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20 我が家の居間に…
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臣君を家に上げた。
「久しぶりだな、奈月の家。うん、ほのかに奈月の香りがする」
「僕の香りって……」
臣君は嬉しそうに家に上がって、居間で深呼吸をしていた。その姿はまるで森林浴を楽しむかのようだった。
なんだか邪魔してはいけない雰囲気だったので、僕は臣君に座布団を出してから、台所に行ってお湯を沸かした。
臣君はもともと貧乏だと言っていたけど、どう考えても今はセレブだ。
スーパーで買っている我が家の緑茶を出していいものか悩む。叔父が好きなので、お菓子は常備していたからお茶請けはあるが……。我が家の定番は煎餅だ。果たしてアルファの臣君が食べるのか疑問だった。
臣君の家にいた三日間は、ずっとどこかのレストランのデリバリーを臣君が注文していた。僕が食べたことないような高級な肉を食べることができて至福だった。そんな僕の顔をもっと見たいと言って、臣君が嬉しそうに僕の口にどんどん食事を運んでいたなぁ。
臣君は介護の知識もあるようで、僕は疲れ切った体を動かすことなく、食事やお風呂に入れてもらえていた。
頭の中身が臣君と過ごした三日間に戻っていると、ピーっとお湯の沸いた音がしたので、やかんの火をとめた。
「奈月の家、やかんなの? 期待を裏切らないレトロだね。俺んち貧乏だったけど、そこは効率主義の母親がケトルを使ってたよ」
そこで臣君が興味津々に台所にやってきた。
「ああ、おじさんがね。体に入れるものは火を使うっていう信念があるみたいで。僕の家はレンジもないんだよ」
「え、すごいね」
臣君がきょろきょろ面白そうに台所を見ていた。
「でも案外問題ないよ、フライパンやせいろで温められるし」
「奈月は良い奥さんになりそうだな」
そこで臣君が僕を後ろから抱きしめた。ドキッとした気持ちを隠すために、冷静に目の前のことを伝えた。
「お茶こぼしちゃうよ」
「ああ、ごめんね。でもお茶より、俺は奈月が飲みたい」
「え、僕は飲み物じゃ――っ、ふっ、ん」
後ろを振り返った瞬間キスをされた。臣君は見てもない僕の手からやかんをもとの位置に戻していた。
「お、みくん」
「ん、奈月、好きだ、大好き、ずっと一緒にいようね」
「あ、んん」
キスが深くなる。とても気持ちがいい。一生、この時間が続けばいいとさえ思う。好きになって、好きになってもらえて、両思いを経験したら、欲が出てしまいそうになる。
「奈月、なんで泣きそうな顔するの? キス、いや?」
「いやじゃない。幸せすぎてむしろこわい」
「何が怖いの?」
「そ、れは。あ、それより臣君はどうしてうちに来たことがあるの?」
「ああ、知りたいよね。とりあえず、奈月の淹れてくれたお茶を飲もうか」
「あ、うん。今持っていくから、そっちで座ってて」
僕は安い緑茶を淹れた。王子様のようなアルファがちゃぶ台の前に座っている。ただの古ぼけた居間なのに、作られたレトロな空間のように思えてしまう。
「奈月、ありがとう」
「ううん。こんなものしかないけど、良かったら食べてね」
「ああ、いただきます」
臣君がお茶を一口飲むと、叔父用に購入してあった煎餅を口にしていた。
あ、アルファの臣君も煎餅食べるんだ……。そう思いながら僕もを口にした。バリバリと居間には、二人の大きな咀嚼音が鳴り響く。
「久しぶりだな、奈月の家。うん、ほのかに奈月の香りがする」
「僕の香りって……」
臣君は嬉しそうに家に上がって、居間で深呼吸をしていた。その姿はまるで森林浴を楽しむかのようだった。
なんだか邪魔してはいけない雰囲気だったので、僕は臣君に座布団を出してから、台所に行ってお湯を沸かした。
臣君はもともと貧乏だと言っていたけど、どう考えても今はセレブだ。
スーパーで買っている我が家の緑茶を出していいものか悩む。叔父が好きなので、お菓子は常備していたからお茶請けはあるが……。我が家の定番は煎餅だ。果たしてアルファの臣君が食べるのか疑問だった。
臣君の家にいた三日間は、ずっとどこかのレストランのデリバリーを臣君が注文していた。僕が食べたことないような高級な肉を食べることができて至福だった。そんな僕の顔をもっと見たいと言って、臣君が嬉しそうに僕の口にどんどん食事を運んでいたなぁ。
臣君は介護の知識もあるようで、僕は疲れ切った体を動かすことなく、食事やお風呂に入れてもらえていた。
頭の中身が臣君と過ごした三日間に戻っていると、ピーっとお湯の沸いた音がしたので、やかんの火をとめた。
「奈月の家、やかんなの? 期待を裏切らないレトロだね。俺んち貧乏だったけど、そこは効率主義の母親がケトルを使ってたよ」
そこで臣君が興味津々に台所にやってきた。
「ああ、おじさんがね。体に入れるものは火を使うっていう信念があるみたいで。僕の家はレンジもないんだよ」
「え、すごいね」
臣君がきょろきょろ面白そうに台所を見ていた。
「でも案外問題ないよ、フライパンやせいろで温められるし」
「奈月は良い奥さんになりそうだな」
そこで臣君が僕を後ろから抱きしめた。ドキッとした気持ちを隠すために、冷静に目の前のことを伝えた。
「お茶こぼしちゃうよ」
「ああ、ごめんね。でもお茶より、俺は奈月が飲みたい」
「え、僕は飲み物じゃ――っ、ふっ、ん」
後ろを振り返った瞬間キスをされた。臣君は見てもない僕の手からやかんをもとの位置に戻していた。
「お、みくん」
「ん、奈月、好きだ、大好き、ずっと一緒にいようね」
「あ、んん」
キスが深くなる。とても気持ちがいい。一生、この時間が続けばいいとさえ思う。好きになって、好きになってもらえて、両思いを経験したら、欲が出てしまいそうになる。
「奈月、なんで泣きそうな顔するの? キス、いや?」
「いやじゃない。幸せすぎてむしろこわい」
「何が怖いの?」
「そ、れは。あ、それより臣君はどうしてうちに来たことがあるの?」
「ああ、知りたいよね。とりあえず、奈月の淹れてくれたお茶を飲もうか」
「あ、うん。今持っていくから、そっちで座ってて」
僕は安い緑茶を淹れた。王子様のようなアルファがちゃぶ台の前に座っている。ただの古ぼけた居間なのに、作られたレトロな空間のように思えてしまう。
「奈月、ありがとう」
「ううん。こんなものしかないけど、良かったら食べてね」
「ああ、いただきます」
臣君がお茶を一口飲むと、叔父用に購入してあった煎餅を口にしていた。
あ、アルファの臣君も煎餅食べるんだ……。そう思いながら僕もを口にした。バリバリと居間には、二人の大きな咀嚼音が鳴り響く。
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