日刊幼女みさきちゃん!

下城米雪

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第五章 未来のこと

アニメを見た日(前)

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 土曜日の昼、昼食を終えた頃。
 俺と小日向さんはソファに並んでいた。間にはみさきが座っていて、わくわくを絵に描いたような目をテレビに向けている。

 今日は約束通りアニメを見る。あの時の会話を思い出すなら二人で見るのが自然だろうが、この部屋で見るのだからみさきが一緒にいない理由は無い。
 
 さて、これから見るアニメは小日向さんが俺へのオススメとして選んでくれたものだ。恐らく子供向けの内容にはならないだろうが、みさきも楽しめるだろうか。

「では、再生します」
「んっ」

 そんな不安をよそに小日向さんがリモコンを操作し、アニメが再生された。静かな音楽と共に独特の雰囲気で始まった映像を見て、まるで映画みたいだなと思う。

 しばらく美しい風景が流れた後、主人公と思しき少年が現れた。どこか浮かない表情をした少年は、桜舞う静かな道をゆっくりと歩き、やがて一人の少女と擦れ違う。

 二人の視線が交差し、徐々に背景が白く染まった。
 そして音が消え、一瞬の間を置いて、壮大な音楽と共にオープニング映像が流れ始める。

 ……なんか、すげぇな。

 小学生のような感想を抱き、ふと隣に座るみさきに目を向けた。相変わらずキラキラした表情をして、床に届かない足をゆらゆらさせながらテレビを見ている。

 このままアニメを見ているみさきを見ていようかと一瞬だけ考え、直ぐに首を振った。せっかく俺の為に用意してくれたアニメなのだから、ちゃんと見ないわけにはいかない。そう思ったところで視線を感じて顔を上げると、小日向さんと目が合った。そのまま数秒だけ静止して、妙な気恥ずかしさから目を逸らす。

 ――天童さんが、決めてください

 今日か明日。
 俺は小日向さんに返事をする。

 そのことを考えると、とても平然としていることは出来ない。さて、このアニメはどれくらい頭に入るだろうか。小日向さんの話によると、本来は十二時間くらいのアニメだが、気軽に見られるよう五時間程度に編集された物を用意してくれたそうだ。いわゆる総集編という類の物らしい。

 総集編という言葉すら初めて聞いたような俺からすれば、元の十二時間ってところもそうだが、気軽に見られる単位として五時間という数字が出てくるところにも驚いた。この前に朱音と見た映画が二時間くらいだったから、他のアニメもそれくらいで終わるものだと思っていた。

 確かにプロローグみたいな部分を見た感じだと壮大な物語が始まりそうだったが、十二時間か……想像できない。小日向さんとの話を思い出すなら、この主人公はヒロインの為に軽自動車を止めるらしいが……何をどうしたらそんな展開になるんだ? 

 そんな感じでゴチャゴチャ考えながら見始めたアニメだが、俺は十分もしないうちに引き込まれ、見入ってしまった。

 その世界は俺達が生きる現実世界とそっくりだが、少しだけ違う。そこに生きる人々は誰もが何かしらの超能力を持っていて、それを活かしながら生きている。

 超能力があるからといってファンタジーな展開になるのではなく、あくまで現実世界に超能力という要素だけが加えられたような感じだ。特に主人公である少年は、使い方によっては多くの人を殺せるような能力を持っていて、そのことがコンプレックスになっていた。

 どうやら過去に大きな過ちを犯したらしい。それ以来、彼は超能力を使うことが怖くなり、自分は無能力者だと周りに言って生きてきたようだ。

 そんな彼は高校生となった初日に、不思議な雰囲気の少女と出会う。彼女もまた自らの超能力にコンプレックスを持っていて、二人はひとつの事件をきっかけに行動を共にするようになる。

 それから、その事件で主人公が強力な超能力を持っていると知った集団が、彼の力を欲して組織に勧誘した。

 その後、超能力を悪用する人達を取り締まりつつ、同じようにコンプレックスを持った人達と触れ合うことで、少しずつ過去のトラウマを払拭していく主人公。

 と、あらすじはこんな感じだ。重い話が多かったけれど、思わず声を上げて笑ってしまうようなシーンもあり、文字通り時間を忘れて見入っていた。もちろんみさきも楽しそうに笑ったりしていた。

 とにかく、面白かった。

 そして登場人物達は全て架空の人物だと分かっているけれど、それでも、主人公の姿を自分と重ねずにはいられなかった。

 彼は幼い頃、とても優れた超能力が使えるということで、平たく言えば天狗になっていた。自分は何でも出来ると思い込んでいて、それはそれは鼻を伸ばしていた。

 やがて困っている友達を助ける為に自分の超能力を活かそうとするが、そこで大きな失敗をしてしまう。なんと、その友達は二度と歩くことが出来なくなったのである。他でもない、主人公の超能力によって――

 そんな主人公が悩み苦しみながらも、周りに支えられ、幾多の苦難を乗り越え、最後には作中で初めての笑顔を見せる。その瞬間はもう、涙なくしては見られない。エンディングの後、俺は心からの拍手を送っていた。

 ぱちぱちぱち。
 みさきも拍手を送っていた。

「みさきっ」
「んっ」

 何かを訴えるような目をしたみさき。
 ああそうだな分かるぜ。この感動を今すぐにでも分かち合いたいんだよな!

「おなかすいた」
「……そうか」

 うん、まあ、まだ難しいよな。

 さて時刻は六時を過ぎた頃。
 感覚的には一時間も経っていなかったから、改めて時計を見ると驚きを隠せない。本当に素晴らしいアニメだった。

「ちょうどいい時間ですね。ちょっと待っててください、直ぐ用意しますので」
「ありがとう、何か手伝えることはないか?」
「えっと、お風呂をお願いしてもいいですか?」
「分かった」

 立ち上がって風呂場へ行こうとすると、くいっと小さな抵抗を感じた。

「手伝ってくれるのか?」
「んっ」

 果たして二人で風呂掃除をして、滑って転んで泡だらけになったみさきと一緒に体を洗った後、小日向さんが待つ机に向かった。

「悪い、思ったより時間かかった」
「いえいえ、ちょうど出来たところです」

 机の上には既に三人分の料理が並べられていて、小日向さんの言う通り出来立てなのか、温かそうな湯気が出ている。

 メニューは彩り豊かな野菜炒めと真っ白なシチュー、それからプリンのようにふんわりした謎の物体だった。

 この物体どこかで見たような……

「あにめ」
「ああそうか、さっきのアニメで食べてた」

 みさきに言われて気が付いた。
 まさに、アニメに出て来た旨そうな料理そのものだ。

「これ小日向さんが作ったのか?」
「ふひひ、ちょっと頑張ってみました」
「すげぇな、こんなものまで作れるのか」
「すごい」

 みさきと二人ですごいすごい連呼していると、小日向さんは照れくさそうに笑った。

「お味も大丈夫だと思うので、どうぞ、冷めないうちに」
「ああ、いただきます」
「いただきます」

 用意されたスプーンを手に取って、みさきと一緒にプリンのような物をつつく。すると柔らかさも見た目通りだったようで、ぷるるんと震えた。

「おー」

 それが面白かったのか、みさきは何度もつんつんする。親としては食べ物で遊ぶなと言うのが正解なのだろうが、あまりに可愛いので黙って見守ることにした。

 さておき、スプーンを押し込む。すると中からクリームのような液体がとろりと現れた。そのアニメで見た通りの絵面に強く食欲をそそられる。食べる前から旨いのが分かる。

 ゴクリと唾液を飲み込んで、そっと一口。
 見た目通りの柔らかい感触が舌に伝わり、温かくて優しい甘みが口の中を支配する。

「うん、うまいっ」 
「ふひひ、よかったです」

 本当に美味しい。
 そう思って急ぎ二口目を――くい、くい。

「どうした?」

 みさきは俺の方を見たまま、器用に手を動かして、スプーンにのせた料理を口に含む。

「んまっ」
「ははは、そうか、おいしいか」
「んっ」

 嬉しそうに頷いて、二口目……と思ったら、みさきは直前で手を止めて、スプーンを俺に差し出した。迷わず口に入れると、みさきは満足そうな表情を見せる。

 みさきは続けてスプーンに料理を乗せ、今度は小日向さんに差し出した。

「あへっ!? え、えっと……」

 小日向さんは大袈裟に驚いた後、みさきと俺を交互に見る。

 おそらく、みさきはさっき見たアニメの真似をしている。きっと完璧に再現された料理を見て、食事シーンも真似てみたいと思ったのだろう。

 悪い、付き合ってやってくれ。
 そんな意味を込めた視線を送ると、

「で、ではっ……失礼します」

 小日向さんはやけに気合の入った動きでスプーンに飛び込んだ。

 スプーンが引き抜かれた後、ゆっくり咀嚼する小日向さんに、みさきは期待の眼差しを向け続ける。

 どう? どう?

「うん、美味しいよ。ありがとう」
「……ひひっ」

 嬉しそうな笑みを浮かべるみさき。
 何度か同じことを繰り返した後、嬉しそうなみさきと一緒に、小日向さんとアニメの話をしながら食事を続けた。

 そして食事が終わると、みさきが急にうとうとし始めたので、歯磨きをさせてベッドに寝かせた。

 口元をむにゃむにゃ動かすみさきの寝顔を暫く眺めた後、俺は皿洗いでも手伝おうかとキッチンへ向かう。

 果たして、ちょうど皿洗いをしていた小日向さんの背中を見付けた。

「手伝うよ」
「あ、ありがとうございます」

 一声かけて、水洗いされたばかりの食器を拭く。そして、拭き終わったら決められた場所に戻す。場所は何度か手伝っているうちに覚えた。

「小日向さん、今日は本当にありがとう」
「いえ、楽しんで頂けたようで何よりです」

 洗い物の数は多くないから、この作業は一人でやっても五分とかからない。それを二人がかりでのんびりやりながら、他愛もない話を続けた。

「ところで天童さん」

 皿洗いが終わると、小日向さんは少しだけ声の調子を変えて言う。

「あのアニメ、実は続編があります」
「マジか、見たい見たい」
「ふひひ、そですか。でしたら、今から一緒に見ませんか?」
「今から? みさきも見たいだろうし、明日の方がいいんじゃないか?」
「その……続編は、少し大人向けといいますか」

 どこか照れたような口調で言う小日向さん。

「恋愛が、メインの話なので」
「……ああ、なるほど」

 エロいってことか。

「どうします?」

 問われて考える。
 あのアニメに続編があるのなら是非とも見たい。出来ればみさきと一緒に見たいが、大人向けというのは、どれくらいの内容を示しているのだろう。

 きっと成人向けという程ではないのだろうが、小日向さんがみさきには不適切だと判断したからには際どいシーンもあるに違いない…………

「……見ようか」
「はい」
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