貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油

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第2章 上級貴族の息子

2.23  春

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 あっというまに春になった。文官のマルティエス、護衛のヤットルッドが学園を卒業したので、正式に僕に仕えてくれるようになった。
 まずは2人が一緒なら入れると約束してくれた城の図書館へ入らせてもらった。
 城の文官に本の分類を教えてもらい順番に読み始めた。その間マルティエスには去年の植物の整理を頼んだ。ヤットルッドは護衛として僕のそばに待機している。護衛と言うよりは子供の監視がメインだ。僕の様な小さな子供が貴重な本をダメにしてはいけない。その監視だ。だいたい城の図書館で護衛業務など誰から守ると言うのだ。本を僕から守るのが護衛の仕事。残念すぎる。
 当の僕は、本を傷つけることなく丁寧に扱っている。結局、ヤットルッドは、本を取るのが仕事になっている。そもそもここにある本はものすごく重い。想定以上だった。それに棚が高くて、大半の本に手が届かない。護衛がいて良かった。

 城の図書館には色々な本が入っていたが、学園の図書館を利用していたマルティエスが言うには学園の図書館とはこことは比べ物にならないそうだ。学園の図書館はもっと広くて数十倍の本があるそうだ。
 今はまだそこには行けないし、まずはここのある書物だけでも読んでしまおう。おいてある大半は城で使われる税金を示した資料なので僕が読む本は1割に満たない。読破はできそうな冊数なのだ。
 日々、図書館に通っていたが、すぐにシーズカイルから連絡があった。
 どうやら今年は全ての茶木から1番茶を摘み取ってくれたらしい。どれが一番良いお茶になのか比較をするそうだ。ただし、2番茶以降は去年どおりに紅茶に加工するらしい。現在お茶の準備中でもうしばらくしたら加工後のお茶を使った試飲会をするらしい。とても楽しみだ。
 そして、日々、図書館通いがつづく。
 この図書館には魔法に関する本は無い。どうやら僕が入れる部屋とは別の図書館に魔法に関する本をまとめているようだ。魔法は学園に通いださないと読んではいけないそうだ。誤って使うと大変なことになるらしく、子供が入れないように制限されていた。残念。
 ここには、神話を中心にした本が置かれている。神話は、子供教室で使う本だ。これらの本は毎年、数冊づつ書きなおされ、およそ15年周期で新しい本に置き換わるようだ。
 過去の本も収納されていた。手に取って読んでみたが、過去の本はただ古いだけでまったく同じ内容だった。そして当然だが古い本の一部は読めず処分されて古くなるほど減っている。
 他には、過去を含めた貴族年鑑が置いてある。戸籍のようなものもあり、誰と誰が結婚して誰を生んだのか、ここの資料だけでわかる。個人個人の髪の色、目の色、そして持っている属性が書かれている。
 せっかくなのでなにか傾向でもないかと集計もしてみた。すこしだけ自分でまとめて、まとめ方が決まれば、文官のマルティエスがやってくれるので楽だ。
 残念ながら植物図鑑や動物図鑑はなかった。図書館を管理する人に聞いたが、魔法の本が収納されている方にもないらしい。つまり、僕が用意した資料が唯一のようだ。ただ、図鑑そのものは、学園の図書館にあるらしい。ただ学生が興味で書いただけなので、中途半端な資料で、数名で書いたせいか、書き方もバラバラらしい。
 とりあえず、子供教室で習うであろうこの領地の歴史や地方の領地の特産物などがしっかりと書かれた資料があり、子供教室での予習にはなった。残念ながら僕が入れるこの図書館では、あまり役に立つ本が見つけられなかった。
 隅の方に、神殿関係の本があったが、埃をかぶっていたし、古すぎて大半が読めなくなっていた。残念だ。
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