運命を知らないアルファ

riiko

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番外編

12、ハッピーエンドのその先 3

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「親父、帰ってくるの早くない?」
「ああ、今日はお前たちが揃って遊びに来るって聞いたからな、ただいま月子つきこ

 親父はスマートに母さんの耳元にキスをした。それを見ていた正樹が真っ赤な顔をしている。正樹いわく、俺とそっくりの顔の親父が、俺みたいなわんこよろしくという雰囲気ではなく、大人の男として奥さんに対応している余裕なところがカッコいいんだと。

 あくまでも、俺が大人になったらああなるであろう容姿だから、カッコいいって思うと言い張ったけど。どう考えても、俺が歳をとってもああもキザな男にはなれない。

「あっ、お邪魔しています。かけるさん」
「正樹、違うだろ。そこはただいまって言って。ここは司の実家なんだから、正樹の家にもなるんだよ」
「は、はい」

 俺はぶすっとした。なんで同じ相手に真っ赤な顔で照れるんだよ、可愛すぎだろ。そして、親父!! 俺の正樹に呼び捨てとは、相変わらず馴れ馴れしい!!

「はは! 正樹が俺に対してあんまり可愛い顔するから、司が嫉妬で狂いそうだ!! 月子、あれは本当に俺たちの息子かい?」
「ええ、そうよ。まさくんのお陰で面白いものが見られて嬉しいわねぇ、司も人間だったのよ」

 二人して実の息子になんたる言い草だよ! 正樹も顔、赤くするな!!

「司、許してよ? 俺司の顔に弱いから、どうしてもかけるさん見ていると、大人の男になった司を想像しちゃうだけだからな?」
「う、うん。許す」

 正樹が耳元でこっそり内緒話をしてきた。それだけで俺はドキドキしてしまって、もうどうでも良くなった。

 俺の心臓、今日止まるんじゃね? 正樹のまさかの耳元こそこそ話、かわいすぎだろ――!!

「あっ、正樹。和樹は腰治った?」
「はい! お陰様で。年甲斐もなく、はしゃいじゃったみたいで、その節は父がお世話になりました!」
「いや、初心者に無理させたなと反省したよ、これに懲りずにまた付き合ってくれると嬉しいんだけどね」
「父は凄く楽しそうでしたよ、お邪魔じゃなければまた遊んでください!!」

 父さんの趣味である、登山を和樹さんもやりたい!! となって二人は山へ出かけた。そしたら和樹さんは慣れない登山で腰をやられたってしばらくマッサージに通っていた。思った以上に二人は意気投合……しすぎじゃね? 

 もともと親父はバースで人を判断しないし、和樹さんもそうだ。その上正樹の父親だけあって、人懐っこいから、親父の心を鷲掴みしちゃったんだよな。ま、両親同士が仲良かったお陰で、おれの真山家進出計画もスムーズに行った。

 正樹は百合ちゃんの手料理が大好きだから、それを生活から外すことで正樹が落ち込んだら嫌だと思って、和樹さんにこっそりとそこを含んで二世帯住宅をお願いしたら、快く承諾してくれた。高校生の時は通いだったけど、大学入ったら同居を認めてくれたんだ!!

 俺が資金を出そうと思ったら、なんとその頃、百合ちゃんは密かに小説家デビューしていて、さらには処女作が映画化決定となり、莫大な資産が手に入った。そこで百合ちゃん自ら印税御殿を計画してくれて、スムーズに同居が決まった。

 疑われることなく、すんなりと正樹と正樹の実家で暮らすことが叶ったわけだ!!

「ところで、もう招待状は送れたの?」
「はい、もう返事もちらほら返ってきています!!」
「そう、楽しみね。二人の結婚式」
「はい!」

 正樹と母さんがほのぼの話していた。そう、俺たちはついに入籍が決まった!! 二人とも晴れて成人を迎えたので籍を入れて、結婚式を挙げることとなった。
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