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王妃の苦悩と協力
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朱美は、自室に帰り動きやすい服をきて一人で寝台の上で考え込んでいた。
王が自分を愛人にすると広言したような状況は我慢がならない。
「傲慢な王だな・・。」
それに王妃の顔がチラついた・・傷ついたような表情から王妃は、王を愛しているのだろう。
異国から嫁ぎ王宮で過ごす事を強要されたのだろうな・・と自分の今と重ねた朱美は、この豪華な巫女殿は意外と脱出しにくい作りだと観察をしていた。
ここに来る前に自分の父である将軍から・・
「理不尽だと思う事があれば逃げ出していい。」
と言われていたのだった。
武器は隠し持ってでた小刀一つ・・では無い。
ここに来る前に蒼虎が持たせてくれた分解された双刀はすでに組み立てて隠してある。
細い月が空に浮かんでいるから明日は闇夜に近いが問題は服のすべてが白だという事だった、闇の中で白は目立つ。
「んっ・・・。」
人の動く気配に敏感な朱美はベッドの下から小刀を取り出すとチュニックになっている服の帯に差し込み気配をよむ。
「1.2.3 三人か・・。」
同じように気配に気がついた侍女とは名ばかりの涼音は簪になっている武器を逆手に持っている。
「お嬢様・・まさか刺客ですかね。」
「だろうね・・。」
この国の者が巫女を殺そうとするはずかない・・本来神殿と王族は、同等な力を持っていたのはその信仰心からだった。
今の時代は、信仰心が薄れてきたとは言えかなりの国民は神を信じて神殿に従う。
もし巫女を殺害したと言う事になれば国民は、王族を許さないかもしれないし各地でくすぶっているという不満が爆発する可能性もある。
あの傲慢そうな王でもそれは解っているはずだ!
「くる・・」
素早い動きで影が動き朱美がすでに就寝しているはずの寝台に刀を突きさした。
その背後を撮った朱美は当身を食らわせて敵の意識を奪うとすぐに無言で襲ってくる者と対峙する。
側で剣を交えているのは涼音だろう・・彼女もそこそこ普通の女性よりは強い。
朱美は自分の目の前の敵に集中する・・
「何者だ?」
「なぜ・・巫女が剣など持っているんだ?」
「私は将軍府の出だぞ・・予想出来なかったか?」
将軍府は高位の貴族といえばそうだからそこの娘は淑やかなお嬢様だとでも思っていなのかもしれない。
「姫様が泣いていらした・・お前が死ねば姫様の憂いはなくなる。」
「西の者か・・なら一つ取引しないか?」
殺すべき相手が取引を持ち出してくるとは思わなかったのか動きをとめるこいつはプロではない・・そう朱美は思った。
プロならば朱美の言葉など聞かずに任務を遂行するのみだからだ。
「私はここから出たい。入ってきたのなら出れるはずだ!」
「本気なのか?」
「ああ。お前も解るかもしれないが・・私は強いぞ。」
剣を扱う者は相手の力量をよむ・・だから簡単に倒せるとは思っていないはず。
「本当に貴族の娘か?」
「間違いなくそうだが・・まあ普通じゃないかもな。」
「では姫様に会ってもらう。」
「いいだろう。」
倒れている部下の服と自分の服を変えて朱美は黒い装束を纏い組み立てた双刀を持ち姫様・・王妃の部屋へ向かった。
身代わりに倒れていた刺客が女だったから自分の服を着せておいた。
王妃の間の裏口から入ると物憂げに椅子に座る王妃がいた。
「蘭・・どこにいたの?」
「姫様・・すいません。失敗しました。」
「失敗ってまさか?」
王妃が刺客を送り出したのではなく蘭とよばれるこの者が勝手に動いたことのようだった。
「この国で巫女は王妃より上位の者なのよ?何を考えているのですか!」
「いや・・王妃。巫女は私だが・・お願いがあってきた。」
そう朱美が言うと王妃は目を見開いて驚いた顔をしている。
「貴女が・・まるで。」
「ああ、普段の私はこのような感じだ。晩餐の折の恰好など好き好んでしないぞ。」
「話し方も・・。」
「男ばかりの将軍府で育ったからな女らしくは出来ん苦痛だ。そこで頼みがある貴女の夫の愛人になどなりたくはないしこの敷地を出たい。方法は無いか?」
「しかし巫女はこの国には必要な存在だと聞いています。」
「ああ、確かにな。神も何か間違えたのかもしれんよ?」
「本気ですか?」
「ああ。こんなところごめんこうむる。」
朱美は本気だった・・その本気を読み取った王妃は唯一の方法だと早朝の買い出しの荷車に乗る事を進めてくれた。
「朝早くに荷車で買い出しに出るはずなのです。その荷台には、品物を覆う布があります
王家がどんなものを買っているかを解らなくする為です。以前は、依頼したものを業者が運びこんでいたのですが、刺客が紛れた事からこちらから出向く事になりました。」
安直な方法だとも思うがもう時間も無いと言う事から朱美と涼音は、荷車のある裏手に蘭と一緒に行く事になった。
「先ほどは失礼しました。もし巫女がその双刀を使っていれば私は殺されていたかもしれませんね。」
「かもしれんな・・では達者でな。」
荷車の役人が来る前に荷車の布にくるまり息を潜めてその荷車がでるまでジッとしていたが、日が昇る少しまえに荷車が動き出し無事に朱美は宮殿を出る事に成功した。
早朝朱美を起こしに来た神殿の侍女達は大騒ぎになり神官長も慌てて朱美の寝所に向かった。
「やられましたね・・。」
まるでこうなる事を予想していたかのように神官長は荒れた部屋を見ながら
どう王に報告するか頭を悩ますのだった。
王が自分を愛人にすると広言したような状況は我慢がならない。
「傲慢な王だな・・。」
それに王妃の顔がチラついた・・傷ついたような表情から王妃は、王を愛しているのだろう。
異国から嫁ぎ王宮で過ごす事を強要されたのだろうな・・と自分の今と重ねた朱美は、この豪華な巫女殿は意外と脱出しにくい作りだと観察をしていた。
ここに来る前に自分の父である将軍から・・
「理不尽だと思う事があれば逃げ出していい。」
と言われていたのだった。
武器は隠し持ってでた小刀一つ・・では無い。
ここに来る前に蒼虎が持たせてくれた分解された双刀はすでに組み立てて隠してある。
細い月が空に浮かんでいるから明日は闇夜に近いが問題は服のすべてが白だという事だった、闇の中で白は目立つ。
「んっ・・・。」
人の動く気配に敏感な朱美はベッドの下から小刀を取り出すとチュニックになっている服の帯に差し込み気配をよむ。
「1.2.3 三人か・・。」
同じように気配に気がついた侍女とは名ばかりの涼音は簪になっている武器を逆手に持っている。
「お嬢様・・まさか刺客ですかね。」
「だろうね・・。」
この国の者が巫女を殺そうとするはずかない・・本来神殿と王族は、同等な力を持っていたのはその信仰心からだった。
今の時代は、信仰心が薄れてきたとは言えかなりの国民は神を信じて神殿に従う。
もし巫女を殺害したと言う事になれば国民は、王族を許さないかもしれないし各地でくすぶっているという不満が爆発する可能性もある。
あの傲慢そうな王でもそれは解っているはずだ!
「くる・・」
素早い動きで影が動き朱美がすでに就寝しているはずの寝台に刀を突きさした。
その背後を撮った朱美は当身を食らわせて敵の意識を奪うとすぐに無言で襲ってくる者と対峙する。
側で剣を交えているのは涼音だろう・・彼女もそこそこ普通の女性よりは強い。
朱美は自分の目の前の敵に集中する・・
「何者だ?」
「なぜ・・巫女が剣など持っているんだ?」
「私は将軍府の出だぞ・・予想出来なかったか?」
将軍府は高位の貴族といえばそうだからそこの娘は淑やかなお嬢様だとでも思っていなのかもしれない。
「姫様が泣いていらした・・お前が死ねば姫様の憂いはなくなる。」
「西の者か・・なら一つ取引しないか?」
殺すべき相手が取引を持ち出してくるとは思わなかったのか動きをとめるこいつはプロではない・・そう朱美は思った。
プロならば朱美の言葉など聞かずに任務を遂行するのみだからだ。
「私はここから出たい。入ってきたのなら出れるはずだ!」
「本気なのか?」
「ああ。お前も解るかもしれないが・・私は強いぞ。」
剣を扱う者は相手の力量をよむ・・だから簡単に倒せるとは思っていないはず。
「本当に貴族の娘か?」
「間違いなくそうだが・・まあ普通じゃないかもな。」
「では姫様に会ってもらう。」
「いいだろう。」
倒れている部下の服と自分の服を変えて朱美は黒い装束を纏い組み立てた双刀を持ち姫様・・王妃の部屋へ向かった。
身代わりに倒れていた刺客が女だったから自分の服を着せておいた。
王妃の間の裏口から入ると物憂げに椅子に座る王妃がいた。
「蘭・・どこにいたの?」
「姫様・・すいません。失敗しました。」
「失敗ってまさか?」
王妃が刺客を送り出したのではなく蘭とよばれるこの者が勝手に動いたことのようだった。
「この国で巫女は王妃より上位の者なのよ?何を考えているのですか!」
「いや・・王妃。巫女は私だが・・お願いがあってきた。」
そう朱美が言うと王妃は目を見開いて驚いた顔をしている。
「貴女が・・まるで。」
「ああ、普段の私はこのような感じだ。晩餐の折の恰好など好き好んでしないぞ。」
「話し方も・・。」
「男ばかりの将軍府で育ったからな女らしくは出来ん苦痛だ。そこで頼みがある貴女の夫の愛人になどなりたくはないしこの敷地を出たい。方法は無いか?」
「しかし巫女はこの国には必要な存在だと聞いています。」
「ああ、確かにな。神も何か間違えたのかもしれんよ?」
「本気ですか?」
「ああ。こんなところごめんこうむる。」
朱美は本気だった・・その本気を読み取った王妃は唯一の方法だと早朝の買い出しの荷車に乗る事を進めてくれた。
「朝早くに荷車で買い出しに出るはずなのです。その荷台には、品物を覆う布があります
王家がどんなものを買っているかを解らなくする為です。以前は、依頼したものを業者が運びこんでいたのですが、刺客が紛れた事からこちらから出向く事になりました。」
安直な方法だとも思うがもう時間も無いと言う事から朱美と涼音は、荷車のある裏手に蘭と一緒に行く事になった。
「先ほどは失礼しました。もし巫女がその双刀を使っていれば私は殺されていたかもしれませんね。」
「かもしれんな・・では達者でな。」
荷車の役人が来る前に荷車の布にくるまり息を潜めてその荷車がでるまでジッとしていたが、日が昇る少しまえに荷車が動き出し無事に朱美は宮殿を出る事に成功した。
早朝朱美を起こしに来た神殿の侍女達は大騒ぎになり神官長も慌てて朱美の寝所に向かった。
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