旧転生者はめぐりあう

佐藤醤油

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4部ジルベール10歳 時が動き出す

4.39 守護精霊のタマちゃん

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スーが、すぐに2妃様に目の色が変わった事を告げに行った。
2妃様が、すぐに目の色を変える魔道具を王宮魔道士に頼んだ。

そして、夕食会にて王様が、虹色の目を確認した。
かなりびっくりしていました。
現在、この国を含め周辺国にも未来予知の巫女は居ない。
確認されている両眼が未来視の人は、この3百年でスーレリアを含めて、二人だけらしい。
聖女は、50年~100年に1人いた。
スーの様な片眼が未来視の人は、占い師として50年に1人いたようです。
ラキシス様の加護を持つ人は、かなり少ないようだ。

その夜、王様と、王妃様3人は王の部屋に集まり、話し合いがあるそうで、
我々は、食事の後はちょっと暇だった。

最近、よく、こうして王城に泊まることが、あります。

今日は、早めに解放されたので、王家の王子・王女全員で魔力操作の練習をやりました。
夏休みの特訓以降、王子3人は、魔力操作がかなり上手になっていました。

マイヤー様と、シュミット様二人は、魔力操作の訓練に慣れていない。
マイヤー様は、私とスーで丁寧に教え、
シュミット様は、まだ魔力操作がぜんぜんできないので、
私が外部からの操作をして、体の中の魔力をゆっくりと動かす。
シュミット様は、今までは魔力を感じたことすらなかったようですが、今日の訓練で魔力がなんとなく解ったみたいです。
外部から強制的に魔力を操作したため、かなり疲れたのでしょう、
すぐに私のひざの上で寝てしまいました。
今日は、マリアが、途中から抱っこして、侍女に渡しました。

そして、その日の夜、私は、不思議な夢を見た。

スーに良く似た銀髪、両眼が虹色。
マリアに良く似た黒髪、両眼が紫の共に、20歳前後の女性。

2人ともウエディングドレスを身にまとい、私の両脇に立ち嬉しそうに微笑む。
2人の手をとり、式を挙げる夢だ。

朝起きても、夢を覚えていた。

きっと昨日ラキシス様から300年前の話をきいたせいだろうか。

夢に見たのが、おそらく、建国の王シンの傍らにいる二人の女性だろう。
どうやら、私は、神崎真の生まれ変わりなのかも知れない。

未来視の目は、国家機密の部類らしく、やはりそのまま学校には行けない。
結局、スザンヌは魔道具が来るまで学校を休むことになったようだ。
宮廷魔道士が特急で青眼に変える魔度具を作るようだ。

聖女の話が外に流れた後であるが、
マリアも元の茶色に変える魔道具を作る事になったようだ。

朝の朝食会場にて、挨拶を交わす。
「二日続けて会えるとのは嬉しいですね」とスザンヌ。
「私も、会えて嬉しいです」とマリア。
うーん、2人とも、朝から、かわいいなー。

そして、3人で会話をするために、会話室に移動。
マリアはタマを連れていた。
「お、タマちゃん、半年ぶりぐらいかな。大きくなりましたね」
と、なでなで。

すると、『よう、あの時の小僧』
急に猫の声が聞こえてビクッとした。

が猫はそれを無視して話を続ける。
『あの時は、わてを木から下ろしてくれて助かったわ。
つい、転生前と区別つかんくなって気が大きくなってなー。
高い木を見るとつい登りたくなるんやー』

「えーっと。なんで声が聞こえるの?
それも関西弁のような、変ななまりが」

すると、横からスーが
「昨日、アロノニアさまがタマは精霊が入ってるって説明してくださった」

「あ、そうだった。
そうか、精霊が入ってるから、念話で話しかけているのか。
いえいえ、どういたしまして、おかげであの日マリアと会えましたから」

『おう、そうか。なら礼の話はおわりやな。
あと、わてを助けてはくれたけど、それはそれや。
マリアはわての主人や、わての許可無く婚約者とかありえん。
絶対にわたさへんで。助けたことと、結婚は別や、良いか』

と急にけんかごし。

「え、じゃあ、マリア様と婚約させてください」

『なんで、わてにそんな事をいうんや』
「いま、許可を貰えって」

『言葉のあやや、一度言って見たかっただけやがな。
冗談や、冗談。
マリアが婚約したい言うのに、守護精霊が反対するわけないやろ』
へんな精霊だな?
「そうですか、では今後もよろしくお願いします」

『解った。じゃ、わては眠いから寝る』

そういって、マリアのひざの上で、あっと言う間に寝てしまった。

はや!
体は、まだ子猫だもんな。
話を変えよう。

「そういえば、昨日の夜に夢を見ました。スーに似た銀髪、両目が虹色。
マリアに似た黒髪、両目が紫の2人との結婚式の夢です」
「へー、どんなドレスを着ていた?」
「え」そうか、さすが女子。
そんな質問が来るとは。

「待ってください。良く思い出します」
目をつぶって、もう一度思いおこす。

「たしか、スーの方は、緑色のドレスで胸元が、がばっと開いてて、ドキドキの格好でした。
マリアのほうは、淡い青いドレスです。
胸元が閉じてましたが、前のふくらみがすごくかったな。
あ、そういえば、この前、選んだドレスと同じ色だ」

「やっぱりジルサマも男子ですね。
 まあ、よいでしょ。
    私の記憶でも、その色です。間違いなく前世の記憶だと思いますよ。
    マリアに似た女性は、淡い青のドレスで、後ろに大きなリボンが付いてました。
    可愛いドレスの割りに、胸のところがどーん膨らんでましたね」

「マリアも見たよ。夕べ。
お姉さまに良く似た方が、薄い緑色のドレスで、ポワポワなお胸が見えて、セクシーでした。
ジルベール様に似た黒髪、金眼のかっこいい男性は黒に金の刺繍の入った騎士服を着てました」

「すいません、ごめんなさい。胸の話はなしで」と私が謝る。

「金の刺繍の柄を覚えてる?私はそこを思い出せないの。
お父様が着ている服につける刺繍とは違うのよね」とスーが気にせず話を続ける。

「そうですね、稲穂が実っているような刺繍だったような。こんな感じです」
「あ、そういえば自分の胸を見たときにそんな感じ、
麦のピンピンとしたヒゲがないから、稲だ。4本の稲。
4人をイメージしているのかな」

「言われると、思い出してきた。
4本の稲ですね。今作っている服に入れてみららどうですか」とスーが。

「4本で全く一緒だと過去を掘り起こして何か言われるかも知れないし、
今世は、私達、3人みたいだから、3本で作ります」

「うーん、ジルさまの相手が私達二人で終わりと言う事は無いと思いますけど、
とりあえず、3人で3本ですね。
あー、自分の結婚式が楽しみ」

「ほんとですね。前世は、一緒に結婚式をしたようですが、
今世は、お姉さまの方が先に結婚されるから、羨ましいです」

「.....」

なんとなく危険な話のような気がして、
その話題に口を挟むのはやめた。

スーも、やばそうだと、話題を変えた。

マリアの回復魔法についてだ。
私は、前世で回復魔法を使っていなかったので、一から習得しているが、
私の、他の魔法同様、マリアの回復魔法は最初からスキルレベルが高いのではないか?

私が、現状を鑑定でチェックすると、全体的に回復魔法のスキルは低めだった。
やはり10歳までは体が出来上がっていないから、制約があるかも知れないですね。
と言う話になった。

現状、メリーナ様からも、あまり回復魔法を使わないように言われているので、
あせらないようにしようと言うことで、納得してもらった。

それよりは、基礎力。
魔力操作が上手いほうが、魔法の効果が高く、
総魔法量も増えやすい。

そして、マリアから、王城での魔力の消費方法を聞いた。
王城に居ると魔法が使えず、魔力が四散するだけだ。
しかし、この四散を使えば、消費量を増やすことが出来るそうだ。

聖魔法の結界を作ろうとすると、結界形成中にどんどん魔力が流れて行き、あっという間に魔力が枯渇する。
これで、魔力操作+大魔力消費のコンボが出来るようで、想定よりもマリアの総魔法力の増え方が早い。


スーは、結界を使えないが、魔力の消費は、未来視の目に魔力を注げば、あっと言う間に枯渇するので、
それで、魔力を消費する様にした。

これで、二人の総魔法量を増やす練習方法も決まり、後は目の色を変える魔道具待ちだ。
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