『貴方』に『別れの挨拶』はまだ言えない

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手紙

拝啓

桜の花が咲き始めましたね。

『貴方』の大好きな桜が。

天気予報では、そちらは満開とのことですが、どうですか？

こちらはあいにくの雨ですが、桜から垂れる雫も悪くないですね

桜の下で貴方を待っていると約束しましたね。

ですが、どうしても気持ちを綴りたくなり、筆を取りました。

たまにはこういうのもいいですよね？

「むしろこういうのもいいんじゃないかな」

そんな貴方の声が聴こえてきそうです。


貴方と出逢い、私は変わることができました。

貴方のまっすぐな瞳に、心を打たれました。

やわらかな貴方の笑顔。

素敵な、とっておきの笑顔。

瞳を閉じると思い出す

貴方の声と笑顔が

その思い出は

私のかけがえのない宝物

宝石箱にしまっておくのが惜しいくらいに

私が眺めているこの空も、貴方が見つめている空につながっているのでしょうか。

書いている途中で、雨が止みました。

空を見たら虹がかかっていましたよ。

7色ありますが、私は紫がすきです。

貴方も紫が好きとおっしゃっていましたね。

お互い優雅に生きていきましょう。

桜が舞う花の季節に。

貴方とまたお逢いすることができるのなら。

桜の絨毯を貴方と歩きたいです。

貴方となら、どのような人生でも歩んでいけます。

だから。

そのときは。

また貴方の『声』を聴かせてほしい。

今から春が楽しみですね。

春が来て、ずっと春だったらいいのに。


敬具