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4部ジルベール10歳 時が動き出す
4.24 ルカ・ラルクバッハ4
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そして、夏休みの前に、侍女経由で情報が来た。
王女2人が夏休み中の3週間、クロスロード家の領土に遊びに行くらしい。
そして、双子の片割れ、第2王子マックとその婚約者アナスタシアも一緒に行くらしい。
領地に、夏の避暑地として使えるホテルを建てたが、
今年は練習と称して、一般客を泊めないので、空いているらしい。
王族が泊まれるほどでは無いが、夏の避暑地にもなっているので、どうですかとのお誘いだ。
王が、どうやら領地にレイブリング元将軍がいるので、折角だから鍛えてもらおうと言い出した。
フィリップは、公務の予定も無かったので、行くことになった。
なんと羨ましい。
私は、すでに公務が入っており、3週間全部はいけない。
いろいろ調整して、なんとか最初の1週間だけ、メンバーに入れてもらえた。
そして当日の移動をどうするのかと思ったら、2回の転移で全員が移動できた。
とんでもない魔法だ。
私は、1週間のうちにいろいろと吸収したかった。
剣の技術や、魔物との対戦方法はレイブリング元将軍が教えてくれた。
これは大変有益だった。
王城の先生や、学校で教えてもらってはいたが、レイブリング元将軍の生きた知識は大変すばらしかった。
弱点についても、どの様に攻撃すれば良いか、剣での切り方なども含め、丁寧に経験がなせる業を幾つも教えてもらった。
しかし何よりも驚いたのは、ジルベールからの魔法の説明や、魔力操作の訓練だった。
内容も非常に画期的だった。
それは、今の学校で教えている方法と全く異なる理論だった。
そこで解ったのは、ジルベールは、全属性の魔法が使えること。
魔力を可視化でき、魔力と言う普通は見えない物を見ていることが解った。
そして、その魔力が見える力を使って、魔法学を根本から変える新しい考え方を説明してくれた。
どれもはじめて聞く話ではあるが、実際に幾つか系統別に試してくれると
ジルベールの理論が正しいとしか思えない。
結果、それを理解すると、自分の魔法の結果も格段に威力が上がった。
そして魔力操作の訓練で総魔力量が格段に上昇する。
ジルベールが幼い時から一緒に訓練をしているエレノア、ニーナの総魔力量もすごかった。
すでに、宮廷魔道士とは一桁異なる総魔力量があった。
すでにマリアもそのレベルに達している。
同じように、その親のクインと言う魔法使いは、その昔宮廷魔道士を落ちたにも関わらず、
現状、エレノアと同じく、宮廷魔道士の10倍はある総魔力量に、魔法力もかなり強かった。
おそらくジルベールの訓練方法を試せば、現在の魔道士は皆10倍近くまで強く慣れるのではないだろうか。
ただし、訓練の初期に、ジルベールから魔力の可視化によって、自分の魔力操作をきちんと指摘してもらい、思いと、実際の違いを修正してもらわなければ難しい。
元々、大魔道士と呼ばれた過去の偉人達は、偶然、この方法にたどり着いたのではないだろうか。
見えないものを他人に説明したり、指導ができず、
この方法がきちんと書籍に残されることが無かったのだろうと推察される。
まあ、結局は、ジルベールに気に入られ、
最初に能力を伸ばしてもらうことをしてくれれば、あとは伸びるのだ。
全員は無理だが、徐々に増やしていくことは可能かも知れない。
これは、戻ったら王に言うべきなのだろうか。
しかし、新しい魔道学説を変更するのは難しい。
理論の証明に老人達がうなずくと思えない。
しかし、いずれこの新しい理論は世に広まる。
まずは、国内で広める必要がある。
しかし、これらはゆっくりと、そして絶対に成功させなければならない。
戻ってからの私の仕事も多そうだ。
そして、約束の1週間が過ぎ、予定していた公務をこなさなければならない。
当初は、これで終りの予定だったが、1人で訓練を続けるよりも、
1日でもレイブリング元将軍の指導、ジルベールとの訓練に参加した方が良いと感じた。
次に何時教えてくれるか解らないのだから。
チャンスは逃すべきではない。
結局週末だけ、参加させてもらるように手紙を書くと、指定した時間にジルベールが王城内の教会に迎えに来てくれた。
ジルベールと話をすると、ルカ王子と言ってくるが、妹二人の婚約者だし、
フィリップと同じように自分の事を兄として呼んでもらいたいものだが、
"ルカにい" と呼ばせるには、相手が規格外すぎて恐縮する。
まあ、もう暫く親交を深めてから呼び名を考えるか。
しかしそれにしても、この距離を簡単に移動できる空間魔法の使い手はすごく便利。
現在の、王宮魔道士の中で空間魔法が使えるのは3名。
そのうち若手は1名だけ。
彼の移動距離は、見える範囲の移動や、長くても王都内と聞いている。
それでも魔法の天才と言われて、もてはやされていた。
まあ、この転移魔法を聞けば、そのプライドはずたずただろう。
しかし、この1名でも鍛えてもらえれば、
彼を使って移動できるようになるのだろうかと期待する。
今度、ジルベールに教育を頼んでみよう。
王女2人が夏休み中の3週間、クロスロード家の領土に遊びに行くらしい。
そして、双子の片割れ、第2王子マックとその婚約者アナスタシアも一緒に行くらしい。
領地に、夏の避暑地として使えるホテルを建てたが、
今年は練習と称して、一般客を泊めないので、空いているらしい。
王族が泊まれるほどでは無いが、夏の避暑地にもなっているので、どうですかとのお誘いだ。
王が、どうやら領地にレイブリング元将軍がいるので、折角だから鍛えてもらおうと言い出した。
フィリップは、公務の予定も無かったので、行くことになった。
なんと羨ましい。
私は、すでに公務が入っており、3週間全部はいけない。
いろいろ調整して、なんとか最初の1週間だけ、メンバーに入れてもらえた。
そして当日の移動をどうするのかと思ったら、2回の転移で全員が移動できた。
とんでもない魔法だ。
私は、1週間のうちにいろいろと吸収したかった。
剣の技術や、魔物との対戦方法はレイブリング元将軍が教えてくれた。
これは大変有益だった。
王城の先生や、学校で教えてもらってはいたが、レイブリング元将軍の生きた知識は大変すばらしかった。
弱点についても、どの様に攻撃すれば良いか、剣での切り方なども含め、丁寧に経験がなせる業を幾つも教えてもらった。
しかし何よりも驚いたのは、ジルベールからの魔法の説明や、魔力操作の訓練だった。
内容も非常に画期的だった。
それは、今の学校で教えている方法と全く異なる理論だった。
そこで解ったのは、ジルベールは、全属性の魔法が使えること。
魔力を可視化でき、魔力と言う普通は見えない物を見ていることが解った。
そして、その魔力が見える力を使って、魔法学を根本から変える新しい考え方を説明してくれた。
どれもはじめて聞く話ではあるが、実際に幾つか系統別に試してくれると
ジルベールの理論が正しいとしか思えない。
結果、それを理解すると、自分の魔法の結果も格段に威力が上がった。
そして魔力操作の訓練で総魔力量が格段に上昇する。
ジルベールが幼い時から一緒に訓練をしているエレノア、ニーナの総魔力量もすごかった。
すでに、宮廷魔道士とは一桁異なる総魔力量があった。
すでにマリアもそのレベルに達している。
同じように、その親のクインと言う魔法使いは、その昔宮廷魔道士を落ちたにも関わらず、
現状、エレノアと同じく、宮廷魔道士の10倍はある総魔力量に、魔法力もかなり強かった。
おそらくジルベールの訓練方法を試せば、現在の魔道士は皆10倍近くまで強く慣れるのではないだろうか。
ただし、訓練の初期に、ジルベールから魔力の可視化によって、自分の魔力操作をきちんと指摘してもらい、思いと、実際の違いを修正してもらわなければ難しい。
元々、大魔道士と呼ばれた過去の偉人達は、偶然、この方法にたどり着いたのではないだろうか。
見えないものを他人に説明したり、指導ができず、
この方法がきちんと書籍に残されることが無かったのだろうと推察される。
まあ、結局は、ジルベールに気に入られ、
最初に能力を伸ばしてもらうことをしてくれれば、あとは伸びるのだ。
全員は無理だが、徐々に増やしていくことは可能かも知れない。
これは、戻ったら王に言うべきなのだろうか。
しかし、新しい魔道学説を変更するのは難しい。
理論の証明に老人達がうなずくと思えない。
しかし、いずれこの新しい理論は世に広まる。
まずは、国内で広める必要がある。
しかし、これらはゆっくりと、そして絶対に成功させなければならない。
戻ってからの私の仕事も多そうだ。
そして、約束の1週間が過ぎ、予定していた公務をこなさなければならない。
当初は、これで終りの予定だったが、1人で訓練を続けるよりも、
1日でもレイブリング元将軍の指導、ジルベールとの訓練に参加した方が良いと感じた。
次に何時教えてくれるか解らないのだから。
チャンスは逃すべきではない。
結局週末だけ、参加させてもらるように手紙を書くと、指定した時間にジルベールが王城内の教会に迎えに来てくれた。
ジルベールと話をすると、ルカ王子と言ってくるが、妹二人の婚約者だし、
フィリップと同じように自分の事を兄として呼んでもらいたいものだが、
"ルカにい" と呼ばせるには、相手が規格外すぎて恐縮する。
まあ、もう暫く親交を深めてから呼び名を考えるか。
しかしそれにしても、この距離を簡単に移動できる空間魔法の使い手はすごく便利。
現在の、王宮魔道士の中で空間魔法が使えるのは3名。
そのうち若手は1名だけ。
彼の移動距離は、見える範囲の移動や、長くても王都内と聞いている。
それでも魔法の天才と言われて、もてはやされていた。
まあ、この転移魔法を聞けば、そのプライドはずたずただろう。
しかし、この1名でも鍛えてもらえれば、
彼を使って移動できるようになるのだろうかと期待する。
今度、ジルベールに教育を頼んでみよう。
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