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美女と野球
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ピッチャーゴロが文字通りゴロゴロと転がっていった。
「すみませーん、そのボール取りに行ってもらえますか?」
「はい、いいですよ~。」
とびきりの笑顔で応える彼女がピッチャーだ。
「じゃあ、投げまーす!」
そういうと彼女はキャッチャーの僕にボールを返そうとしていた。
「いや、こっちにじゃなくて1塁にお願いします!」
僕は慌ててそういった。
「えっ、さっきはそっちだったのに⁉まっいっか、えい!」
そういうと彼女は3塁に向かって大きく弓なりのボールを放った。
「あっ、そっちじゃないっす‼」
僕はキャッチャーマスクを外し慌てて叫んだが後の祭りだ。それを見てランナーは1塁ベースを蹴って2塁に進む。少しそれたボールをサードが処理している間に、走攻守揃った相手のエースは余裕のスライディングで2塁へと到達した。
「ドンマイ‼」
顔を赤らめながら照れ屋のサードが彼女にボールを返す。
「私にじゃなくて1塁ってとこに投げてくださいよぉ…。」
しゃがんでた彼女は上目遣いでそう言いながら捕球した。
「すいません、そんなつもりは…」
サードの彼の顔が一層赤らむ。
「じゃあ多分こっちが1塁ね。えいっ!」
ランナーのいない1塁に山なりの牽制球を投げる彼女。
「あっ、もう投げなくていいッス!」
僕が叫ぶよりも早くそれを横目にランナーがスタートをきる。
「え?どういう事?」
「くそっ!」
ファーストはそう言いながら捕球した球を投げるふりだけをして送球を諦めた。3塁では華麗なスライディングを決めたランナーが泥を払っている。
「投げろっていったり、投げるなっていったり!みんなで私をからかってるの?」
「いや、そういう訳じゃないんですけど…。」
いつもは豪胆な性格のファーストも彼女には強く言えないようだ。
「タイムお願いします。」
僕は審判にそう告げた。審判は両腕を斜め上に上げ、皆がピッチャーの彼女の元に集まる。何がなんだかわからないという感じで怒り心頭の彼女。
「どういうことなの?ちゃんと説明して!」
「まあまあ落ち着いて、まだ1点も取られてませんから。」
「まだ大丈夫なのね…よかった。」
少し落ち着きを取り戻したように見える彼女。他のメンバーはここぞとばかりに彼女の程よく発達した瑞々しい太ももを食い入るように見ていた。しばらくして皆がそれぞれの持ち場に戻る。色んなとこが前傾守備なのはランナーが3塁にいる事だけが原因でないように思えた。
「で、次はどっちに投げればいいの?」
「一旦、牽制したいので3塁に投げて下さい。」
牽制を宣言するという一見無意味な謎行動だが彼女を落ち着かせ、今一度信じてもらうためには仕方なかった。
「そっちが1塁だったから、3塁はたぶんこっちね!えいっ!」
僕に背をむけ2塁に投げようとする彼女。
「「「「「「「なんでだー⁉」」」」」」」
皆の心の声が球場全体に鳴り響く。
すかさずランナーがスタートをきりホームスチールを狙う。まだセカンドからの返球すらないのを横目に余裕の笑みでホームへ滑り込む。
「アーウト♡」
背を向けたままの彼女の憎たらしい声が静寂のダイヤモンドに響いた。
「すみませーん、そのボール取りに行ってもらえますか?」
「はい、いいですよ~。」
とびきりの笑顔で応える彼女がピッチャーだ。
「じゃあ、投げまーす!」
そういうと彼女はキャッチャーの僕にボールを返そうとしていた。
「いや、こっちにじゃなくて1塁にお願いします!」
僕は慌ててそういった。
「えっ、さっきはそっちだったのに⁉まっいっか、えい!」
そういうと彼女は3塁に向かって大きく弓なりのボールを放った。
「あっ、そっちじゃないっす‼」
僕はキャッチャーマスクを外し慌てて叫んだが後の祭りだ。それを見てランナーは1塁ベースを蹴って2塁に進む。少しそれたボールをサードが処理している間に、走攻守揃った相手のエースは余裕のスライディングで2塁へと到達した。
「ドンマイ‼」
顔を赤らめながら照れ屋のサードが彼女にボールを返す。
「私にじゃなくて1塁ってとこに投げてくださいよぉ…。」
しゃがんでた彼女は上目遣いでそう言いながら捕球した。
「すいません、そんなつもりは…」
サードの彼の顔が一層赤らむ。
「じゃあ多分こっちが1塁ね。えいっ!」
ランナーのいない1塁に山なりの牽制球を投げる彼女。
「あっ、もう投げなくていいッス!」
僕が叫ぶよりも早くそれを横目にランナーがスタートをきる。
「え?どういう事?」
「くそっ!」
ファーストはそう言いながら捕球した球を投げるふりだけをして送球を諦めた。3塁では華麗なスライディングを決めたランナーが泥を払っている。
「投げろっていったり、投げるなっていったり!みんなで私をからかってるの?」
「いや、そういう訳じゃないんですけど…。」
いつもは豪胆な性格のファーストも彼女には強く言えないようだ。
「タイムお願いします。」
僕は審判にそう告げた。審判は両腕を斜め上に上げ、皆がピッチャーの彼女の元に集まる。何がなんだかわからないという感じで怒り心頭の彼女。
「どういうことなの?ちゃんと説明して!」
「まあまあ落ち着いて、まだ1点も取られてませんから。」
「まだ大丈夫なのね…よかった。」
少し落ち着きを取り戻したように見える彼女。他のメンバーはここぞとばかりに彼女の程よく発達した瑞々しい太ももを食い入るように見ていた。しばらくして皆がそれぞれの持ち場に戻る。色んなとこが前傾守備なのはランナーが3塁にいる事だけが原因でないように思えた。
「で、次はどっちに投げればいいの?」
「一旦、牽制したいので3塁に投げて下さい。」
牽制を宣言するという一見無意味な謎行動だが彼女を落ち着かせ、今一度信じてもらうためには仕方なかった。
「そっちが1塁だったから、3塁はたぶんこっちね!えいっ!」
僕に背をむけ2塁に投げようとする彼女。
「「「「「「「なんでだー⁉」」」」」」」
皆の心の声が球場全体に鳴り響く。
すかさずランナーがスタートをきりホームスチールを狙う。まだセカンドからの返球すらないのを横目に余裕の笑みでホームへ滑り込む。
「アーウト♡」
背を向けたままの彼女の憎たらしい声が静寂のダイヤモンドに響いた。
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