最弱! 勇者ちゃん【完結】

ちゃむにい

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「あん! あっ、あん! ひゃぁん!」
「今日もお盛んなこって……」

リーシュは治療の順番がくるまで、寝る暇もなく、触手に体を犯され続けていた。既に木の本体からは切り離されているが、それゆえに触手は縦横無尽に床を動き回った。

「ふぅ。やっと固定出来た……。この触手、やけに元気だなぁ」

そのため患者を固定する必要があり、体力が必要だった。一仕事を終えたヤーコブは、椅子に座り、葡萄酒を飲んだ。

ヤーコブは数少ない魔物専門の医者だった。

患者が運び込まれた時点で瀕死の状態が多く、手遅れの場合も割と良くあった。患者は時間を問わず運び込まれる。重篤な患者が多く、忙しいわりに国の補助金は少ない。

おそらくは、一般の患者を診たほうが楽だし稼げるだろう。

これは誰もが避ける仕事だった。

「俺がやらなきゃ、誰がやるんだよ、こんな仕事」

だが、ヤーコブは率先してやった。

それは、ヤーコブの持つ、特殊なスキルに起因した。

「はいはいはい。ぜーんぶ悪い夢だったんだよ。忘れちゃおうね」

ヤーコブは記憶消去というスキルを持っている。

『あ、ごめん。踏んじゃった』

偶然草むらで踏みつぶした希少なスライムの魔物でレベルアップした時に入手したスキルだった。

「マジで……!? これで、人生勝ち組じゃん……!」

ヤーコブはスキルを悪用し、散々悪さをした。

当時住んでいた町では、人妻や娼婦の女が、誰の子か分からない子を孕んだが、それはヤーコブとその仲間達の仕業だった。

「あんた、なんでそんなにボロボロになってまで人を助けるの?」
「それがわしの生き甲斐だからじゃよ」
「ふーん。変なおっさん」

だが、魔物に犯された患者のために奔走する医者と出逢い、その生き様を見ているうちに、ヤーコブは感銘を受け、改心した。

仲間とは縁を切り、医者の助手として従事し、ヤーコブは新たな人生を歩むことになった。

笑顔で去っていく患者を見る度、このスキルを得たのも、人助けのためなのだと使命感に駆られた。

「こりゃ久しぶりに大きな仕事だなあ。……助手でも欲しいところだわ」

ヤーコブはため息をついた。国から貰う報酬だけでは安い給料しか払えず、助手は数日前に逃げてしまった。けれども、患者はヤーコブを頼って、ひっきりなしに送り込まれてくる。

「さーて、休憩もしたし、もうひと踏ん張りしますか」

木の魔物に凌辱され続け、患者は殆ど全員妊娠していた。ヤーコブは睡眠時間を削って、1人、また1人と治療していった。
最後に残ったのはリーシュという名前の少女だった。

「こいつ、この前も運び込まれたばっかりだよなあ。勇者候補だって話だけど、素質ないんじゃね……?」

見ている間にも触手は激しく動き、リーシュの中に射精をしたようだ。ぼこりとリーシュの腹が膨らんだ。

「……せっかく可愛い顔してるんだから、さっさと結婚すりゃいいのに、勿体ないなあ」

ヤーコブのスキルでは「あった」ことを「なかった」ことには出来ない。記憶を消したとしても、体に残された爪痕まで消せるものではなく、大半の患者は苦しみ、悩むことになる。

そのため、治療後も長期間に渡るフォローが必要になる場合がある。

「冒険者は、記憶を消さないほうが良い気もするんだけどねえ……」

ヤーコブの治療を受け、魔物に犯されたことを忘れ、平和な日常を取り戻した患者は多かったが、記憶がないからこそ、行動を改めることなく、リーシュのように繰り返し運ばれてくる者も少なくなかった。

魔物による凌辱の被害を受けるのは、大抵女性だ。

患者に体の疼きを鎮めてくれる相手がいれば良いが、そうでない場合は女性用の娼館を案内している。これは最近出来たが、需要は高い。

「妊娠していないといいけど……あー、だめだ。ばっちり妊娠しているわ。まぁこれだけヤられてたら妊娠するわな」

リーシュの身体を触診して、ヤーコブはゴクリと唾を飲み込んだ。

「それにしても、なんつー、えっろい体……。……どうせ妊娠してるんだし、少しだけなら……」

誰も見ていないということが分かっているのに、周囲を確認し、ヤーコブはリーシュのふっくらとした重みのある双乳に手を伸ばし、揉んだ。患者に手を出さないのが信条だったヤーコブだったが、リーシュの艶やかな嬌声に、つい魔が差してしまった。



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