銀鷲と銀の腕章

河原巽

文字の大きさ
5 / 48

5.初めて選んだ道

しおりを挟む
 着の身着のままで木戸を叩いたカレンに何かを察してくれたのか、出迎えてくれた女性に付き添われ、修道院長の元へ向かうことになった。
 道すがら、女性はソフィアと名乗った。

「私は修道女ではないから力になれなくてごめんなさいね。近くに住んでいてたまにお手伝いに来ているのよ」
「お手伝い、ですか」
「えぇ。今日は畑のお世話をしてね、こんな芋を掘り上げたところよ」

 両手で輪を作って快活に笑う彼女の笑顔に、いくらか心が落ち着きを取り戻す。
 見ず知らずの誰かと話すことなど今までの人生にはあり得なかったことなのに、母や使用人に囲まれていたときよりもずっと息がしやすかった。
 壁も床も質素な廊下を歩いた先、年季の入った扉をソフィアがノックするとややあってからいらえがくる。連れ立って入る小さな部屋で待ち受けていたのは目元の皺にすら慈悲深さを湛えた老齢の修道女だった。

「どうしました? ソフィア」
「こちらの女性が救いの手を求めていらっしゃるようです」

 そっと背中を押されたので一歩進み出る。
 これまで披露する機会のなかった淑女の礼を以て挨拶をした。

「突然の訪問、どうかお許し下さいませ。カレン・イノールと申します」
「構いませんよ。私はこのモベノ修道院の院長を務めるリースと申します。一体どうされましたか」

 ゆったりとした響きの語り口が心地良い。
 打ち明け話をすること、ましてや助けを求めることはカレンにとって経験のないことで緊張しないと言えば嘘になる。しかしあの屋敷にも領地にも戻れる気はしない。だから勇気を振り絞った。

「私はイノール子爵家の娘として生まれました。ですが両親は共に金の髪を持ち、私は……ご覧のような黒髪です」

 視界の両端に乱れた黒髪が映り込む。物心がついた頃から変わらない色。

「父は私を正式な後継と認めるつもりはないようでした。母の従兄弟が黒髪で、その方と母が親しくしていたこともあって、母の不実を疑っていたそうです。私自身も……父には姿を見せるな、と言われて育ちました」

 静かに頷いてみせるリースの表情があまりにも優しくて、喉の奥がきゅっと締まる思いがした。何をどう伝えれば良いのか思案しながらも、戦慄わななきそうな唇を動かす。

「母にも私の黒髪が原因だと責められることが幾度となくありました。ですが私には何もわからなくて……」
「えぇ、そうでしょう。あなたご自身が選んだわけではないのですものね」

 カレンの心に寄り添うその言葉が、更に背中を後押ししてくれるようだった。

「突然父に呼び出され、私は本日初めて王都に参りました。そしてお客様とお会いしました。私の知らないところで私はその方の後妻に入ることが決まっていたようです」

 あの男の、人を蔑む下卑た眼差しを思い出してぶるりと身を震わせる。

「ですが、縁談はその場で破談となってしまいました。私を、私のこの黒髪を見て、その方も母の不実をお疑いになられたのです」
「それでお父様はお怒りになられた?」
「はい。私がその方に嫁ぐだけでなく、その方のご子息を養子に迎える話も出ていたようで、それも破談に……」

 少なくとも母の血を継いでいることは確かなカレンよりも完全なる赤の他人をイノール家の跡取りに据えようとした父。
 それすらも阻まれたと憤った彼はカレンの存在を消そうとした。

「イノール家の娘は病で帰らぬ人となった、と父は言いました。それを聞いて私は……殺されてしまうかもしれない、と……そう、思って……」

 つんと鼻の奥が痛む。
 無我夢中で屋敷を飛び出したカレンの胸中は身を守ることだけを考えていた。
 しかし冷静さを取り戻しつつある今、身に降りかかった出来事を振り返ると途方もない悲しみが押し寄せてくる。

 縁談も結べない、恥しか生まない存在に価値はないのだと。
 もはや存在することすら許されないのだと、そう宣告されたも同然だった。
 では、自分自身は何のために生まれて、何のために生きてきたのだろうか。

 闇雲に駆けて修道院に辿り着いたことを説明すると、院長は深い理解を示してくれた。

「事情を抱えた方がこちらにいらっしゃることは少なくありません。どうか心と身体を休めて差し上げなさい」
「はい……ありがとうございます」
「カレンさん。あなたは実のお父様が誰なのか、気になりますか?」

 とても静かな問い掛けなのに心を鷲掴みにされたような錯覚に陥る。
 何故ならそれはカレンが最も考えようとしなかったことだったから。

 古い記憶を辿れば真っ先に思い浮かぶのは母の恨み言。とにかく髪の色とカレンの存在を責められた。
 父とされる人に至っては思い出と呼べるほどの記憶がない。
 子爵が実父であれば血の繋がる親子であるにも関わらず酷い仕打ちを受けているのだし、母の従兄弟あるいは見も知らぬ誰かが父親なのだとすれば母の裏切りの結晶である己の存在が恥ずかしい。

 どちらにせよ導き出される答えを受け入れるのが怖くて、ずっと目を背けてきた事柄だった。
 力なく首を振ることで院長への返事とする。

「そう。きっとあなたはご自身を否定してこられたのでしょう。ですが、それは間違いですよ」

 何もかもを見通したかのような、しかし静謐な口ぶりでリース院長は続ける。

「両親と似つかない髪や瞳を持って子が生まれてくることは稀にあることです。お祖父様やお祖母様よりも遡った先に黒髪を持ったご先祖がいらっしゃったのかもしれません。王族方でそのような話し合いが行われた歴史もあるそうですから十分に考え得ることです」

 父方の祖父母に会ったことはない。会わせてもらったことはない、と言った方が正しいか。
 母方の祖父母が領地の住まいに訪れたことは数度あった。がっかりとした目つきでカレンを見下ろしていた彼らの髪色も母に近い色味だったと記憶している。父の怒りようからすると彼の両親もおそらく黒髪に程遠い色合いだったに違いない。

「真実を探るのはご両親の役目です。努力を放棄した末の責めをあなたが引き受ける必要はありません」
「そう、でしょうか」

 言葉の代わりに首肯するリースの瞳は慈しみに満ちていた。

「あなたはこれからどうされますか?」
「どう、とは……」
「生きたいと思ったから逃げてきたのでしょう? これからの道を決めるのはあなた自身ですよ」

(生きたい……?)

 その一言に目が覚める思いだった。
 父の仕打ちに飛び出してきた屋敷。そこには死の恐怖があったからだ。
 死を逃れようと抗ったのは、生きる意思を他でもないカレンが持っていたから。
 カレンが生まれて初めて自らの道を選択した日だった。


 院長の手引きによりイノール家からの離籍を請う届けが国に提出された。
 そんなことが出来るのかと驚くカレンに、リース院長と共に話を聞いてくれたソフィアが教えてくれた。
 かつてモベノ修道院の側近くで事故を起こして立ち往生していた馬車を当時の修道女たちが救出したこと、馬車に乗車していたのが後の王妃となる貴族令嬢だったこと、修道女らの働きにいたく感動した令嬢がそれからの修道院に目をかけ、王妃となってからも支援を続けてくれたこと。
 もう百年以上も前の出来事であるにも関わらず、今もこの辺りでは苦境で悩める女性に救いを差し伸べる権威ある修道院として有名だという。図らずも辿り着いたカレンだったが、多分に漏れず人生の泥濘ぬかるみから掬い上げられることになった。


◇◇◆◇◇


 一市民として生きることになったカレンの修道院での生活が始まった。
 決められた時間に起床し、修道女や身を寄せている女性たちと食事を共にした。その際の炊事や後片付け、掃除も自らの手で行う。不慣れなカレンにも皆が親切に教えてくれた。
 日中は手伝いに勤しんだ。ソフィアが話していたように畑仕事をする日もあれば、繕い物に精を出す日もあった。令嬢の嗜みとして覚えた刺繍の腕が役に立ったことがカレンには嬉しかった。
 手伝いに来た近隣の子どもたちに字を教え、反対に子どもたちから市井の暮らしを教わる日もあった。


「私の母もね、この修道院にお世話になっていたの」
「ソフィアさんのお母様も?」
「堅苦しい言葉遣いはなしにしましょ? そう、それでね、母は病で亡くなってしまったけれど、少しでも恩返しが出来ればと思ってお手伝いに来てるのよ」

 麗らかな陽射しの下、肩を並べて雑草を摘む。そんな折にソフィアが打ち明けてくれた。
 修道院から程近い一軒家に住むという彼女は頻繁に顔を覗かせていた。あの日カレンを招き入れた本人という自負もあってだろうか、細やかな気配りを見せてくれる。歳がひとつしか違わないこともあり、カレンにとって気負わず接することが出来る女性だった。

「他のご家族は……?」
「一人暮らしよ。だからついつい来たくなっちゃうのよね、ここに」

 肩をすくめて笑う彼女は、寂しさの欠片すら感じさせない。

「……一人で生きていくにはどうすれば良いのでしょうか」

 今は修道院の世話になっているが、いつまでもこのままでいられないことはわかっている。イノール家からの離籍が国に認められた今、生きる術は自ら切り拓いていかなければならない。

「働き口を見つけることが先決ね。今は働く女性も増えているそうだから、きっとカレンに合った仕事も見つかるはずよ」
「私に務まるか心配です」
「誰でも最初は初心者よ。ここでの生活にも慣れてきているでしょう? カレンは教わり方を知っているから大丈夫よ」

 市井の女性からすればカレンは世間知らずの令嬢だろうに、そっと背中を押してくれる。それがとても心強かった。

「それに一人じゃないから」
「え?」
「リース院長も私もいるじゃない。一人なんかじゃないわ」

 屈託なく言い切るソフィアと親しくなるのに時間は必要なかった。



 そうして修道院で日々を過ごして三ヶ月が過ぎた頃。
 いつも以上に爛々と煌めいた瞳に興奮の色を乗せてソフィアが修道院に現れた。

「聞いて、カレン! 仕事が見つかったのよ!」
「まぁ。それは素晴らしいことね」
「それも王城での仕事なのよ。食堂で働かせてもらえるの」
「大事なお役目なのね。でもソフィアならきっと上手くいくわ」
「何を言ってるの。あなたも一緒に行くのよ、カレン!」
「えっ?」

 固まるカレンに差し出されたのは縁取りの装飾が緻密に描かれた採用通知書。
 ソフィア・ルベンの名の下に間違いなくカレンの名が記されていた。

 採用された理由もわからぬままに、カレンは王城で勤めることになった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】奇跡のおくすり~追放された薬師、実は王家の隠し子でした~

いっぺいちゃん
ファンタジー
薬草と静かな生活をこよなく愛する少女、レイナ=リーフィア。 地味で目立たぬ薬師だった彼女は、ある日貴族の陰謀で“冤罪”を着せられ、王都の冒険者ギルドを追放されてしまう。 「――もう、草とだけ暮らせればいい」 絶望の果てにたどり着いた辺境の村で、レイナはひっそりと薬を作り始める。だが、彼女の薬はどんな難病さえ癒す“奇跡の薬”だった。 やがて重病の王子を治したことで、彼女の正体が王家の“隠し子”だと判明し、王都からの使者が訪れる―― 「あなたの薬に、国を救ってほしい」 導かれるように再び王都へと向かうレイナ。 医療改革を志し、“薬師局”を創設して仲間たちと共に奔走する日々が始まる。 薬草にしか心を開けなかった少女が、やがて王国の未来を変える―― これは、一人の“草オタク”薬師が紡ぐ、やさしくてまっすぐな奇跡の物語。 ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

あなたの重すぎる愛は私が受け止めます

Karamimi
恋愛
公爵令嬢のクリスティーヌは、ある日自分が、前世で大好きだった漫画のヒロインに転生している事に気が付く。 だが、彼女が転生したヒロインは、前世で大好きだった悪役令息、アルフレッドを死に追いやった大嫌いなキャラクターだったのだ。自分の顔を見るだけで、殺意が湧くほど憎らしい。 でも… “私は前世で大好きだったアルフレッド様が心から愛した相手。という事は、これからは私が愛するアルフレッド様を全力で愛し抜けばいいのでは? そうよ、私がアルフレッド様を幸せにすればいいのよ! 私を悪役ヒロイン、クリスティーヌに転生させてくれてありがとう!私、絶対にアルフレッド様を幸せにして見せるわ!“ そう心に誓ったクリスティーヌだったが、現実はそう甘くはなくて… 前世の記憶を取り戻したクリスティーヌが、アルフレッドからの重い愛を全力で受け入れつつ、彼を守るため奮闘するお話しです。 ご都合主義全開ですが、どうぞよろしくお願いいたしますm(__)m 他サイトでも同時連載しています。

【完結】魔力がないと見下されていた私は仮面で素顔を隠した伯爵と結婚することになりました〜さらに魔力石まで作り出せなんて、冗談じゃない〜

光城 朱純
ファンタジー
魔力が強いはずの見た目に生まれた王女リーゼロッテ。 それにも拘わらず、魔力の片鱗すらみえないリーゼロッテは家族中から疎まれ、ある日辺境伯との結婚を決められる。 自分のあざを隠す為に仮面をつけて生活する辺境伯は、龍を操ることができると噂の伯爵。 隣に魔獣の出る森を持ち、雪深い辺境地での冷たい辺境伯との新婚生活は、身も心も凍えそう。 それでも国の端でひっそり生きていくから、もう放っておいて下さい。 私のことは私で何とかします。 ですから、国のことは国王が何とかすればいいのです。 魔力が使えない私に、魔力石を作り出せだなんて、そんなの無茶です。 もし作り出すことができたとしても、やすやすと渡したりしませんよ? これまで虐げられた分、ちゃんと返して下さいね。 表紙はPhoto AC様よりお借りしております。

王女殿下のモラトリアム

あとさん♪
恋愛
「君は彼の気持ちを弄んで、どういうつもりなんだ?!この悪女が!」 突然、怒鳴られたの。 見知らぬ男子生徒から。 それが余りにも突然で反応できなかったの。 この方、まさかと思うけど、わたくしに言ってるの? わたくし、アンネローゼ・フォン・ローリンゲン。花も恥じらう16歳。この国の王女よ。 先日、学園内で突然無礼者に絡まれたの。 お義姉様が仰るに、学園には色んな人が来るから、何が起こるか分からないんですって! 婚約者も居ない、この先どうなるのか未定の王女などつまらないと思っていたけれど、それ以来、俄然楽しみが増したわ♪ お義姉様が仰るにはピンクブロンドのライバルが現れるそうなのだけど。 え? 違うの? ライバルって縦ロールなの? 世間というものは、なかなか複雑で一筋縄ではいかない物なのですね。 わたくしの婚約者も学園で捕まえる事が出来るかしら? この話は、自分は平凡な人間だと思っている王女が、自分のしたい事や好きな人を見つける迄のお話。 ※設定はゆるんゆるん ※ざまぁは無いけど、水戸○門的なモノはある。 ※明るいラブコメが書きたくて。 ※シャティエル王国シリーズ3作目! ※過去拙作『相互理解は難しい(略)』の12年後、 『王宮勤めにも色々ありまして』の10年後の話になります。 上記未読でも話は分かるとは思いますが、お読みいただくともっと面白いかも。 ※ちょいちょい修正が入ると思います。誤字撲滅! ※小説家になろうにも投稿しました。

病めるときも健やかなるときも、お前だけは絶対許さないからなマジで

あだち
恋愛
ペルラ伯爵家の跡取り娘・フェリータの婚約者が、王女様に横取りされた。どうやら、伯爵家の天敵たるカヴァリエリ家の当主にして王女の側近・ロレンツィオが、裏で糸を引いたという。 怒り狂うフェリータは、大事な婚約者を取り返したい一心で、祝祭の日に捨て身の行動に出た。 ……それが結果的に、にっくきロレンツィオ本人と結婚することに結びつくとも知らず。 *** 『……いやホントに許せん。今更言えるか、実は前から好きだったなんて』  

【完結】私、四女なんですけど…?〜四女ってもう少しお気楽だと思ったのに〜

まりぃべる
恋愛
ルジェナ=カフリークは、上に三人の姉と、弟がいる十六歳の女の子。 ルジェナが小さな頃は、三人の姉に囲まれて好きな事を好きな時に好きなだけ学んでいた。 父ヘルベルト伯爵も母アレンカ伯爵夫人も、そんな好奇心旺盛なルジェナに甘く好きな事を好きなようにさせ、良く言えば自主性を尊重させていた。 それが、成長し、上の姉達が思わぬ結婚などで家から出て行くと、ルジェナはだんだんとこの家の行く末が心配となってくる。 両親は、貴族ではあるが貴族らしくなく領地で育てているブドウの事しか考えていないように見える為、ルジェナはこのカフリーク家の未来をどうにかしなければ、と思い立ち年頃の男女の交流会に出席する事を決める。 そして、そこで皆のルジェナを想う気持ちも相まって、無事に幸せを見つける。 そんなお話。 ☆まりぃべるの世界観です。現実とは似ていても違う世界です。 ☆現実世界と似たような名前、土地などありますが現実世界とは関係ありません。 ☆現実世界でも使うような単語や言葉を使っていますが、現実世界とは違う場合もあります。 楽しんでいただけると幸いです。

【完】隣国に売られるように渡った王女

まるねこ
恋愛
幼いころから王妃の命令で勉強ばかりしていたリヴィア。乳母に支えられながら成長し、ある日、父である国王陛下から呼び出しがあった。 「リヴィア、お前は長年王女として過ごしているが未だ婚約者がいなかったな。良い嫁ぎ先を選んでおいた」と。 リヴィアの不遇はいつまで続くのか。 Copyright©︎2024-まるねこ

追放聖女35歳、拾われ王妃になりました

真曽木トウル
恋愛
王女ルイーズは、両親と王太子だった兄を亡くした20歳から15年間、祖国を“聖女”として統治した。 自分は結婚も即位もすることなく、愛する兄の娘が女王として即位するまで国を守るために……。 ところが兄の娘メアリーと宰相たちの裏切りに遭い、自分が追放されることになってしまう。 とりあえず亡き母の母国に身を寄せようと考えたルイーズだったが、なぜか大学の学友だった他国の王ウィルフレッドが「うちに来い」と迎えに来る。 彼はルイーズが15年前に求婚を断った相手。 聖職者が必要なのかと思いきや、なぜかもう一回求婚されて?? 大人なようで素直じゃない2人の両片想い婚。 ●他作品とは特に世界観のつながりはありません。 ●『小説家になろう』に先行して掲載しております。

処理中です...