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29 臣君のスパイ活動
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「乙葉君の彼氏が、俺の起業をサポートしてくれた投資家なんだ」
「え? 乙葉君の彼氏って、セレブな彼氏?」
「はは、それ以外に彼氏いたら問題だよ。あの人めちゃくちゃ嫉妬深いから」
嫉妬深い彼氏……確かに乙葉君は自分の彼のことをそう言っていた。
「起業するにあたっていろんな投資家に会ったんだ。そのとき、乙葉君の彼氏が俺の事業に興味持ってくれて。奈月のために早く成功したいってことを話したら協力してくれた。自分の番になる子を放置はいけないって、乙葉君を監視役に奈月の周りに配置してくれてたんだ」
「配置って……」
そいえば、僕がバイトを始めた翌日に乙葉君がバイトに入ってきた。
「でも、どうして僕があそこでバイトしてるって知ってたの?」
「ああ、それはこれ」
僕の首にかかるネックガードを臣君が触った。オメガになってしばらくしてから、うなじを守るようにって高校時代叔父から渡されたネックガードだった。オメガはうなじを守るのが必須みたいなので、ネックガードは下当たり前に身に着けるらしい。
そう言われて渡されたので、高校時代からずっと身に着けていた。
「ネックガードがどうしたの?」
「それ、俺が高校時代必死でバイトして買ったもの」
「へ?」
「ヒカルさんに、そのネックガードを奈月に渡してくれって頼んだ」
「これは、おじさんが僕にくれたものだと、そう思ってたけど、臣君が買ってくれたの?」
「ああ、そうだよ」
知らなかった。当たり前に知らず、普通に首に着けていた。一気に気持ちが高揚した。僕のうなじはずっと臣君に守られていたんだ。
「な、泣くなよ、ごめん。だましてて」
僕の瞳からは自然と涙がこぼれ落ちていた。僕だって知っている。明美ちゃんじゃないけれど、ドラマで見たことがある。好きな子のうなじを予約するって意味で、アルファは好きなオメガにネックガードを贈る。婚約指輪みたいなもの。僕はずっと臣君から求愛されていた。
「ううん、謝らないでよ。嬉しいよ、臣君。最初から言ってくれてたら、僕はずっと臣君を遠くからストーカーみたいに見るんじゃなくて堂々と会いに行けたのに!」
「え、あ、うん。ごめん。もし会ったら俺、起業するために奮闘できず奈月におぼれちゃいそうだから、だから俺奈月の前に出られなかった」
「……臣君」
僕はどれだけ彼から想われていたのだろう。涙がとまらない。
「怒ってない?」
「何を怒るの? 愛されてたことを知って嬉しいしかないのに」
「でも、その首輪で奈月を監視してた」
「ん?」
「奈月がどこにいるか、いつもスマホで確認してた」
「ん?」
臣君は頭がいいのに、会話能力が時々弱くなる。というか僕の読み取り能力なのだろうか。臣君が何を言っているのかわからない。
そういえば、乙葉君がスパイって言ってたけっど、あれ? 僕は仕組まれて乙葉君と出会ったってこと? そして僕がいかに臣君に想いを寄せているか重いことを乙葉君には言っていたけれど、もしや、ばれていた……
「僕のこと、乙葉君から聞いてたってこと? 恥ずかしい」
「いや、そんなに詳しくは聞いてなくて。そうじゃなくて、それGPSついてる高機能のネックガードなんだ。体温とか、居場所とかわかるやつ」
「え……」
全然想像すらしていなかった、回答に僕は言葉を失った。
「え? 乙葉君の彼氏って、セレブな彼氏?」
「はは、それ以外に彼氏いたら問題だよ。あの人めちゃくちゃ嫉妬深いから」
嫉妬深い彼氏……確かに乙葉君は自分の彼のことをそう言っていた。
「起業するにあたっていろんな投資家に会ったんだ。そのとき、乙葉君の彼氏が俺の事業に興味持ってくれて。奈月のために早く成功したいってことを話したら協力してくれた。自分の番になる子を放置はいけないって、乙葉君を監視役に奈月の周りに配置してくれてたんだ」
「配置って……」
そいえば、僕がバイトを始めた翌日に乙葉君がバイトに入ってきた。
「でも、どうして僕があそこでバイトしてるって知ってたの?」
「ああ、それはこれ」
僕の首にかかるネックガードを臣君が触った。オメガになってしばらくしてから、うなじを守るようにって高校時代叔父から渡されたネックガードだった。オメガはうなじを守るのが必須みたいなので、ネックガードは下当たり前に身に着けるらしい。
そう言われて渡されたので、高校時代からずっと身に着けていた。
「ネックガードがどうしたの?」
「それ、俺が高校時代必死でバイトして買ったもの」
「へ?」
「ヒカルさんに、そのネックガードを奈月に渡してくれって頼んだ」
「これは、おじさんが僕にくれたものだと、そう思ってたけど、臣君が買ってくれたの?」
「ああ、そうだよ」
知らなかった。当たり前に知らず、普通に首に着けていた。一気に気持ちが高揚した。僕のうなじはずっと臣君に守られていたんだ。
「な、泣くなよ、ごめん。だましてて」
僕の瞳からは自然と涙がこぼれ落ちていた。僕だって知っている。明美ちゃんじゃないけれど、ドラマで見たことがある。好きな子のうなじを予約するって意味で、アルファは好きなオメガにネックガードを贈る。婚約指輪みたいなもの。僕はずっと臣君から求愛されていた。
「ううん、謝らないでよ。嬉しいよ、臣君。最初から言ってくれてたら、僕はずっと臣君を遠くからストーカーみたいに見るんじゃなくて堂々と会いに行けたのに!」
「え、あ、うん。ごめん。もし会ったら俺、起業するために奮闘できず奈月におぼれちゃいそうだから、だから俺奈月の前に出られなかった」
「……臣君」
僕はどれだけ彼から想われていたのだろう。涙がとまらない。
「怒ってない?」
「何を怒るの? 愛されてたことを知って嬉しいしかないのに」
「でも、その首輪で奈月を監視してた」
「ん?」
「奈月がどこにいるか、いつもスマホで確認してた」
「ん?」
臣君は頭がいいのに、会話能力が時々弱くなる。というか僕の読み取り能力なのだろうか。臣君が何を言っているのかわからない。
そういえば、乙葉君がスパイって言ってたけっど、あれ? 僕は仕組まれて乙葉君と出会ったってこと? そして僕がいかに臣君に想いを寄せているか重いことを乙葉君には言っていたけれど、もしや、ばれていた……
「僕のこと、乙葉君から聞いてたってこと? 恥ずかしい」
「いや、そんなに詳しくは聞いてなくて。そうじゃなくて、それGPSついてる高機能のネックガードなんだ。体温とか、居場所とかわかるやつ」
「え……」
全然想像すらしていなかった、回答に僕は言葉を失った。
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