初めては好きな人と

riiko

文字の大きさ
34 / 38

34 新婚生活

しおりを挟む
 臣君はしっかりと服を着ていて、シャンプーのいい匂いがしてる。僕はそのまま意識を失ったらしい。
 だって、アルファの長い射精で終わりかと思いきや、なぜか臣君のスイッチが入ってそこから、めちゃくちゃ激しい抱かれ方をした。
 
 あんな激しかったのに、爽やかな臣君。すべてを整えているのに、それを崩したくなる。
 僕は意識を失ったのに、いつの間にか石鹸のにおいに包まれていてパジャマも来ていた。きっと彼が僕をお風呂に入れてくれて、そしてパジャマまで着せてくれている。足元はもこもこの靴下。
 臣君は介護の腕を上げた。服だけではなく足元まで僕のケアのぬかりがない。

 ベッドに座って僕の頭を撫でてる臣君。ご飯のいい匂いがするから、僕を起こしにきたのだろう、の割には笑顔でずっと僕を撫でている。じっと彼を見て僕は言った。

「臣君、好き。大好き」
「俺もだよ、奈月。ああ、幸せすぎる!」

 臣君が頭を抱えて悶えている。

「そういうの、もういいから。今度こそ起きてご飯食べよ。おなかすいたー!」
「そうだね」

 僕はベッドの中から臣君に手を伸ばした。すると臣君が僕の手を握って、なぜかいやらしい触り方してくる。

「もう、しないよ。さすがにご飯……」
「しまった! 奈月のあざと技をまた喰らうところだった…ほんと風俗行きを止めて良かった」
「なにそれ。確かに僕は技を磨いて淫乱になれと言われたけど、その前に臣君に堕ちちゃったから、技なんて習得してないよぉ」
「いや、俺にしか効かない技をお前は習得した」
「ん?」
「何をしても、どんな姿も、すべてが俺にとっては奇跡で愛おしい」

 え、それが僕の技? 技の名前ながくない? なんて技なのか結局わからない。 
 僕が何をしても臣君が悶えるので、技なんか必要ないみたいだ。
 こんなに熱烈に求められると、臣君をもっともっと幸せにしたい。笑顔にしたい。もっと気持ちよくなってほしい。そう思って彼とエッチをすると自然に何かを習得していった気はするけど。
 僕は起き上がって臣君にキスをした。臣君もそれにこたえて僕を抱きしめる。彼に抱きしめられて僕は――

「さ、ごはんごはん!」
「ふふふ、奈月可愛すぎるだろ。ああ、今日は来客あるからちゃんと着替えようか」
「え? こんな年末に?」
「ああ、後でヒカルさんが来る」
「え、おじさん?」

 臣君が僕の服を一式出してきた。あのまま臣君の家にこもっているから、家に服など取りに行っていない。臣君がネットで僕の服を一通り購入してくれたのを僕は着用する。というか、着せられた。服を脱がすのも早いけど、着せるのも早かった。やはり介護の知識が……
 僕たちは臣君が宅配で頼んだお弁当とお味噌汁を食べた。臣君はすっかりセレブな人になってしまって、高級割烹から仕出しが届いたのにはびっくりした。

「おいしいねぇ」

 疲れた体に染み渡るおいしさ! 僕の顔を見て目の前に座る臣君は笑った。

「奈月の手料理も食べてみたいな。叔父さんと一緒に暮らしてる時は奈月も作ってたんだろ?」
「うん。最初はおじさんが作ってくれてたけど、だんだん僕も料理を覚えて、順番に作ってたよ。でも、僕の食事は普通の庶民のごはんだよ?」
「俺だって庶民のご飯食べてきたんだから、きっと一緒だよ。今は時間がもったいないから紹介されたとこの飯をデリバリーしてるけど、本当は自炊したいんだよね」
「ふふふ、この高級料理には勝てないけど、頑張るね!」
「頑張んなくていいよ。でも、一度は奥さんの作ったご飯食べてみたいな」

 きゅんとした。僕は今、とてつもなく幸せだった。これが世にいう新婚生活というやつなのかな。照れる!

「あ、そういえばおじさんいつ来るの? というかおじさん借金返して今なにしてるんだろ。家に戻ったってことかな。僕が臣君とつがいになった報告、は臣君がしてくれたんだよね」
「そのすべてを会ってから話そう。俺たちのことは伝えてはあるよ」
「そっか」
 
 その時玄関のチャイムが鳴った。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

オメガ転生。

BL
残業三昧でヘトヘトになりながらの帰宅途中。乗り合わせたバスがまさかのトンネル内の火災事故に遭ってしまう。 そして………… 気がつけば、男児の姿に… 双子の妹は、まさかの悪役令嬢?それって一家破滅フラグだよね! 破滅回避の奮闘劇の幕開けだ!!

【完結済】極上アルファを嵌めた俺の話

降魔 鬼灯
BL
 ピアニスト志望の悠理は子供の頃、仲の良かったアルファの東郷司にコンクールで敗北した。  両親を早くに亡くしその借金の返済が迫っている悠理にとって未成年最後のこのコンクールの賞金を得る事がラストチャンスだった。  しかし、司に敗北した悠理ははオメガ専用の娼館にいくより他なくなってしまう。  コンサート入賞者を招いたパーティーで司に想い人がいることを知った悠理は地味な自分がオメガだとバレていない事を利用して司を嵌めて慰謝料を奪おうと計画するが……。  

当たり前の幸せ

ヒイロ
BL
結婚4年目で別れを決意する。長い間愛があると思っていた結婚だったが嫌われてるとは気付かずいたから。すれ違いからのハッピーエンド。オメガバース。よくある話。 初投稿なので色々矛盾などご容赦を。 ゆっくり更新します。 すみません名前変えました。

既成事実さえあれば大丈夫

ふじの
BL
名家出身のオメガであるサミュエルは、第三王子に婚約を一方的に破棄された。名家とはいえ貧乏な家のためにも新しく誰かと番う必要がある。だがサミュエルは行き遅れなので、もはや選んでいる立場ではない。そうだ、既成事実さえあればどこかに嫁げるだろう。そう考えたサミュエルは、ヒート誘発薬を持って夜会に乗り込んだ。そこで出会った美丈夫のアルファ、ハリムと意気投合したが───。

欠陥αは運命を追う

豆ちよこ
BL
「宗次さんから番の匂いがします」 従兄弟の番からそう言われたアルファの宝条宗次は、全く心当たりの無いその言葉に微かな期待を抱く。忘れ去られた記憶の中に、自分の求める運命の人がいるかもしれないーー。 けれどその匂いは日に日に薄れていく。早く探し出さないと二度と会えなくなってしまう。匂いが消える時…それは、番の命が尽きる時。 ※自己解釈・自己設定有り ※R指定はほぼ無し ※アルファ(攻め)視点

【完結】幼馴染から離れたい。

June
BL
隣に立つのは運命の番なんだ。 βの谷口優希にはαである幼馴染の伊賀崎朔がいる。だが、ある日の出来事をきっかけに、幼馴染以上に大切な存在だったのだと気づいてしまう。 番外編 伊賀崎朔視点もあります。 (12月:改正版) 8/16番外編出しました!!!!! 読んでくださった読者の皆様、たくさんの❤️ありがとうございます😭 1/27 1000❤️ありがとうございます😭 3/6 2000❤️ありがとうございます😭 4/29 3000❤️ありがとうございます😭 8/13 4000❤️ありがとうございます😭 12/10 5000❤️ありがとうございます😭 わたし5は好きな数字です💕 お気に入り登録が500を超えているだと???!嬉しすぎますありがとうございます😭

のほほんオメガは、同期アルファの執着に気付いていませんでした

こたま
BL
オメガの品川拓海(しながわ たくみ)は、現在祖母宅で祖母と飼い猫とのほほんと暮らしている社会人のオメガだ。雇用機会均等法以来門戸の開かれたオメガ枠で某企業に就職している。同期のアルファで営業の高輪響矢(たかなわ きょうや)とは彼の営業サポートとして共に働いている。同期社会人同士のオメガバース、ハッピーエンドです。両片想い、後両想い。攻の愛が重めです。

売れ残りオメガの従僕なる日々

灰鷹
BL
王弟騎士α(23才)× 地方貴族庶子Ω(18才) ※ 第12回BL大賞では、たくさんの応援をありがとうございました!  ユリウスが暮らすシャマラーン帝国では、平民のオメガは18才になると、宮廷で開かれる選定の儀に参加することが義務付けられている。王族の妾となるオメガを選ぶためのその儀式に参加し、誰にも選ばれずに売れ残ったユリウスは、国王陛下から「第3王弟に謀反の疑いがあるため、身辺を探るように」という密命を受け、オメガ嫌いと噂される第3王弟ラインハルトの従僕になった。  無口で無愛想な彼の優しい一面を知り、任務とは裏腹にラインハルトに惹かれていくユリウスであったが、働き始めて3カ月が過ぎたところで第3王弟殿下が辺境伯令嬢の婿養子になるという噂を聞き、従僕も解雇される。

処理中です...