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9 結ばれるとき
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健吾が潤の上にまたがりシャツを脱ぐ。
その姿をドキドキと大きな心臓の音を耳に響かせながら、潤はじっと組み敷かれている仰向けの状態で彼を見ていた。目が離せない。同性なのに、健吾の胸板を見て興奮してしまう。潤の体とまるで違うと思ったら、脱いであらわになった健吾の腹を触りたくなった。
健吾は微笑み、彷徨っていた潤の手をそっと包み込む。
「どうした?」
「ん、なんか、健吾の裸が綺麗だなって思って」
「綺麗なのはお前の肌だろ。それに俺のを見たら、そんなこと言えなくなるぞ」
「え?」
「もう興奮してるから、やばいことになってる」
潤の手を、自身の下へと誘導する健吾。ズボンの膨らみは見ていてもわかるが、服の上から触ると相当大きくなっている。潤はそれに触れた時、急に恥ずかしくなった。
「そ、そんなこと言うなら、僕のだって」
潤はそう言うと腰を少し上げて、健吾の腕に自身の昂りを押し付けた。互いの手に互いのモノを布越しに触れさせている。何をやっているんだと、潤は少しだけ冷静になっていく。
キスと胸への愛撫で体が昂り、心が追いつけない状態だったが、会話をしている今は少し落ち着いていた。
「潤……可愛いよ、本当に。こんな日がくると思わなかった」
「自分から誘導したくせに、よく言うよ」
「はは、そうだな。お前が家族に執着してるのを知って、脅しのようにこういう形に持ち込んだ」
潤が打算ありきでこの関係を受け入れようと決心したことを、健吾は知っていたようだ。先ほどは健吾の拒絶から始まってしまったので、潤は彼を逃さないために縋るように応えてしまった。それは確かに潤自身そう感じていた。しかし彼の気持ちを知ってしまった今、自分の心に向き合うと健吾への確かな愛があった。
「健吾」
「ん?」
健吾が潤の頬を優しく包み、聞き返す。その瞳の熱さは先ほどと何も変わらない。潤は少し照れながら、彼に伝える。
「僕は、確かに流されて今こうやって健吾と裸でいるけど、でも僕は健吾が好きだよ」
「家族としてだろ? 俺はそんな関係がもう耐えられなくて、お前をひとりの男として手に入れようとしてる」
「どうして、この状況でそんなこと言うの? このまま続けないの?」
どうせなら早く健吾のモノになり、何も考えられないくらいに状況を受け入れるしかないところまで導いてほしかった。これでは冷静に男とするということを考えなければいけない時間ができてしまう。
「……もちろん続ける。だけど、お前が俺を嫌うのは耐えられない。拒絶されるくらいならお前の元から離れる覚悟があった」
このまま行為は続けるのかと、少しだけ潤は安堵した。
しかし健吾のその後の言葉に、また潤は恐怖を覚える。彼が自分から離れることだけは絶対に嫌だった。それに、潤に向き合う健吾の顔が好きだ。それが答えであり、二人の正解。
「嫌わないよ。好きだもん」
健吾の頬に手を当てて、潤はしっかりと言った。
「俺はこれからお前を抱くんだぞ? 男が男を抱く」
「……違うよ。健吾が僕を抱く。そこに男とか関係ない」
健吾が目を見開く。潤は少しだけ健吾を近く感じた。健吾はただ突き進んでいるのではなく、男同士ということに一応は悩んでいるらしい。そこには兄弟という概念は初めからないのだろうかと、潤は少しだけ疑問に思った。
そもそも家族になった当初から、弟ではなく愛しい人として受け入れていたというのなら、もうそれでもいい。それでもなお、潤を手に入れようとしているくらい執着しているなら、自分と同じだと潤は思った。
「なるべく、痛くないように努力する」
「ふふ、そうしてくれるとありがたい。健吾は男を抱いたことあるの?」
「……ない」
それを聞いた潤は少しだけ安心する。
男は自分が初めて。他を知っていて比べられたら、絶対に太刀打ちできないと思った。ただでさえ性体験がないのだから、きっとマグロと呼ばれる状態になることは予想できる。しかも男同士、潤にだって後ろを使うくらいの知識はある。そんなところに服の上からでもわかるくらいの大きさのモノが挿入るのかわからない。不安がないと言えば嘘になる。しかし――
「じゃあ、初めて同士だね。一個でも健吾と同じことがあって嬉しい」
「潤、大事にする。一生、俺の命をかけて愛し続ける」
「健吾」
潤は微笑み、少し顔を上げて健吾にキスをした。自分からした初めてのキス。ただ触れるだけだったが、彼の柔らかい唇を肌で感じて、そして自分から受け入れるということを自ら望んでするキスはとても心地よかった。
すると健吾が舌を入れてくる。熱の入ったキスに変わるのは早かった。それならきっと、彼の剛直が自分を貫くのも時間の問題だと、他人事のように潤は思っていた。
今までの会話が嘘かのように、急に交わりを意識するような触れ合いに変わる。キスをしながら健吾は潤の下着に触れてきた。ふくらみを何度か上から往復する大きな手。それだけで潤の腰が浮き、感じてしまう。キスと下着の上からの愛撫。気持ちがよくて、一生このまま彼に包まれていたいと思った。
下着を下ろされ肌が空気に触れると、健吾の手によって直接包み込まれる。潤は一気にまどろみから、覚醒へと導かれた。
その姿をドキドキと大きな心臓の音を耳に響かせながら、潤はじっと組み敷かれている仰向けの状態で彼を見ていた。目が離せない。同性なのに、健吾の胸板を見て興奮してしまう。潤の体とまるで違うと思ったら、脱いであらわになった健吾の腹を触りたくなった。
健吾は微笑み、彷徨っていた潤の手をそっと包み込む。
「どうした?」
「ん、なんか、健吾の裸が綺麗だなって思って」
「綺麗なのはお前の肌だろ。それに俺のを見たら、そんなこと言えなくなるぞ」
「え?」
「もう興奮してるから、やばいことになってる」
潤の手を、自身の下へと誘導する健吾。ズボンの膨らみは見ていてもわかるが、服の上から触ると相当大きくなっている。潤はそれに触れた時、急に恥ずかしくなった。
「そ、そんなこと言うなら、僕のだって」
潤はそう言うと腰を少し上げて、健吾の腕に自身の昂りを押し付けた。互いの手に互いのモノを布越しに触れさせている。何をやっているんだと、潤は少しだけ冷静になっていく。
キスと胸への愛撫で体が昂り、心が追いつけない状態だったが、会話をしている今は少し落ち着いていた。
「潤……可愛いよ、本当に。こんな日がくると思わなかった」
「自分から誘導したくせに、よく言うよ」
「はは、そうだな。お前が家族に執着してるのを知って、脅しのようにこういう形に持ち込んだ」
潤が打算ありきでこの関係を受け入れようと決心したことを、健吾は知っていたようだ。先ほどは健吾の拒絶から始まってしまったので、潤は彼を逃さないために縋るように応えてしまった。それは確かに潤自身そう感じていた。しかし彼の気持ちを知ってしまった今、自分の心に向き合うと健吾への確かな愛があった。
「健吾」
「ん?」
健吾が潤の頬を優しく包み、聞き返す。その瞳の熱さは先ほどと何も変わらない。潤は少し照れながら、彼に伝える。
「僕は、確かに流されて今こうやって健吾と裸でいるけど、でも僕は健吾が好きだよ」
「家族としてだろ? 俺はそんな関係がもう耐えられなくて、お前をひとりの男として手に入れようとしてる」
「どうして、この状況でそんなこと言うの? このまま続けないの?」
どうせなら早く健吾のモノになり、何も考えられないくらいに状況を受け入れるしかないところまで導いてほしかった。これでは冷静に男とするということを考えなければいけない時間ができてしまう。
「……もちろん続ける。だけど、お前が俺を嫌うのは耐えられない。拒絶されるくらいならお前の元から離れる覚悟があった」
このまま行為は続けるのかと、少しだけ潤は安堵した。
しかし健吾のその後の言葉に、また潤は恐怖を覚える。彼が自分から離れることだけは絶対に嫌だった。それに、潤に向き合う健吾の顔が好きだ。それが答えであり、二人の正解。
「嫌わないよ。好きだもん」
健吾の頬に手を当てて、潤はしっかりと言った。
「俺はこれからお前を抱くんだぞ? 男が男を抱く」
「……違うよ。健吾が僕を抱く。そこに男とか関係ない」
健吾が目を見開く。潤は少しだけ健吾を近く感じた。健吾はただ突き進んでいるのではなく、男同士ということに一応は悩んでいるらしい。そこには兄弟という概念は初めからないのだろうかと、潤は少しだけ疑問に思った。
そもそも家族になった当初から、弟ではなく愛しい人として受け入れていたというのなら、もうそれでもいい。それでもなお、潤を手に入れようとしているくらい執着しているなら、自分と同じだと潤は思った。
「なるべく、痛くないように努力する」
「ふふ、そうしてくれるとありがたい。健吾は男を抱いたことあるの?」
「……ない」
それを聞いた潤は少しだけ安心する。
男は自分が初めて。他を知っていて比べられたら、絶対に太刀打ちできないと思った。ただでさえ性体験がないのだから、きっとマグロと呼ばれる状態になることは予想できる。しかも男同士、潤にだって後ろを使うくらいの知識はある。そんなところに服の上からでもわかるくらいの大きさのモノが挿入るのかわからない。不安がないと言えば嘘になる。しかし――
「じゃあ、初めて同士だね。一個でも健吾と同じことがあって嬉しい」
「潤、大事にする。一生、俺の命をかけて愛し続ける」
「健吾」
潤は微笑み、少し顔を上げて健吾にキスをした。自分からした初めてのキス。ただ触れるだけだったが、彼の柔らかい唇を肌で感じて、そして自分から受け入れるということを自ら望んでするキスはとても心地よかった。
すると健吾が舌を入れてくる。熱の入ったキスに変わるのは早かった。それならきっと、彼の剛直が自分を貫くのも時間の問題だと、他人事のように潤は思っていた。
今までの会話が嘘かのように、急に交わりを意識するような触れ合いに変わる。キスをしながら健吾は潤の下着に触れてきた。ふくらみを何度か上から往復する大きな手。それだけで潤の腰が浮き、感じてしまう。キスと下着の上からの愛撫。気持ちがよくて、一生このまま彼に包まれていたいと思った。
下着を下ろされ肌が空気に触れると、健吾の手によって直接包み込まれる。潤は一気にまどろみから、覚醒へと導かれた。
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