Jimmelle & Rayman I

あにらむあみにむ

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28.Daily Works

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 ホームに戻ってから、しばらく。自分にとっては十分な――皆から言わせると短い――休暇を終えて、日常の制作作業に戻っている。ホールの隅のテーブルで、デザイン画――休暇中に描いた――を制作スタッフのヴラダさんに見せていた。反応は、好感触だ。
 「次の作品群は全体的に、そういうふうにしていこうと考えてるんだけど、どう?」
 実際の制作に携わる彼女には、このようにデザインの段階であらかじめ素材や技法などについて相談することがある。今回のデザインは意図せず装飾が多めになったのがその理由だった。
 無口な彼女が「いいね」と返してくれるのを聞く。当初は戸惑った短すぎる言葉も、気心が知れた今では非常に解りやすい反応として感じられる。
 「じゃあ、今話したように進めていくね」
 広げていたデザイン画を手に取って回収していく。その様子を静かに眺めていた彼女が一言、「今回」と発話した。
 短い言葉に手を止め、耳を澄ませて聞く姿勢を取る。
 「グロっぽい。珍しい」
 「あー」
 褒めてくれたのだと解る。そうして言われて気付いた、デザインの傾向。
 「確かに……全体のテイストがそうかも」
 今回のデザインは特定のテーマに括られず、新しいデザインを好きに描いたり古いデザインをアレンジしたりと、様々なテイストのものを用意していたつもりだった。実際に様々ではあるのだが、言われてみれば共通して指摘された「グロっぽさ」があることに気付く。とはいえ、時期によってデザインの好みが偏ることはままあることである。
 これもまた、今の自分の“時期”なのだろう。
 「変えなくていいよね?」
 「好き」
 念のため変更の必要性について聞くと、非常に肯定的な意見が返ってきたので安心する。彼女がデザインについて好みの私見を伝えてくることは滅多にない。ということで、今回の傾向がかなり彼女の好みに合ったのだろうことが解る。
 「じゃあ、具体的な設計図の作成に取り組むから、出来上がったらお願いします」
 席を立って言いながらお辞儀をすると、ヴラダさんも同じように返してくれる。この国にお辞儀の文化は無いが、彼女はこうして真似して返してくれる。微笑ましい。
 「よーし、頑張るか」
 自分自身に言い聞かせるように口にして、デザイン画を手に作業部屋へと向かった。
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