上 下
13 / 19

空腹

しおりを挟む

目を覚ましたが、次は何を失うのか怖くなり目をつぶる。

やってきた眠気に意識を手放す。

目の前に座っていたのは彼。

私はシートベルトをしていた。

彼が振り返りながら言った。

「暇なら息子の勉強くらい見てやれよ」

重く刺さった言葉。

目を覚ます。

「魘されてたけど大丈夫か?」

ちあきの声だ。

「うん。何か長い夢を見てたみたい。」

「そうか」

静かになってしまって部屋。

今の状況じゃあ、もうちあきがこの部屋に居るのかすら分からない。

「ちあき…」

「…どうした?」

その時静かな部屋にお腹の音が鳴った。

「ああ、お腹すいたのか。今日はパスタだ。」

目の前にお皿を置かれた音がした。

少し待つが案内してくれなかったので手を伸ばす。

するとちあきの大きな片手で繋がれた。

しおりを挟む

処理中です...