新米エルフとぶらり旅

椎井瑛弥

文字の大きさ
220 / 278
余談

座談会(種族編)

しおりを挟む
 この話はストーリーの進行とはまったく関係ありません。

 ただ単にメタな視点で設定や裏話を座談会のようにダラダラ続けるという内容です。

 ほぼ登場人物たちの会話で成り立っています。

 それでもよろしければどうぞ。

 ↓

 ↓

 ↓

 ↓

 ↓

 ↓

 ↓

 ↓

 ↓

 ↓

「ここからは種族編に入ります。皆様、手元に追加のお茶とお茶菓子はありますか?」
「どこまで続けるんだろうね」
「閣下、すでに出ている話もあるかと思いますが、ここではもう一度この世界にいる種族の説明をお願いします」
「了解」
「まずは人間からお願いします。妻の中では今のところはマノンさんだけです。今後はエルケさんも入る予定です」
「この世界の人間は地球の人間とほぼ同じ。でも魔素のおかげで寿命が長い。一年の日数が若干短いせいでもあるけど。怪我や病気がなければ寿命は一〇〇歳から一五〇歳くらい。それで、一五歳から二〇歳くらいまでは地球の人間とほぼ同じ。そこから少しずつ遅くなるらしい」
「私がそうですねぇ」
「マノンは三〇歳を過ぎたところだったけど、見た感じは二〇代後半くらい」
「いつまでも綺麗なお姉さんでいたいと思いますねぇ。太ももには自信があります」
「僕はそれで失敗したね」

「次は獣人をお願いします。妻はマイカさんだけです」
「獣人は様々な種族の集合体。背丈は人間と同じくらいだけど、種族によって多少のばらつきはある。だから彼らは犬人とか猫人のように、個別の呼び方をされる方を好む。でも獣人族という呼ばれ方が嫌なわけではない。魔力は少ないけれども体力はかなりある。これも種族によって違うかな。寿命は人間と同じくらい。特徴としては頭に動物の耳、お尻に動物の尻尾がある。それ以外はほとんど人間と変わらない。馬人は足が速い、牛人は胸が大きい、などのちょっとした特徴があるくらい」
「犬人は惚れた相手にはベタベタなんですよ」
「……アンナさんの貫手は? 完全に内臓に達してたでしょ」
「あれは愛情の裏返しだそうです」

「ではエルフをお願いします。ご主人様、カローラさん、エリーさん、ミシェルちゃん、私など、妻の中では人数が一番多くなっています」
「エルフの背丈は人間と同じくらいで、人間よりは少しだけ華奢な体格で、少し切れ長な目をしている。耳が少し長くて『葉っぱ』と言われて想像する葉っぱの形。笹の葉ほどは長くない。寿命は六〇〇歳から一〇〇〇歳くらい。生まれた時から精霊魔法が使える」
「魔法のみなら最強の種族です」
「それはカローラを筆頭に特殊な人ばっかり集まったからかもしれないよ。魔力量では一番かもしれないけど」

「はい。ではドワーフをお願いします。妻の中にはセラさんとキラさんのお二人がいます」
「えーっと、ドワーフはよくあるように手先が器用、そして酒好き、というのが基本。独身男性は洞窟のような場所を好むけど、女性にそのような傾向はないらしい。人間やエルフよりも少しだけ背が低くて髪が多いのが特徴。耳がやっぱり少し尖っている。顔は人間とほとんど変わらない。土魔法を使える人が多いかな。寿命は三〇〇歳から五〇〇歳くらい」
「口調は特徴ではないのです?」
「無愛想」
「必ずしもそういうわけでもなくて、住んでいる場所の違いだったり、育った環境の違いだったり。男性はそれなりの年齢になると『~ですな』と言う傾向がある。キラの場合は周囲の目線を気にしすぎて口数が減った感じだろうね」
「見た目は合法ロリではないのです?」
「そこまでじゃないよ。単に背が低いだけだから。ちゃんと顔を見れば少し幼いけど年齢相応に見える」

「はい。では妖精フェアリーをお願いします。妻の中にはカロリッタさん一人ですが、補って余りある存在感があります」
妖精フェアリーは背中に蝶のような羽があるのですぐに分かる。羽は消せるけど。彼らは種族特有のスキルで体を一時的に大きくできる。他の種族との間に子供を作るためだね。でも魔力を大量に使うから、大きくできる時間は人それぞれ。魔力が減ると体調を崩すこともあるから、頻繁には使えず、無理をすると死んでしまうという話がいつの間にかできてしまっていた。体が大きな状態で妊娠すると、出産するまではその状態で固定される。それは『天の祝福』と言われる。体が小さいので的が小さく、魔法が得意で手先が器用。実は物理攻撃以外は最強の種族。寿命は五〇〇歳から八〇〇歳くらい」
「どうして私は~エルフにならなかったんでしょうか~?」
「カロリッタは妖精の中でも特殊な守護妖精という立場で、僕の中に宿っているという設定だったからね、最初は」
「全然宿っていませんね~。マスターの頭の中も~だいぶ読んでいませんね~」
「今さら読んでも仕方ないでしょ。読まれても悪いことをされないのは分かってるけどね」
「ふっふ~。実はとってもいい子なんですよ~」

「メインの種族は以上かな。一応補足事項として、体内に蓄えられる魔力量が多ければ多いほど寿命が伸びるという設定がある。だから人間でも二〇〇歳を超えることはある。上で出た寿命は、ごく標準的な人が事故とかに遭わなければ、八割くらいはこれくらいの範囲に収まるという目安だね」
「途中で魔力量が伸びた場合はどうなるです? 若返るですか?」
「さすがにそれはないよ。その時点から老化が遅くなるらしい。そもそも急に増えるってほとんどないからね。ステータスを見ることができないから、どの魔法を何回使えたかで判断するらしいね」

「一応ここまでがこの国で『人』と呼ばれる範囲にある種族です。それでは、このあたりで何か疑問のある人はいらっしゃいま……はい、マリーさん」
「兄さん、一つ気になってたんだけど、獣人って言葉が普通よね」
「語尾が『~わん』とか『~にゃ』ってこと?」
「そうそう。そういうのが定番じゃないの?」
「定番かもしれないけど、設定としては人間と同じ口なんだから、普通に話してるでしょ。マイカとかミリヤさんとかシーラとか」
「先輩先輩、可愛いですか……わん?」

 マイカが犬の前足ちょいちょいを真似ながらそう言った。

「~~~~~ッ」

 言ったと思ったら顔を真っ赤にして転がり始めた。

「可愛いけど、真っ赤になってまで無理しなくていいよ」
「初めて口にしてみて分かりました! これ、自分で口にするとめちゃくちゃ恥ずかしいです! そう考えるとメイド喫茶とかで働いてる人って、ものすごく恥ずかしさ耐性の数値が上がってませんか?」
「あの人たちはそれが仕事だからね。恥ずかしがってたら仕事にならないでしょ」
「ケネスさん! それなら牛人は『もー』ですかもー⁉」
「そうなるでしょうね。でも国によって表記が違いますからね。猫なら日本では『にゃー』や『みー』だけど海外では『みゃお』とか『みゃおう』になるし、犬なら『わんわん』や『きゃんきゃん』じゃなくて『ばうわう』とか『うーふうーふ』『あうふあうふ』、牛は世界的に『もー』か『むー』が多いみたいですね。馬は日本では『ひひーん』とか『ひんひん』でも、海外だと『ねーい』とか『いいー』とかになります。でもそれをやり始めると兎人で困るし、山羊人は『ばー』とか『べー』とかドクロベーみたいになるから、獣人独特の口調は使わないことになったらしい」
「でもさあ、今のマイカさんを見てたらありだと思うんだけど。すっごく萌えた」
「マイカは可愛いからいいよ、マイカは。でも筋肉だるまのエリアスさんがそういう口調で話したらどう思う?」
「ごめん、私は何も言わなかったことにして」
「グルグルとうなるくらいはあってもよかったかもしれないけど、獣人と動物は違うからね。あくまで特徴があるだけだから。自分たちの先祖は神獣だと思っている種族もあるようだけど」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

最強の異世界やりすぎ旅行記

萩場ぬし
ファンタジー
主人公こと小鳥遊 綾人(たかなし あやと)はある理由から毎日のように体を鍛えていた。 そんなある日、突然知らない真っ白な場所で目を覚ます。そこで綾人が目撃したものは幼い少年の容姿をした何か。そこで彼は告げられる。 「なんと! 君に異世界へ行く権利を与えようと思います!」 バトルあり!笑いあり!ハーレムもあり!? 最強が無双する異世界ファンタジー開幕!

神の加護を受けて異世界に

モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。 その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。 そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。

相続した畑で拾ったエルフがいつの間にか嫁になっていた件 ~魔法で快適!田舎で農業スローライフ~

ちくでん
ファンタジー
山科啓介28歳。祖父の畑を相続した彼は、脱サラして農業者になるためにとある田舎町にやってきた。 休耕地を畑に戻そうとして草刈りをしていたところで発見したのは、倒れた美少女エルフ。 啓介はそのエルフを家に連れ帰ったのだった。 異世界からこちらの世界に迷い込んだエルフの魔法使いと初心者農業者の主人公は、畑をおこして田舎に馴染んでいく。 これは生活を共にする二人が、やがて好き合うことになり、付き合ったり結婚したり作物を育てたり、日々を生活していくお話です。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~

あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。 彼は気づいたら異世界にいた。 その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。 科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

酒好きおじさんの異世界酒造スローライフ

天野 恵
ファンタジー
酒井健一(51歳)は大の酒好きで、酒類マスターの称号を持ち世界各国を飛び回っていたほどの実力だった。 ある日、深酒して帰宅途中に事故に遭い、気がついたら異世界に転生していた。転移した際に一つの“スキル”を授かった。 そのスキルというのは【酒聖(しゅせい)】という名のスキル。 よくわからないスキルのせいで見捨てられてしまう。 そんな時、修道院シスターのアリアと出会う。 こうして、2人は異世界で仲間と出会い、お酒作りや飲み歩きスローライフが始まる。

処理中です...