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第155話 絶天竜
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「じゃあ王都に行くっす!お願いっす!」
風呂から上がってスッキリした僕達は王都の図書館を目指す。
みんな上手くやってるかな。
「この地下室ってどのくらいのスピードなんすか?」
「うーん、何回か速度あげてるからかなり早いとは思うんだけど…。どのくらいと言われると難しいな」
「じゃああとどのくらいで王都に着くんすか?」
「ん?もう着いたよ。今図書館の下」
「本当にショウさんが悪者じゃ無くて良かったっすね…。こんな速度で移動されて大砲撃たれたら国なんか簡単に滅ぶっすよ」
国が滅んだら誰と遊べば良いのさ…。
「まず受付でカード作るんだよ。そしたら借りて帰れるし期限が来たら勝手に返却されるんだ」
「へぇー、すごいっすね!返却が自動なのは素直に嬉しいっす!」
「あそこが受付だよ、カグラっていうバイトの子がいるところ」
「おお!図書館の受付って感じの清楚な方っすね!早速カード作るっす!」
カグラは読書中か。図書館も前ほど混んではいないけどなかなか人気のようだ。
「カグラ、変わった事はない?」
「アンッ!ショウさん!?来てたんですか!?」
あん?なんか随分と艶がある声だったけど…。
「あの…カード作りたいっす…お願いするっす」
どうしたのノアちゃん?なんか急に静かになって。
「カードですね、じゃあこの水晶に触って下さい」
「なんかギルドカードの水晶と似てるっすね…」
「まあ同じようなもんだからね。まあカード出来たなら図書館の中見てみるといいよ。ちなみに二階が大人用の本ね」
「大人用っすか?まあ見てみるっす…ショウさんはどこいくんすか?」
「僕はガルドーンのところに顔出してくるよ。話が終わったら合流しようか」
「了解っす…あの…ショウさん?」
受付から少し離れたところでノアちゃんが小声で話しかけてくる。どうしたの?
「あの受付の…カグラさんでしたっけ?どんな人なんすか?」
「真面目で良い子だよ。あぁ、受付で本読んで良いって僕が言ったんだよ。別にあれはサボってる訳じゃないからね」
「いやサボってるというか…熱心すぎるというか…まあショウさんが良いなら良いっす!気にせず楽しむっす!」
ノアちゃんは楽しそうに二階に上がって行った。まあ二階からだよね大人は。
しかしまだ子供が入れるくらい整備はされてないかぁ…。
まあそのうち子供も安心して来られるようになるよね。
そして図書館内を見渡していると明らかに異様な雰囲気の女性を見つけた。
なんか目に布?を巻きつけているけど…あれじゃ本読めなくない?格好は修道女?まあシスターってヤツ?
(読めますよ、ご安心下さい)
なんだ!?声が直接脳内にってヤツか!何これ新感覚!!
(驚かせてしまいましたね。申し訳ございません。少しお話しませんか?転生者様)
転生者って分かるの?なんかこの感じ…もしかして七聖竜とか?
(はい、仰る通りです。私は絶天竜エル・ドラグマと申します)
雑に出てきたなぁ!もっとなんかこう、派手に登場するもんかと思ってたよ!
(派手に…ですか?畏まりました)
急に図書館内が光に包まれ、八枚の天使の羽を付け、これでもかと言うほどの長いドレスに身を包んだ女性が空中の現れた。
「こんにちは♪エル・ドラグマだぞ♪宜しくなのだぞ♪」
手を顔の横でピースしながらぺろっと舌を出しウインクする絶天竜…派手は派手だけどなんだそのセリフ…。
しかも図書館の人驚いてるよ!何してるの!
「申し訳なのだぞ♪時間を戻すのだぞ♪」
気がつくと図書館は元の静寂を取り戻し、エルは元の位置に座っていた。
(如何でしたか?私が思う派手な演出は)
もう普通に喋らない?色々と言いたいこともあるんだけど…。とりあえず地下室で話さない?
(畏まりました)
ん?どこ行った?
(地下室にお邪魔しております)
僕が地下室に降りるとエルは既に入り口付近に立っていた。勝手に入れるの?
「私はどこにでも転移できますので…お母様から数多くのスキルを賜っております」
お母様ね……うん…。
「それでなんで急に図書館?ガル爺の本を読みに来ただけ?」
「そうでございます、あのような本は読むのが初めてですのでとても興味があります」
「それは良いんだけど…その目の布邪魔じゃないの?」
「千里眼で読んでおります」
あの至近距離で!?
「便利なんだか不便なんだか分からないね…それであのなのだぞ♪って何?」
「えっと…それはあれでございます。希望?」
急に曖昧な感じになったな…。ああなりたいって事?
「その布外すとどうなるの?」
「色々ございます。魅了に精神汚染、破壊に消滅に再生…その他にも…」
「ちょっと待って何それ、不便とかいうレベルじゃなくない?」
「しかしお母様から授かった大事なスキルですので…」
「本音を言うと?」
「正直意味不明でございます…私が未熟なばかりに…」
……。
「おーいサキエル!出てきなさい」
「はーい!なんですか?私に触りたくなりましたか?って、エルじゃないですか!ずっと寝てたハズじゃ?」
「お、お母様!お久しぶりでございます!お変わりないでしょうか?」
「あなたのお母様は元気いっぱいですよ!素直なのはあなたくらいなもんです!みんな反抗期なんですよ!」
多分一生反抗期だよ…。お前がお前のうちは…。
「なぁこの目不便だって、なんとかできないの?」
「い、いや…別にそんな事は…ただ少しだけ私には過剰かなと思っているだけで…」
「えー、かっこいいじゃないですか、なんでもできる目」
なんでも出来すぎて自己矛盾起こしてるだろ、なんだよ破壊に消滅に再生って、結局どうなんの?
「でもスキルの剥奪って出来ないんですよね、まあ有効化と無効化できるようにしておきますよ。ショウさんのポイントで」
「ちょっと待て、僕のポイントは最近使いまくってそんなに無いぞ?もう1000ポイントも残ってないはずだ」
「まあギリギリ足りましたよ?じゃあ私はお酒貰って帰りますね」
「あ、うん…もう良いよ…。正直そのくらいの覚悟が無いともうお前呼べないし」
サキエルは酒を抱えて帰っていった…。
「お母様、ありがとうございました」
お母様の今の姿みた?泥棒だぜあんなの。
「まああんなのでも母親ですから…」
遂に本音が…良いぞ!その調子。
「それではスキルを全て無効化しました。いきます」
エルは目の布を解き、綺麗なグリーンの瞳で僕を見つめる。
「これは…新鮮でございますね!破壊も再生もしないとは!」
だからそれ結局どうなるの?
そして何か話したい事あったんじゃない?
風呂から上がってスッキリした僕達は王都の図書館を目指す。
みんな上手くやってるかな。
「この地下室ってどのくらいのスピードなんすか?」
「うーん、何回か速度あげてるからかなり早いとは思うんだけど…。どのくらいと言われると難しいな」
「じゃああとどのくらいで王都に着くんすか?」
「ん?もう着いたよ。今図書館の下」
「本当にショウさんが悪者じゃ無くて良かったっすね…。こんな速度で移動されて大砲撃たれたら国なんか簡単に滅ぶっすよ」
国が滅んだら誰と遊べば良いのさ…。
「まず受付でカード作るんだよ。そしたら借りて帰れるし期限が来たら勝手に返却されるんだ」
「へぇー、すごいっすね!返却が自動なのは素直に嬉しいっす!」
「あそこが受付だよ、カグラっていうバイトの子がいるところ」
「おお!図書館の受付って感じの清楚な方っすね!早速カード作るっす!」
カグラは読書中か。図書館も前ほど混んではいないけどなかなか人気のようだ。
「カグラ、変わった事はない?」
「アンッ!ショウさん!?来てたんですか!?」
あん?なんか随分と艶がある声だったけど…。
「あの…カード作りたいっす…お願いするっす」
どうしたのノアちゃん?なんか急に静かになって。
「カードですね、じゃあこの水晶に触って下さい」
「なんかギルドカードの水晶と似てるっすね…」
「まあ同じようなもんだからね。まあカード出来たなら図書館の中見てみるといいよ。ちなみに二階が大人用の本ね」
「大人用っすか?まあ見てみるっす…ショウさんはどこいくんすか?」
「僕はガルドーンのところに顔出してくるよ。話が終わったら合流しようか」
「了解っす…あの…ショウさん?」
受付から少し離れたところでノアちゃんが小声で話しかけてくる。どうしたの?
「あの受付の…カグラさんでしたっけ?どんな人なんすか?」
「真面目で良い子だよ。あぁ、受付で本読んで良いって僕が言ったんだよ。別にあれはサボってる訳じゃないからね」
「いやサボってるというか…熱心すぎるというか…まあショウさんが良いなら良いっす!気にせず楽しむっす!」
ノアちゃんは楽しそうに二階に上がって行った。まあ二階からだよね大人は。
しかしまだ子供が入れるくらい整備はされてないかぁ…。
まあそのうち子供も安心して来られるようになるよね。
そして図書館内を見渡していると明らかに異様な雰囲気の女性を見つけた。
なんか目に布?を巻きつけているけど…あれじゃ本読めなくない?格好は修道女?まあシスターってヤツ?
(読めますよ、ご安心下さい)
なんだ!?声が直接脳内にってヤツか!何これ新感覚!!
(驚かせてしまいましたね。申し訳ございません。少しお話しませんか?転生者様)
転生者って分かるの?なんかこの感じ…もしかして七聖竜とか?
(はい、仰る通りです。私は絶天竜エル・ドラグマと申します)
雑に出てきたなぁ!もっとなんかこう、派手に登場するもんかと思ってたよ!
(派手に…ですか?畏まりました)
急に図書館内が光に包まれ、八枚の天使の羽を付け、これでもかと言うほどの長いドレスに身を包んだ女性が空中の現れた。
「こんにちは♪エル・ドラグマだぞ♪宜しくなのだぞ♪」
手を顔の横でピースしながらぺろっと舌を出しウインクする絶天竜…派手は派手だけどなんだそのセリフ…。
しかも図書館の人驚いてるよ!何してるの!
「申し訳なのだぞ♪時間を戻すのだぞ♪」
気がつくと図書館は元の静寂を取り戻し、エルは元の位置に座っていた。
(如何でしたか?私が思う派手な演出は)
もう普通に喋らない?色々と言いたいこともあるんだけど…。とりあえず地下室で話さない?
(畏まりました)
ん?どこ行った?
(地下室にお邪魔しております)
僕が地下室に降りるとエルは既に入り口付近に立っていた。勝手に入れるの?
「私はどこにでも転移できますので…お母様から数多くのスキルを賜っております」
お母様ね……うん…。
「それでなんで急に図書館?ガル爺の本を読みに来ただけ?」
「そうでございます、あのような本は読むのが初めてですのでとても興味があります」
「それは良いんだけど…その目の布邪魔じゃないの?」
「千里眼で読んでおります」
あの至近距離で!?
「便利なんだか不便なんだか分からないね…それであのなのだぞ♪って何?」
「えっと…それはあれでございます。希望?」
急に曖昧な感じになったな…。ああなりたいって事?
「その布外すとどうなるの?」
「色々ございます。魅了に精神汚染、破壊に消滅に再生…その他にも…」
「ちょっと待って何それ、不便とかいうレベルじゃなくない?」
「しかしお母様から授かった大事なスキルですので…」
「本音を言うと?」
「正直意味不明でございます…私が未熟なばかりに…」
……。
「おーいサキエル!出てきなさい」
「はーい!なんですか?私に触りたくなりましたか?って、エルじゃないですか!ずっと寝てたハズじゃ?」
「お、お母様!お久しぶりでございます!お変わりないでしょうか?」
「あなたのお母様は元気いっぱいですよ!素直なのはあなたくらいなもんです!みんな反抗期なんですよ!」
多分一生反抗期だよ…。お前がお前のうちは…。
「なぁこの目不便だって、なんとかできないの?」
「い、いや…別にそんな事は…ただ少しだけ私には過剰かなと思っているだけで…」
「えー、かっこいいじゃないですか、なんでもできる目」
なんでも出来すぎて自己矛盾起こしてるだろ、なんだよ破壊に消滅に再生って、結局どうなんの?
「でもスキルの剥奪って出来ないんですよね、まあ有効化と無効化できるようにしておきますよ。ショウさんのポイントで」
「ちょっと待て、僕のポイントは最近使いまくってそんなに無いぞ?もう1000ポイントも残ってないはずだ」
「まあギリギリ足りましたよ?じゃあ私はお酒貰って帰りますね」
「あ、うん…もう良いよ…。正直そのくらいの覚悟が無いともうお前呼べないし」
サキエルは酒を抱えて帰っていった…。
「お母様、ありがとうございました」
お母様の今の姿みた?泥棒だぜあんなの。
「まああんなのでも母親ですから…」
遂に本音が…良いぞ!その調子。
「それではスキルを全て無効化しました。いきます」
エルは目の布を解き、綺麗なグリーンの瞳で僕を見つめる。
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