートの方が多かった。マイカの好みでロングキュロットのようなものはあったけど、細身でこういうタイプはなかったね。
これはステマになるのかな?
その後も歩いているとたまに声をかけられた。やっぱりシャツよりもズボンの方が気になるらしい。できればシャツの方に興味を持ってほしいけど、なかなかね。
そのまま歩いて領主邸の方へ向かう。
「旦那様、おか……珍しい服をお召しですね」
「珍しいだろうね」
おかしな服って言いかけたんだと思う。イェルンは貴族の使用人が着る伝統的な服装をしている。少しダボッとした感じの執事服と言えばいいだろうか。貴族の服もそうなんだけど、わりとゆったりした服が多いんだよね。うちの使用人の服はエリーとマリアンがデザインしているからもう少し細身になっている。ちなみにこの国の貴族は、派手なモーツァルトが長ズボンを履いている感じになる。髪型は普通だけど。
僕は貴族の服装にはあまり興味がないので、授爵の時の正装は横に置いておいて、それほど固い服は着ない。さすがに仕事の時は仕事着を着るようにしている。ギルドの制服に似たダブルのスーツで、色は留紺。ギルドから出れば上はTシャツのこともあるしチュニックのこともある。下は普通の長ズボンが多いけど、たまにカーゴパンツも履く。
「先輩の切り替えシャツって新鮮ですね」
「無難な服しか着ていなかったからね」
「たまにはぶっ飛んだのもいいと思いますよ」
「やっぱりぶっ飛んでる?」
「はい、かなり。日本でも珍しいくらいのぶっ飛びっぷりですよ」
家族にはミレナさんにシャツを頼んだ経緯は事情は前に説明している。それで斬新なシャツを頼んだとも言っている。それがこうなるとは思わなかったらしい。
「お前様はワシのドレスに色々と言うておったが、そのシャツはあれを超えるじゃろ」
「いい勝負じゃない?」
「ワシもちょっと着替えてくる」
マリー・アントワネットのようなドレスかな? あれだけじゃないけど、初期にはかなり派手なドレスが多かったね。頭がドアにつっかえたりしてたし。
「パパ、おかえりなさい……って、パパがカラフルになった!」
「カラフルか……たしかに」
「お前様よ、着替えてきたぞ。どうじゃ?」
僕の横にマリアンが立つ。マリアンのドレスは真っ赤で人目は引くけど、カラフルというよりはデザインで人目を引く感じになっている。
「ふたりでならぶとあのまちみたい」
「どこじゃ?」
「ヴァリガ市だね。あそこは町全体が派手だったね……あ」
壁だ。ヴァリガ市は服だけじゃなくて建物の壁などもカラフルだった。
「あの時、何かありましたか?」
「いや、ヴァリガ市には派手な格好の人が多かったけど浮いている感じはしなかった。それで何が違うかと思ったら、家の色だ」
「そうですね。昔からそうでしたが、家の壁はかなり派手ですね」
「先輩、壁を塗りますか?」
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あまり派手なのは目が疲れるけど、もう少し町に色があってもいいね。
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