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「貴方。ルークは、今日で18歳になりますよ」


ソフィアは18年前、愛する人の子供を身籠った。

それは大恋愛だった。15歳で恋に落ちた、その相手はソフィアより20歳以上も年上だった。しかも、その男は父親の従弟にあたる人物で、あまりにも血が近く、年齢差があるという理由で、相思相愛ではあったが親に結婚の許可が貰えず、駆け落ちした。

生活は苦しかったが、愛している人と一緒になれ、可愛い子供にも恵まれて、ソフィアは幸せだった。

だが、その幸せは長く続かなかった。夫は病気を患い、長い闘病の末に帰らぬ人となってしまった。

ソフィアは嘆き悲しんだが、残された子供のために必死になって働いた。

働いていると余計なことを考えずに済んだ。

だが、息子の寝顔を見る度に、シルビアは悲しみに沈んだ。

(兄弟も作ってあげられなかった。私が死んだら、息子はひとりぼっちになってしまう……)

子供はソフィアの心配をよそに、すくすくと育ち、成人を迎えた。

冒険者として働き始め、稼ぎの大半を生活費としてソフィアに渡してくれる、孝行息子だった。

ソフィアは息子が渡してくれるお金を、すべて貯金していた。

(息子に迷惑はかけられないわ)

息子の稼ぎに比べたら安いかもしれないが、ソフィアは体が動くうちは息子のために、身を粉にして働くつもりだった。

ソフィアとルークは、良好な親子関係だったが、ひとつだけソフィアには悩みがあった。

息子、ルークが性的な目でソフィアを見てくるようになったのだ。

最初は抱きついたり、手を触ってくるだけだった。けれど、だんだんとお尻や胸を触ってくるようになってきた。

「や、やめなさい、ルーク……! そんなことをしたら、晩御飯無しにしますよ……!」
「あ、それは困る。ねぇ、母さん。今日の晩御飯なに?」

強く抵抗をすると、すぐにやめるが、ソフィアは不安だった。

(……いつの間に、こんなに腕の力が強くなったの。冒険者になったからなのかしら……)

元々体を動かすのが好きな子供だったが、冒険者になってから、よく体を鍛えている姿を見るようになった。

息子の成長を頼もしく思いつつも、襲われたら抵抗が出来ないのではないかという不安が芽生えた。

ルークが家の中で着替えをした時に、上半身に程よい筋肉がついていて、ソフィアはドキリとした。

(こんな時は、どうすればいいの? 貴方が生きてくれていたら……)

ソフィアは意を決して「そろそろ彼女でも作ったら?」と提案したが、ルークに「母さん以上の女は居ない」と反論され、ソフィアは途方に暮れた。

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