『貴方』に『別れの挨拶』はまだ言えない

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紫同盟

紫色とは

高貴

情熱と冷静さ

愛人

神秘的

さまざまな意味合いがあるんだね。

さて

『貴方』はどの『紫』が好きかしら？


私はーーー




紫が高貴な色であることには理由がある。

聖徳太子が冠位十二階を定めたとき、最上位が紫の帽子だった。

以来、日本ではずっと紫が高貴な色として捉えられている。

天皇陛下から授かる紫綬褒章もその一例だ。


『貴方』はよく紫色のものを身につけているね。

それはどうして？

神秘的にみられたいから？

高貴でありたいから？

「そんなこと考えたことないよ」

と貴方は言った。

でも

『私』には分かっているよ。

豪快さと繊細さの『二面性』があることを。

元素記号の「C」が黒鉛とダイヤモンドを構成しているように。

『貴方』は誰よりも強く、そして誰よりも弱い。

浮かべる微笑みも、どこか『影』を帯びていて。そしてミステリアス。

それはどこか『月』を連想させる。


その『月』を眺めて、『私』は素直に美しいと思ってしまった。

だって、『貴方』の『月』は、いつだって満月だったから。クレーターだらけの。


強くて弱い『貴方』と『私』

私たち、よく似ているね。

孤独に耐え、常に癒しを求めてきたの。

月のように光りながら探してくれるのを待っていた。


月を見つけることができたのは、この『地球（ホシ）』だった。

本当に綺麗だと。

『こころ』からそう思った。

優しく、やわらかな光で、包み込んでくれる。

日光よりも、鮮やかな月の光。



『貴方』と出逢って、月を眺めていることが増えた。

ある日、一緒に月を眺めていると、



「月『も』綺麗ですね」

『貴方』はそう言いながら、穏やかな眼差しで、『私』を見つめてくれていた。

「永遠に、『貴方』と月明かりの下で暮らしたい」



お互い、同じ方向性を向きながら。

『私たち』が歩む未来はきっと。


月が照らしてくれるわ。


月(ムラサキ)の光が私たちを照らし、穏やかな時間が流れる。

｢これで私達も同盟が組めましたね｣

お互いに微笑みあって、夜が明けるのを待った。

『ふたり』で迎えた夜明けは、とても眩かった。

健やかな夜明け。

今日もはじまるね。




『あなた』。