上 下
2 / 3

しおりを挟む
ユーリには個人所有している人間の女が複数いる。

うっかり手を付けてしまった女に懇願され、売らずに個人所有をしているケースが殆どだったが、それは借金持ちのオーガにとって、身の丈に合わない状況だった。処女を失っても、人間の女は、それなりの値段で売れるからだ。

「俺の肉便器3号うぅ!!」
「高く買い取って貰える顧客を見つけたんだ。あきらめろ」

人間の女も、強い男に惹かれるのだ。

「何これぇえ! ユーリより、ずっと長くて太い……!」

とあへって、ユーリの時には見せなかったイキ顔を目の前で披露した。

(……泣いていいですか、わりと本気で)

悔しすぎて、あそこが大きくなる薬を買って飲んだら、雄っぱいが大きくなって、訴訟もんだ。

「こんなん、あいつに見られたら、ぜってー揉んでくるじゃん」

主張強めな雄っぱいにサラシか何かすれば、ばれないだろうかと一瞬思ったが、ユーリはオーガだ。普段から上半身には何も着ていないので、怪しまれそうだし、サラシをしたところで剥ぎ取られそうだと思い、やめた。

借金取りのオーガ、ジャッキーはやばいやつだ。

「俺、ノーマルだから! 女が好きなんだって!」と言っても聞きやしない。

ユーリの体が普通のオーガより一回り小さいためか、ジャストフィットするらしく、虎視眈々とユーリの体を狙っている。ジャッキーは、その職業上、体を鍛えている。オーガらしいオーガで、筋肉も隆々としている。

「どうせ俺の体はダルダルですよ!? 自慢ですか!? この筋肉寄越せよ!!」
「いっしょに筋トレすればいいだろ」
「お前の筋肉が増えるだけじゃん!」

こっそり筋トレに励んだ時期もあったが、ユーリの体は筋トレしても中々筋肉にならず、脂肪がつきやすい体だった。

「俺は、この体も好きだぞ?」
「あー、そりゃようござんした。……おい、そんなに顔近づけんなって言ってるだろ!」

そのため、ジャッキーにとっては抱き心地が良いらしいが、ユーリはプンプンと怒ってはジャッキーの頭を叩いた。ジャッキーには、いちども喧嘩で勝てたことはなく、借金の返済の猶予をしてもらう代わりにケツ穴を掘られている。

赤字まみれでも、人間牧場の管理者として、かろうじて生活を維持出来ているのは、ジャッキーのおかげだったが、好きで掘られているわけではなかった。

「あいつ、しつこいし、長いからしんどいんだよな~」

ユーリは、どうやって、この危機を乗り越えるか、悩みながら寝た。そして朝になり、目覚めたユーリは驚いた。

「お、俺のちんこがない!」

なんとユーリは♀オーガになっていた。鏡で何度見ても、自慢のちんこはなかった。その代わりに立派なまんこが出来ていた。

これには、わりと楽天家なユーリも、大ショックだった。どのくらいショックだったかというと、でっかいハンマーで頭を殴られたぐらいショックだった。

「もう女にちんこぶっこめないじゃん……!」

前世は男だったし、性自認も男だった

でも、長年の疑問の理由が分かって、納得した。

「なるほど。だから、体が小さかったんだなあ」

オーガのメスは希少種で、1000匹いたら、999匹はオスだ。
しかし、オスばかりだと他種族のメスに依存しないといけない。そのためオーガという種族を残すためにメスが産まれることもあるらしい。

さすがに後天的にオスになることは聞いたことがなかったが、心当たりがあった。

「あれか……? ってか、あれしかないよなぁ……」

ユーリは、ドブのような色をした液体を思い浮かべた。

それは、ちんこがでかくなると評判の薬だった。







しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

無能なボクがスターになるまで

ホラー / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

同じ穴の狢は惹かれ合うものらしい

恋愛 / 完結 24h.ポイント:99pt お気に入り:52

冷徹執事は、つれない侍女を溺愛し続ける。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:2,101pt お気に入り:179

ヴィオレットの夢

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:40,361pt お気に入り:681

堅物監察官は、転生聖女に振り回される。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:1,959pt お気に入り:153

【R18】素直になれない白雪姫には、特別甘い毒りんごを。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:1,008pt お気に入り:63

出ていけ、と言ったのは貴方の方です

恋愛 / 完結 24h.ポイント:1,285pt お気に入り:536

国王陛下に婚活を命じられたら、宰相閣下の様子がおかしくなった

恋愛 / 完結 24h.ポイント:1,838pt お気に入り:727

処理中です...