悪役令嬢だからってここまでする ⁉︎

sora

文字の大きさ
21 / 25

20.

しおりを挟む
「お嬢様、何て顔されてるんですか」
馬車を降りざま、怪訝な顔で眉間に皺を寄せるバロットと出会う。
「げっ‼︎ 」
ヤバい!私、苦手何だってこの男!
顔はカッコいいよ。でもチャラいのは嫌い。
「お前には関係ない事よ」
つれなく言ってやり颯爽と踵を返す。
関わりたくないのよ。私はルゼリフィアに用があって……
「にゃあっ⁉︎ 」
やだっ、変な声出たぁっ。
公爵令嬢にあるまじきでしょ。ちょっと赤面しちゃったわ。
「何するのよっ!」
バロットのごつごつとした、でも長い指が私の臀部を支えて、自身の胸元に抱き寄せる。普通は腰じゃないの⁉︎ いや、腰でも声は出たかもだけど。
「何も?」
透かした顔で言われる。
こいつっ。
「離しなさいよ!無礼だわ、主家の娘に何て事、むむうっ」
馭者は何を勘違いしたのか、「私は何も見てませんので。ああ、今日も良い天気でしたなぁ」とか訳分かんない事言って引っ込んだわ。絶対バロットに買収されてるのよ。
「やめっ、んんうっ、ふっううっ」
乱暴に口をこじ開けられ、バロットの舌が思うままに歯列を舐め上げ、舌を絡め吸い、口腔を貪る。執拗に舐め吸われ、力が抜けされるがままになる。
ぴちゃぴちゃと舌音が重なり、私の腰が感じさせられて砕ける様にバロットにしな垂れかかる。バロットは目を開け私を見据えたまま、甚振るかの様にしつこく口を奪い続ける。

銀糸がつたい、唇が腫れ熱を持ちじんじんと痛みを訴える。

「も……やあぁっ。バロ……お願い、やめっ」
「貴女は時折可愛いな」
酷い事をしている実感はないのか、ふっと優しげに悪く笑われる。
バロットは私を抱き竦めて、私は密着したまま、バロットに支えてもらってる。

「このまま、俺の寝室に直行したいんだけど?」
はああああ⁉︎ 馬鹿なの、バロット!お父様もいらっしゃる屋敷で事に及ぼうなんて、何て事!
胡乱な眼差しの私を見て理解したのか
「あぁ、刻印の事なら配慮しますよ。抜け道ならあるので」
「?」
「挿入しなくても、お互いイケる事はあるでしょう?」
「なっ⁉︎」
やだやだやだ!何で、この男てデリカシーないていうか明け透けなの⁉︎ ルゼリフィアてこんな男でいいの?ていうか、最後までしてないんだ……。お父様がいらっしゃったから?てか
「刻印て?」
「は?」
嫌味な男、バロットが固まる。あら、珍しい。
「お嬢様、熱は?」
コツンと、おでことおでこで測られる。
ち、近ーーーーーーいっ。
キスと違って、これはこれで、何て恥ずかしいのっ。本当、私もルゼリフィアもこういう経験ないから、無駄に顔も良いから、ヤバい。アルドが居なかったら落ちてたかも⁉︎ いや、ルゼリフィアの恋人?でもあるから、この反応は共有なのかな。思考が止まらにゃい。やだ、噛んだ。段々、涙目になり、瞼を舐められ優しい触れるだけのキスをされる。
「本当に、面白い」
含んだ声で言われたけど、私は思考の渦に陥ってて、ただあわあわしてた。

本当に、こんな適性なくてルゼリフィアはどうやって悪女になるんだろ。

バロットの腕の中で赤面したり青くなったりしてた。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢に相応しいエンディング

無色
恋愛
 月の光のように美しく気高い、公爵令嬢ルナティア=ミューラー。  ある日彼女は卒業パーティーで、王子アイベックに国外追放を告げられる。  さらには平民上がりの令嬢ナージャと婚約を宣言した。  ナージャはルナティアの悪い評判をアイベックに吹聴し、彼女を貶めたのだ。  だが彼らは愚かにも知らなかった。  ルナティアには、ミューラー家には、貴族の令嬢たちしか知らない裏の顔があるということを。  そして、待ち受けるエンディングを。

ヒロインだと言われましたが、人違いです!

みおな
恋愛
 目が覚めたら、そこは乙女ゲームの世界でした。  って、ベタすぎなので勘弁してください。  しかも悪役令嬢にざまあされる運命のヒロインとかって、冗談じゃありません。  私はヒロインでも悪役令嬢でもありません。ですから、関わらないで下さい。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい

咲桜りおな
恋愛
 オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。 見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!  殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。 ※糖度甘め。イチャコラしております。  第一章は完結しております。只今第二章を更新中。 本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。 本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。 「小説家になろう」でも公開しています。

兄様達の愛が止まりません!

恋愛
五歳の時、私と兄は父の兄である叔父に助けられた。 そう、私達の両親がニ歳の時事故で亡くなった途端、親類に屋敷を乗っ取られて、離れに閉じ込められた。 屋敷に勤めてくれていた者達はほぼ全員解雇され、一部残された者が密かに私達を庇ってくれていたのだ。 やがて、領内や屋敷周辺に魔物や魔獣被害が出だし、私と兄、そして唯一の保護をしてくれた侍女のみとなり、死の危険性があると心配した者が叔父に助けを求めてくれた。 無事に保護された私達は、叔父が全力で守るからと連れ出し、養子にしてくれたのだ。 叔父の家には二人の兄がいた。 そこで、私は思い出したんだ。双子の兄が時折話していた不思議な話と、何故か自分に映像に流れて来た不思議な世界を、そして、私は…

彼女が高級娼婦と呼ばれる理由~元悪役令嬢の戦慄の日々~

プラネットプラント
恋愛
婚約者である王子の恋人をいじめたと婚約破棄され、実家から縁を切られたライラは娼館で暮らすことになる。だが、訪れる人々のせいでライラは怯えていた。 ※完結済。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...