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匂い

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しばらくして気がついた。

おかしい。 

匂いがしないんだ。

ガスコンロの匂いもご飯のやける匂いも

ただ音だけがなっている。

どうして?

「出来た」

目の前にコトンとお皿が置かれた音がした。

どうやらベットの横にテーブルがあるらしい。

ちあきが手を引いてくれてそれでお皿とスプーンの場所を教えてくれた。

そういえば冷蔵庫あったっけと考えながら口元にスプーンを運ぶ。

匂いがしない。

いつもの味付けより薄く感じた。

いつも…

ちあきの作ったチャーハンは初めてのはず…

「ちあき…匂いがしなくなった」

「もうそんなに…」

そう小さく零された言葉。

もうとはそんなにとはどういう意味なのだろう。

ちあきが何かを知っているのは確かだ。

「ねぇちあき私はこのままどうな…」

せっかく出た言葉を飲み込む。

また眠気に襲われたのだ。

ぐらついてそのままベットに着いた感覚があった。
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